2025年11月-Vol.354
  • 概要
  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式
  • 為替動向
  • 虫眼鏡

主なポイント

17日に7-9月期GDPが発表されます。4-6月期は前期比年率+2.2%と比較的高い成長率となりましたが、7-9月期は6四半期ぶりにマイナスとなることが見込まれています。米国の関税の影響で輸出が落ち込んだことや住宅投資の急減が主な要因です。高水準の賃上げが続いていますが、実質賃金は依然マイナスであり、個人消費が景気を押し上げる動きとはなっていません。新政権が発足し、高い支持率となりましたが、消費者のマインドに変化がみられるか注目されます。
今月の主なポイントは以下の通りです。

11/17 (日)7-9月期GDP・・・上記参照
11/21 (日)10月全国CPI・・・伸び拡大か
  米政府機関閉鎖がいつ終了するか

市場見通し

国内債券

長期金利は、日銀の追加利上げ観測の高まりを受け、上昇すると予想する。

国内株式

株価上昇による利益確定の一方で、新政権への期待、業績堅調な企業、来期業績の回復を見据えた物色により小幅な上昇を予想する。

外国債券

<米国>インフレへの警戒感は金利上昇要因となるものの、米国の労働市場の悪化を受けてFRB(連邦準備理事会)が利下げを継続すると予想することから、金利は小幅低下を予想する。

<欧州>米金利の低下が欧州金利の低下要因となるものの、ドイツの財政拡大に伴う景気回復期待が上昇要因となり、金利は横ばいでの推移を予想する。

外国株式

<米国>バリュエーションの割高感や米中対立への警戒感はあるものの、底堅い経済環境が継続する見通しのもと、企業業績の拡大期待やFRBによる利下げが支えとなり、上昇を予想する。

<欧州>トランプ関税やユーロ高が企業業績の重石となっているものの、ドイツを中心とした財政支出拡大による景気回復期待が支えとなり、上昇を予想する。

為替市場

FRBの利下げ継続に伴う米国の長期金利の低下や、日銀の利上げ観測を受けた日本の長期金利の上昇を見込むことから、ドルは対円で下落を予想する。FRBが利下げを継続する一方、ECB(欧州中央銀行)は政策金利を据え置くと予想することから、ユーロは対ドルで上昇を予想する。

実質GDP成長率(前期比年率)
出所:内閣府

国内債券

10月の国内債券市場

指標銘柄/新発10年国債

10月の国内長期金利は、日銀の追加利上げ観測や政治の不透明感の解消などを受けて小幅に上昇し、月末は1.655%で終了した。

国内長期金利は、日銀の追加利上げ観測などから、上旬に一時1.70%まで上昇したが、その後は米金利の低下などを受けて1.6%台前半まで低下した。月末にかけては、自民党と日本維新の会の連立合意で政治の不透明感が解消されたことなどを受けてやや上昇し、1.655%で終了した。

イールドカーブについては、日銀の追加利上げ観測などを受けて長期ゾーンの金利が上昇した一方、2年債入札が強い結果だったことなどから短期ゾーンの金利が低下し、スティープ化した。信用スプレッドは、横ばいとなった。

11月の国内債券市場

11月の国内長期金利は、日銀の追加利上げ観測の高まりを受け、上昇すると予想する。11月の債券市場のポイントは、①日銀の動向、②国内債券市場の需給動向、③米国金利と考える。

①<日銀の動向>日銀は10月の会合で賛成多数で政策金利を据え置き、植田総裁は記者会見で「来年度春闘の初動のモメンタムを見たい」と語った。利上げを支持した委員は9月会合同様に2名のみで、現時点では植田総裁同様、データを慎重に判断したいと考える委員が多いことが窺える。11月は10日に中川審議委員の講演、20日に小枝審議委員の挨拶、27日に野口審議委員の挨拶が予定されており、各委員の発言を受けて、日銀の追加利上げ観測が変化し、金利の変動幅が大きくなることが考えられる。

