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議決権行使ガイドライン(国内株式)

平成30年10月31日 制定
2019年10月29日 改正
2020年6月26日 改正
2021年1月22日 改正
2021年2月18日 改正
2022年1月27日 改正
2023年1月27日 改正
2024年1月31日 改正

1.取締役選任に関する議案

取締役会は会社の目指すところを確立し、戦略的な方向付けを行うなど重要な経営に関する方針等を決定する機関であり、各取締役が意見等を述べ十分な審議を行うことが重要であると考えます。そのため、取締役としての適格性に加え、企業規模や事業部門数と取締役員数の関係の妥当性などを検討します。業績不振の企業については取締役の経営責任について検討します。


社外取締役については、経営に対する助言・監督機能を発揮するために複数選任されるべきであると考えます。一般株主と利益相反が生じる恐れがない独立役員として証券取引所に届出する社外取締役については、一定水準以上の独立性を有する必要があると考えます。


(1)業績(連結)

•3期連続で当期純利益赤字
 ~当該期間に在任していた取締役の再任に原則として反対します
•3期連続でROEが5%未満
 ~当該期間に在任していた代表権のある取締役の再任に原則として反対します
•直近決算期が債務超過
 ~代表権のある取締役の再任に原則として反対します
•株価が前期末(期中上場の場合は上場日)比50%以上下落
 ~代表権のある取締役の再任に原則として反対します

(2)ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点で問題となる事案の発生

下記に該当する場合、代表権のある取締役などの再任に原則として反対します。

•環境や社会に深刻な影響を与えている
•株主価値が大きく毀損している
•組織的な関与や隠蔽がある
•再発防止策の策定と責任の明確化がなされていない
•同一事象の事案が1事業年度において複数回発生している


(3)取締役の選任数

•取締役員数が20名超
 ~代表権のある取締役に原則として反対します
•社外取締役以外の取締役の増員
 ~合理的な理由がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します

(4)独立社外取締役の選任数

•独立社外取締役が1名以下
 ~対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します
•親会社を有する企業において、独立社外取締役が取締役総員数の1/3未満の場合
 ~対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します
•プライム市場上場企業において、独立社外取締役が取締役総員数の1/3未満の場合
 ~対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します
•プライム市場上場企業で親会社を有する企業において、独立社外取締役が取締役総員数の1/2未満の場合
 ~対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します

(5)証券取引所に届出する独立取締役の適切性

下記に該当する者は適切性に欠けると判断し、当該独立役員に原則として反対します。但し、下記に該当する者であっても独立役員として適切である理由が十分に説明されている場合、賛成します。

•当該企業の大株主※1又はその業務執行者、又はその出身者※2
•当該総会終結時に連続在任期間が10年以上となる者
•取締役会の出席率が75%未満の者
•5社以上の社外役員を兼任している者
•上記以外の理由で利益相反が生じるおそれのある者、又は社外役員としての職務を適切に遂行できない可能性のある者


※1 大株主とは、持株比率上位10位以内の株主(信託勘定を除く)とします。
※2 出身者とは、原則として直近10年間において該当する組織に属していた者とします。


(6)エスカレーション

企業が直面する重要課題について、中長期的な企業価値向上を阻害するおそれがある、又は株主価値を毀損する可能性が高いにも拘わらず、対話を通じて今後の改善が期待できないと判断した場合は、代表権のある取締役などに原則として反対します。

(7)取締役としての適切性

上記の他、取締役として適切ではないと判断した場合、当該取締役に原則として反対します。

2.監査役選任に関する議案

公正な監査が行われるためには、取締役から独立した立場の者による監査が必要であり、監査役会は取締役の職務執行を監査する機関として十分に機能することが重要であると考えます。そのため、監査役としての適格性について検討します。

