2026年4月-Vol.359
  • 概要
  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式
  • 為替動向
  • 虫眼鏡

主なポイント

今月は主要中央銀行の金融政策決定会合が開かれます。日本では、植田総裁が「中東情勢による成長率低下が一時的で、基調物価に影響しなければ利上げは可能」と述べ、利上げ観測が高まっています。米国、欧州では政策金利が据え置かれる見込みです。米国では、パウエルFRB議長が「インフレ鈍化の進展が見られなければ利下げはしないだろう」と述べ、利下げ観測が後退しています。欧州では、ラガルドECB(欧州中央銀行)総裁がエネルギー価格の上昇を念頭に「ショックが長引けばインフレが再加速する可能性がある」と指摘し、金利の変更は「会合ごとに判断する」と述べました。引き続き、エネルギー価格や為替の動向、当局者発言などが注目されます。
今月の主なポイントは以下の通りです。

4/27 (日)金融政策決定会合(28日まで)・・・利上げの可能性
4/28 (米)FOMC(連邦公開市場委員会)(29日まで)・・・現状維持が見込まれる
4/30 (欧)ECB理事会・・・現状維持が見込まれる

市場見通し

国内債券

長期金利は、物価の上振れリスクの高まりなどを踏まえ、日銀が利上げを実施すると見込むことなどから上昇すると予想する。

国内株式

日本企業の「稼ぐ力」への再評価が支えとなるものの、出口の見えない中東情勢に伴う原油価格の高騰が企業業績を下押しすることや、米国の利下げ観測が後退していることも相場の重石となり、もみ合いの展開を予想する。

海外債券

<米国>米国景気に弱さが見られることが金利低下要因となるものの、エネルギー価格の高止まりを受けたインフレ懸念が継続することなどから、金利は上昇すると予想する。

<欧州>ドイツの景気回復が緩慢であることは金利低下要因となるものの、エネルギー価格の高止まりを背景にインフレ懸念が継続することなどから、金利は上昇すると予想する。

海外株式

<米国>AI設備投資関連や生産性向上が利益成長を支えるものの、エネルギー価格上昇によりインフレ再燃、金利上昇圧力が懸念され、一進一退の展開を予想する。

<欧州>資本財・サービス、素材などの企業業績の拡大を予想するものの、エネルギー価格上昇による景気や企業収益への下押し圧力が懸念され、一進一退の展開を予想する。

為替市場

中東情勢の不透明感はドル高要因となるものの、日銀による利上げ実施が円高要因になると予想することから、ドルは対円で横ばいでの推移を予想する。エネルギーの供給不安などによりユーロ圏経済への不透明感が強まると想定することから、ユーロは対ドルで下落を予想する。

政策金利

国内債券

3月の国内債券市場

指標銘柄/新発10年国債

3月の国内長期金利は、原油高によるインフレへの警戒感や日銀の利上げ継続姿勢を受けて上昇し、月末は2.355%で終了した。

国内長期金利は、中東情勢緊迫化による原油価格の上昇により、インフレ圧力が高まることへの警戒などから上昇基調で始まった。日銀は18~19日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたが、中東情勢の緊迫化を受けても利上げを継続する姿勢を示した。さらに、26日に日銀が公表した需給ギャップ再推計値が2022年以降プラスとなり、日銀が利上げ継続への強い姿勢を示しているとの見方などから上昇し、月末は2.355%で終了した。

イールドカーブについては、原油高によりガソリンへの補助金が再開されたことを受け、財政支出拡大への警戒感などから超長期ゾーンを中心に大幅に上昇し、スティープ化した。信用スプレッドは、横ばいとなった。

4月の国内債券市場

4月の国内長期金利は、物価の上振れリスクの高まりなどを踏まえ、日銀が利上げを実施すると見込むことなどから、上昇すると予想する。4月の債券市場のポイントは、①中東情勢の動向、②日銀の動向、③米国金利の動向と考える。

①<中東情勢の動向>中東情勢の緊迫は継続しており、原油価格の高止まりやエネルギー供給懸念が、引き続きマーケット全体に影響を及ぼすことが想定される。特に日本はエネルギーの輸入依存度が高いため、物価上昇圧力と景気減速懸念が高まりやすい。原油高を受けて政府が実施しているガソリンへの補助金は財政悪化要因の一つであり、国債の入札に影響が出る可能性があることや、日銀の金融政策判断もより困難になることも見込まれるため、金利の変動幅が大きくなることが考えられる。