②<国内債券市場の需給動向>11月の国債入札スケジュールとしては、10年債(5日)、30年債(11日)、5年債(13日)、20年債(19日)、40年債(26日)、2年債(28日)などが予定されている。特に30年債入札や40年債入札等、超長期ゾーンの入札結果を受けて、金利の変動幅が大きくなることが考えられる。さらに臨時国会において、物価高対策など経済対策の取りまとめを巡り、高市政権が財政支出拡大に関して積極的な姿勢を見せる場合は、財政支出拡大への懸念が再び材料視される可能性がある。

③<米国金利>米国金利について、市場ではFRB(連邦準備理事会)による12月の会合での追加利下げの有無について見方が分かれている。米政府機関閉鎖の影響で雇用統計などの経済指標の公表が停止されており、実態経済の状況を判断するのが困難な状況になっていることなどが影響している。今後公表が再開されるとみられる経済指標の結果などによってFRBの利下げの織り込みが変化し、米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。

イールドカーブは、フラット化すると予想する。信用スプレッドは、横ばいを予想する。

国内株式

10月の国内株式市場

日経平均株価225種 東証株価指数(TOPIX)

10月の国内株式市場は、日経平均株価で16.6%の大幅上昇となった。月初は、米政府機関の一部閉鎖懸念等により下落したが、高市自民党新総裁への期待を受け上昇、その後は公明党の連立離脱や米地銀の信用不安問題等により弱含む局面もあったが、新政権誕生後は、「高市トレード」が活発化し最高値を更新した。

月初は、米政府機関の閉鎖懸念により下落して始まったが、高市自民党新総裁の選出による積極財政政策への期待や円安進行を受けて防衛関連株や日経平均採用の景気敏感株が大幅に上昇した。また、9月に引き続きAI関連株も大幅高となった。中旬は、公明党による自民党との連立政権からの離脱表明や米地銀の信用不安問題を背景とした米株式相場の下落および円高への反転を受けて金融セクターや輸出関連株が売られた。しかし、下旬から月末にかけては、日本維新の会との新たな連立により高市自民党総裁の首相指名が確実な情勢となったことによる政策への期待や円安の進行、AI関連株を中心とした好調な決算により上昇基調が続いた。業種別には、非鉄金属、電機、情報・通信などが上昇し、保険、サービス、パルプ・紙などが下落した。

11月の国内株式市場

株価上昇による利益確定の一方で、新政権への期待、7-9月期決算における業績堅調な企業、及び輸出企業を中心とした来期業績の回復を見据えた物色に加えて、FRB(連邦準備理事会)の利下げが下支えとなり、小幅な上昇を予想する。

4月から10月末までの株価は、日経平均株価で47.2%、TOPIXで25.3%の大幅上昇となった。NT倍率(日経平均株価をTOPIXで割った値)は3月末の13.4倍から10月末には15.7倍へ拡大し、過去10年でも最も高い水準となっており、これまで株価を牽引してきた銘柄については利益確定等の動きが予想される。

その一方で、高市新政権の今後の具体的な政策には期待が引き続き集まるだろう。特に防衛関連や高成長が続くAI、ITインフラ関連のセクターや銘柄については中期的に需要拡大が見込まれる。また、10月下旬から3月期決算企業の上期決算発表が本格化している。円安の恩恵や関税の不透明感が薄らいでいることもあり輸出企業についても上期実績は概ね順調な着地となると見込んでいる。決算が一巡すれば、好業績企業や来期の業績回復が期待できる輸出企業、前述の政策の恩恵を受ける企業等を中心に選別や物色が進むだろう。

米国政策金利の利下げ見通しが続くなか、それ自体は株式市場にとっては株価の下支え要因であるものの、年内にも国内の政策金利も利上げが行われる見通しである。既に市場では織り込みが進んでおり、過度な警戒は不要と思われるが、円高が想定以上に進んだ場合は注意が必要である。