一般株主と利益相反が生じる恐れがない独立役員として証券取引所に届け出ている社外監査役については、一定水準以上の独立性を有する必要があると考えます。


(1)監査役の選任数

監査役の減員は、対話による十分な説明がない限り、代表権のある取締役に原則として反対します。

(2)ESGの観点で問題となる事案の発生

下記に該当する場合、監督責任があると判断される監査役の再任に原則として反対します。

•環境や社会に深刻な影響を与えている
•株主価値が大きく毀損している
•組織的な関与や隠蔽がある
•再発防止策の策定と責任の明確化がなされていない
•同一事象の事案が1事業年度において複数回発生している


(3)証券取引所に届出する独立監査役の適切性

下記に該当する者は適切性に欠けると判断し、当該独立役員に原則として反対します。但し、下記に該当する者であっても独立役員として適切である理由が十分に説明されている場合、賛成します。

•当該企業の大株主※1又はその業務執行者、又はその出身者※2
•当該総会終結時に連続在任期間が10年以上となる者
•取締役会の出席率が75%未満の者
•5社以上の社外役員を兼任している者
•上記以外の理由で利益相反が生じるおそれのある者、又は社外役員としての職務を適切に遂行できない可能性のある者


※1 大株主とは、持株比率上位10位以内の株主(信託勘定を除く)とします。
※2 出身者とは、原則として直近10年間において該当する組織に属していた者とします。


(4)監査役としての適切性

上記の他、監査役として適切ではないと判断した場合、当該監査役に原則として反対します。

3.役員報酬等に関する議案

中長期的な企業価値向上の観点から、役員報酬等と業績の関係の適切性を検討します。また、ESGの観点で問題となる事案の発生した場合、原則として反対します。


(1)役員賞与

下記に該当した場合、役員賞与の支給に原則として反対します。

•2期連続で当期純利益赤字、かつ2期連続で経常利益赤字
•直近決算期が債務超過


(2)退職慰労金

退職慰労金については、中長期的な企業価値向上との整合性の観点から、原則として反対します。但し、死亡に伴う弔慰金の贈呈、退職慰労金制度の廃止に伴う打ち切り支給は賛成します。

(3)株式報酬(ストックオプションを含む)

株式報酬制度やストックオプションは、インセンティブとしての効果を通じて中長期的な企業価値の向上に資すると考えます。但し、株価が大幅に下落した時点におけるストックオプションの新規付与や、株式価値の大幅な希薄化に繋がるストックオプションなどについては、株主利益を棄損させる可能性があるので反対します。

また、取締役の職務執行を監査・監督する監査役、経営に対する助言・監督機能を有する社外取締役への株式報酬やストックオプションの付与は、牽制機能が弱まる可能性があるので否定的に判断します。


•株価が前期末に対して50%以上下落
(新規上場の場合は上場日から50%以上下落)
 ~ストックオプションに原則として反対します
•潜在的希薄化率が10%を超えるストックオプション
 ~ストックオプションに原則として反対します
•社外取締役、監査等委員である取締役、監査役への付与
 ~株式報酬(ストックオプションを含む)に原則として反対します。但し、社外取締役(監査等委員である場合も含む)への株式報酬(ストックオプションを含む)は、合理的な理由があれば、賛成します


(4)ESGの観点で問題となる事案の発生

下記に該当し、合理的な理由のない役員報酬等の増額、過大な役員賞与の支給を行う場合、原則として反対します。

•環境や社会に深刻な影響を与えている
•株主価値が大きく毀損している
•組織的な関与や隠蔽がある
•再発防止策の策定と責任の明確化がなされていない
•同一事象の事案が1事業年度において複数回発生している


4.剰余金処分に関する議案

業績と配当金のバランスの適切性を検討します。


(1)業績(連結)

•2期連続でROEが0%~5%、かつ2期連続で配当性向30%以下(無配当を含む)
 ~剰余金処分に原則として反対します
 ~配当を取締役会で決定する場合は、代表権のある取締役の再任に原則として反対します
•2期連続で当期純利益赤字かつ有配
 ~剰余金処分に原則として反対します
 ~配当を取締役会で決定する場合は、代表権のある取締役の再任に原則として反対します