②<日銀の動向>日銀は3月の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたが、植田総裁の記者会見は、中東情勢の展開や原油価格の動向が経済・物価に与える影響を注視しつつも、利上げ継続を示唆する内容だった。4月は1日に日銀短観、6日に地域経済報告、20日に生活意識に関するアンケート調査が公表され、中東情勢を受けた企業や家計の動向が一部明らかになる可能性がある。これらの結果を受けて日銀の追加利上げ観測が変化し、金利の変動幅が大きくなることが考えられる。

③<米国金利の動向>3月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、中東情勢緊迫化の影響は不透明としつつも、同時に示した経済・物価見通しで物価見通しが上方修正されたことなどを受け、市場はFRB(連邦準備理事会)の年内利下げが難しくなるとの見方を強めている。インフレへの警戒が続くなか、中東情勢の展開や原油価格の動向を受けてFRBの金融政策予想が変化することで米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。

イールドカーブは、フラット化すると予想する。信用スプレッドは、横ばいを予想する。

国内株式

3月の国内株式市場

日経平均株価225種 東証株価指数(TOPIX)

3月の国内株式市場は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高やリスクオフ姿勢を背景に、月初から全面安となった。停戦期待から一進一退の展開となる場面もあったが、紛争の長期化懸念から再度売りが優勢となり、日経平均株価で13.23%の大幅な下落となった。

月初は、米国とイスラエルによるイランへの大規模な攻撃が開始され、中東情勢緊迫化に伴う原油高やリスクオフ姿勢から大幅安の滑り出しとなった。その後、米国とイラン間の緊張緩和や米企業の好決算を受け反発する場面もあったが、原油高再燃や紛争激化懸念による「株・債券・通貨」のトリプル安が重石となり、一進一退の展開に終始した。中旬以降、地政学リスクを警戒しつつも停戦期待や海運、電力、高配当株などが相場を下支えしたが、月末にかけて原油供給不安によるインフレや紛争長期化への懸念が再浮上し、再び売りが優勢となる展開を辿った。また、米国の利下げ観測後退に伴う米長期金利の高止まりに加え、日銀による4月の追加利上げ観測が強まったことも、バリュエーション調整を促す要因となった。

業種別には、鉱業、海運が上昇し、空運、ゴム、機械などが下落した。

4月の国内株式市場

日本企業の「稼ぐ力」への再評価が支えとなるものの、出口の見えない中東情勢に伴う原油価格の高騰が企業業績を下押しすることや、米国の利下げ観測が後退していることも相場の重石となり、もみ合いの展開を予想する。

最大の注目点は、地政学リスクの沈静化と原油高を起因とするインフレ懸念の緩和である。原油価格の更なる高騰は、市場にとって強烈な逆風となる可能性が高く、輸入物価を押し上げ、製造業のコスト増や個人消費の冷え込みなど広範囲への影響が考えられる。特にエネルギー依存度の高い運輸、化学、鉄鋼などのほか、物価上昇が賃金上昇を上回れば小売やサービスなど、多くのセクターで調整も大きくなろう。

しかし、トランプ政権による攻撃延期の示唆や停戦協議の進展で、高止まりしつつも原油価格が徐々に落ち着けば、売られていた景気敏感株などへの買い戻しが強まろう。その際、4月下旬の決算発表で2026年度の増益見通しが示され、日本企業の資本効率向上など「稼ぐ力」が改めて評価されれば、相場は「業績相場」へ転換し、出遅れていた輸出関連株などを中心に買われ、底堅く推移するとみる。

地政学リスク以外のリスク要因としては、日銀の追加利上げ観測に伴う為替の急変動が挙げられる。グロース株などの買い支え要因となる米国の利下げ観測が後退しているなかでの日銀の追加利上げはネガティブに受け止められよう。ただし、日銀では中東情勢の緊迫化による原油高をリスクとしつつも、景気下押しが一時的であれば追加利上げが可能との見解を示しており、株式市場への影響は限定的となる可能性もある。

外国債券

3月の米国債券市場

米10年国債

3月の米国の長期金利は、中東情勢の緊迫化をきっかけとしたエネルギー供給不安によりインフレ懸念が高まったことなどから、上昇した。

イスラエルと米国によるイランへの攻撃が開始されたことや、ホルムズ海峡が封鎖され原油価格が急騰したことを受けて、月初から上昇する展開となった。その後も、イランによる湾岸産油国への攻撃やペルシャ湾の船舶への攻撃など、状況がエスカレートしたことを受けて上昇幅を拡大する展開となった。中旬に行われたFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利は維持されたものの、引き続きエネルギー価格上昇に伴うインフレ懸念などから値動きの荒い展開となり、月末は4.3%台前半となった。