(2)監査法人の限定意見

個別に判断します。

(3)現物配当

金銭による配当と比べて著しく株主にとって有利である場合を除き、剰余金処分に原則として反対します。

(4)その他

総資産に対するネットキャッシュ(現預金+短期有価証券-借入金等)の使途が明確ではなく、配当性向が低いと判断した場合は、株主還元の強化を求めるために反対します。

5.買収防衛策に関する議案

買収防衛策は、企業経営者の保身に利用されないか、株主価値向上に資する企業買収実現を阻害しないかどうかを基本的な判断基準とします。


(1)事前警告型買収防衛策の導入および更新

中長期的な株主価値の向上の観点から、下記の理念や基準を満たさない場合、原則として反対します。

•中長期的な株主価値の向上を最大限に尊重した経営判断であること
•企業の長期安定的な収益に資するものであること
•取締役会の構成において、社外取締役の占める割合が50%以上であること


(2)信託型ライツプランの導入および更新

潜在株式数が増加するため、原則として反対します。

6.組織再編、資本政策に関する議案

企業の買収・合併、営業譲渡、会社分割等の組織再編、および、増減資等の資本政策は、中長期的な企業価値向上又は株主価値の毀損防止の観点から判断します。


(1)買収・合併、営業譲渡、会社分割

下記に該当する場合、原則として反対します。

•第三者による算定根拠が明示されていない
•株主価値を毀損する可能性が高い


(2)増減資

十分かつ合理的な説明がされていれば、原則として賛成します。

(3)第三者割当

下記に該当する場合、原則として反対します。

•権利行使価格が時価と比べて著しく有利である
•株式の大幅な希薄化が懸念される
•割当対象者が適切でない


(4)自己株式取得

下記に該当しない限り、原則として賛成します。

•特定の株主の利益を図るおそれがある
•一般の株主の利益が侵害されるおそれがある

7.定款変更に関する議案

株主利益や中長期的な企業価値向上への影響を考慮して判断します。


(1)発行可能株式総数

合理的な理由のない過大な発行可能株式総数の増加には、原則として反対します。

(2)種類株式の導入

資金調達など目的が明確であれば賛成します。

(3)取締役の解任要件や合併、これらに関わる定款変更の決議要件加重

必要性が明確であれば賛成します。

(4)取締役定数削減

取締役選任数の減少に伴う場合など、合理的な理由があれば賛成します。

(5)会計監査人に対する損害賠償責任の免除

必要性が明確であれば賛成します。

8.株主提案

中長期的な企業価値向上の観点からESG課題等も考慮し、個別に判断します。なお、下記のような議案には、原則として反対します。


•特定の社会問題、政治問題の解決を目的とする議案
•具体的な業務執行にかかわる議案
•企業側が既に十分な取組みを行っている議案
•競争上の不利益を招く可能性のある議案
•上記以外で、中長期的な企業価値向上を阻害するおそれがあると考えられる議案

9.その他

上記の他、議決権行使委員会が問題ありと判断した議案は、中長期的な企業価値向上の観点からESG課題等も考慮し、個別に判断します。

10.改廃等

本ガイドラインの改廃等は、運用企画部が起案し、責任投資委員会の決議を要するものとします。

以上

附  則
(平成30年10月31日)

1.本ガイドラインは平成30年10月31日から施行する。

2.「不祥事発生企業に対する議決権行使方針」「企業買収防衛策に対する議決権行使方針」「社外役員の独立性に関する議決権行使方針」は、本ガイドラインの施行をもって廃止する。

附  則
(2019年10月29日)

1.この改正は、2019年10月29日から施行する。

附  則
(2020年6月26日)

1.この改正は、2020年7月1日から施行する。

附  則
(2021年1月22日)

1. この改正は、2021年3月1日から施行する。

附  則
(2021年2月18日)

1.この改正は、2021年3月1日から施行する。

附  則
(2022年1月27日)

1.この改正は、2022年4月4日から施行する。

附  則
(2023年1月27日)

1.この改正は、2023年4月1日から施行する。

附  則
(2024年1月31日)

1.この改正は、2024年4月1日から施行する。