イールドカーブは、利下げ観測の後退などから、フラット化した。

3月の欧州債券市場

ドイツ10年国債

3月の欧州(ドイツ)の長期金利は中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー価格の上昇によるインフレ懸念などから、上昇した。

月初、エネルギー価格の上昇を受けたインフレ懸念などから、上昇する展開となった。中旬に行われたECB(欧州中央銀行)理事会で、政策金利は維持されたものの、今後のインフレ次第では引き締めを開始する可能性が意識されたことで、上げ幅を拡大した。後半にかけては、エネルギー供給不安などから値動きの荒い展開となり、月末は3.0%程度となった。

ドイツ国債のイールドカーブは、フラット化した。周辺国国債とドイツ国債の利回り差は、エネルギー価格高騰への対応策などで財政状況が悪化するとの見方から、拡大した。

4月の米国債券市場

4月の米国の長期金利は、米国景気に弱さが見られることが金利低下要因となるものの、エネルギー価格の高止まりを受けたインフレ懸念が継続することなどから、上昇すると予想する。

4月の欧州債券市場

4月の欧州(ドイツ)の長期金利は、ドイツの景気回復が緩慢であることは金利低下要因となるものの、エネルギー価格の高止まりを背景にインフレ懸念が継続することなどから、上昇すると予想する。エネルギー価格上昇に伴う財政支出拡大が懸念されることで、周辺国の対ドイツ国債スプレッドは拡大を予想する。

外国株式

3月の米国株式市場

米国S&P500指数 ダウ工業株30種平均

3月の米国株式市場は、S&P500指数で5.09%の下落となった。米国・イスラエルとイランの軍事衝突による原油価格の急騰を背景に、FRB(連邦準備理事会)の利下げ見通しが後退し、インフレ長期化懸念が台頭するなか、停戦合意の見通しが立たないことでリスクオフとなり下落した。セクターでは、エネルギーのみが上昇する一方、資本財・サービス、ヘルスケア、生活必需品などを中心に下落した。

3月の欧州株式市場

ドイツDAX指数 イギリスFT-SE(100種)指数

3月の欧州株式市場は下落した。欧州は、エネルギーの海外依存度が高く、中東情勢緊迫化によるエネルギー供給ショックが米国以上に大きくなり、それに伴うスタグフレーションリスクが懸念されて米国市場をアンダーパフォームした。国別では、ノルウェー、ポルトガルが上昇し、ドイツ、スウェーデン、フランスなどが下落した。セクターでは、エネルギーのみが上昇し、不動産、一般消費財・サービス、資本財・サービスなどが下落した。

3月の香港株式市場

香港ハンセン指数

3月の香港株式市場は下落した。イランにより、ホルムズ海峡が封鎖されたことで中東へのエネルギー依存度が高いアジアの下落率は欧米をアンダーパフォームした。国別では、韓国、インドネシア、インドなどを中心に全ての国が下落した。セクターでは、情報技術、素材、資本財・サービスなどを中心に全てのセクターが下落した。

4月の米国株式市場

4月の米国株式市場は、横ばいを予想する。米国経済は、減税政策などの政策支援を背景に底堅く推移し、半導体や資本財・サービスなどを中心としたAI設備投資関連や生産性向上が利益成長を支えるものの、中東情勢緊迫化に伴うエネルギー価格上昇によりインフレ再燃、金利上昇圧力が懸念され、一進一退の展開を予想する。

4月の欧州株式市場

4月の欧州株式市場は、横ばいを予想する。欧州域内経済は、財政拡張政策が景気を下支えし底堅く推移するなか、資本財・サービス、素材などの企業業績の拡大を予想するものの、中東情勢緊迫化に伴うエネルギー価格上昇による、景気や企業収益への下押し圧力が懸念され、一進一退の展開を予想する。

4月の香港株式市場

4月の香港株式市場は、横ばいを予想する。中国経済は、回復に時間を要しているものの、政府は景気の安定化を図る姿勢を見せており、財政支援策への期待が残るほか、金融当局による緩和的な金融政策に支えられると見込んでいる。また、半導体などのAI関連投資の拡大などを背景に業績拡大が期待される。一方で、中東情勢緊迫化に伴うエネルギー価格上昇による、景気や企業収益への下押し圧力が懸念され、一進一退の展開を予想する。

為替動向

3月のドル/円相場

為替(ドル/円)

3月のドル/円相場は、中東情勢の緊迫化をきっかけとしたエネルギー供給不安などから、上昇した。

イスラエルと米国がイランへの攻撃を開始すると、エネルギー価格が大きく上昇し、日本の貿易赤字の拡大が意識されるなかで、上昇する展開となった。その後も戦闘が徐々にエスカレートし、エネルギー価格がさらに上昇したことなどから、上げ幅を拡大した。後半、片山財務相が円安をけん制する発言を行ったことや、日銀が利上げ継続の姿勢を維持したことで上げ幅を縮小する場面もあったが、エネルギー価格上昇によるインフレの長期化懸念などから再度上昇に転じ、月末は159円程度となった。

3月のユーロ/ドル相場

為替(ドル/ユーロ)

3月のユーロ/ドル相場は、中東情勢の緊迫化からドルが買われる展開となったことからユーロが下落し、月末は1.15ドル台前半となった。

3月のユーロ/円相場

為替(ユーロ/円)

3月のユーロ/円相場は、ユーロ安円高となった。ドルに対して円・ユーロは下落したものの、ユーロの下落幅が大きくなったためユーロ安円高となり、月末は183円台前半となった。

4月のドル/円相場

4月のドル/円相場は、中東情勢の不透明感はドル高要因となるものの、日銀による利上げ実施が円高要因になると予想することから、横ばいでの推移を予想する。

4月のユーロ/ドル相場

4月のユーロ/ドル相場は、エネルギーの供給不安などによりユーロ圏経済への不透明感が強まると想定することから、ユーロの下落を予想する。

4月のユーロ/円相場

4月のユーロ/円相場は、下落を予想する。ドルはユーロに対して上昇し、円に対して横ばいを見込むため、下落を予想する。

虫眼鏡

花見

今年は、千鳥ヶ淵へ家族とともに花見に出かけました。毎年のように桜を見ているにもかかわらず、「また来年も見に行きたい」と思うのは不思議なものです。それだけ花見というものが、日本人にとって単なる習慣を超えた、特別な意味を持っているように感じます。

春になると、ニュースでは開花予想が取り上げられ、「いつ咲くのか」「どこへ見に行くか」といった話題が自然と増えていきます。このような季節の高揚感は、日本人が四季の変化を敏感に感じ取り、それを生活の一部として楽しんできたことの表れだと思います。花見は単なる娯楽ではなく、「同じ季節をともに迎える」という感覚を人々の間で共有する、社会的なイベントでもあるのでしょう。

花見の起源は奈良・平安時代にさかのぼり、当初は貴族が自然を愛でながら詩歌を楽しむ文化でした。それが江戸時代になると庶民にも広まり、現在のように多くの人が桜の下に集う形へと変化しました。この歴史の流れを見ると、花見は単に「見る」行為ではなく、人々が同じ時間と空間を共有し、感情までも共有する文化として発展してきたことが分かります。

また、桜の持つ意味も重要です。桜は満開の美しさを見せたかと思えば、短い期間で一気に散ってしまいます。この儚さが、「今この瞬間を大切にする」という意識を自然と呼び起こします。特に日本では、入学や就職といった人生の節目が桜の季節と重なるため、桜を見ることが過去を振り返り、未来を考えるきっかけにもなっています。

さらに、花見は楽しみ方の幅広さも魅力です。にぎやかに食事を囲むこともできれば、一人で静かに桜を眺めることもできる。同じ桜であっても、そのときの状況や気持ちによって感じ方が変わる点が興味深いところです。今年のように家族と訪れた花見も、何年か後には思い出として残り、そのときの何気ない会話や空気感までもが、ふとした瞬間に蘇ってくることでしょう。

毎年同じように巡ってくる春ですが、私たち自身は少しずつ変化しています。そのため、同じ桜を見ているはずなのに、感じ方は年ごとに異なります。そこに花見の奥深さがあり、単なる年中行事にとどまらない価値があるのだと思います。

このように花見は、日本人にとって気軽に楽しめるものでありながら、文化的・精神的な意味を持つ大切な習慣です。満開の桜を見上げながら、ほんの少し立ち止まり、自分のこれまでとこれからを考える。そうした時間を自然に持てることこそが、花見の本当の魅力なのかもしれません。