外国債券

10月の米国債券市場

米10年国債

10月の米国の長期金利は、米国景気の減速懸念が高まったことやFRB(連邦準備理事会)が利下げを継続したことなどから、低下した。

月初、米国の政府機関が閉鎖されたことで、米国景気の減速懸念などが高まったことや、米中の貿易協議への警戒感などから低下基調となった。中旬、米国の地方銀行において不正融資による損失が発覚すると、米国景気の不透明感がさらに高まる展開となり、一時3.9%台前半まで低下した。下旬、FRBが追加の利下げを行ったものの、次回以降の利下げには慎重な姿勢を示したことなどから下げ幅を縮小し、月末は4.0%台後半となった。

イールドカーブは、発行額の増加が当面予定されていない超長期債が買い戻される展開となり、フラット化した。

10月の欧州債券市場

ドイツ10年国債

10月の欧州(ドイツ)の長期金利はフランスの政治情勢の影響を受ける場面もあったが、米国の長期金利につれて低下した。

月初、フランスの政治を巡る混乱が続いていることなどから、フランス国債が軟調に推移する一方、ドイツ国債は緩やかに買われる展開となった。その後、ルコルニュ内閣が発足するなどフランスの政治情勢は落ち着きを見せた一方で、米国の地方銀行において、不正融資による損失が発覚しリスクオフ相場となると、一時2.5%台前半まで低下する場面があった。後半にかけては、ユーロ圏のGDPが予想を上回るなど、底堅い経済指標などを受けてやや戻し、月末は2.6%台前半となった。

ドイツ国債のイールドカーブは、フラット化した。周辺国国債とドイツ国債の利回り差は、政治をめぐる不透明感がやや後退したことから、フランスなどを中心に縮小した。

11月の米国債券市場

11月の米国の長期金利は、インフレへの警戒感は金利上昇要因となるものの、米国の労働市場の悪化を受けてFRBが利下げを継続すると予想することから、金利は小幅低下を予想する。

11月の欧州債券市場

11月の欧州(ドイツ)の長期金利は、米金利の低下が欧州金利の低下要因となるものの、ドイツの財政拡大に伴う景気回復期待が上昇要因となり、金利は横ばいでの推移を予想する。ECB(欧州中央銀行)が量的引き締めを継続しているものの、国によって財政状況や格付けの見通しに差異が生じており、周辺国の対ドイツ国債スプレッドは国によって異なる動きになると予想する。

外国株式

10月の米国株式市場

米国S&P500指数 ダウ工業株30種平均

10月の米国株式市場は、S&P500指数で2.27%の上昇となった。米国政府機関の閉鎖、米中対立、自動車関連企業の破綻による信用不安への懸念などがあったものの、追加利下げへの期待が高まるなか、AI関連を中心とした情報技術企業等の概ね好調な7-9月期決算発表、米中貿易交渉の進展期待などから史上最高値を更新した。セクターでは、情報技術、ヘルスケア、一般消費財・サービスなどが上昇する一方、素材、金融、不動産などが下落した。

10月の欧州株式市場

ドイツDAX指数 イギリスFT-SE(100種)指数

10月の欧州株式市場は上昇した。信用不安が懸念される局面もあったが、米国の追加利下げへの期待や好調な決算発表などから上昇した。国別では、フィンランド、オーストリア、ポルトガルなどが上昇し、ノルウェー、デンマーク、ドイツが下落した。セクターでは、公益、情報技術、エネルギーなどが上昇し、コミュニケーション・サービスが下落した。

10月の香港株式市場

香港ハンセン指数

10月の香港株式市場は下落した。中国の4中全会で「第15次5カ年計画(2026-2030)」の方針が表明され、技術革新、高付加価値化、内需拡大といった政策への期待が高まったものの、過熱感の台頭から6ヵ月ぶりの下落となった。国別では、韓国、台湾、インドなどが上昇し、中国、マレーシア、香港が下落した。セクターでは、情報技術、資本財・サービス、エネルギーなどが上昇し、コミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、ヘルスケアなどが下落した。

11月の米国株式市場

11月の米国株式市場は、上昇を予想する。バリュエーションの割高感や米中対立への警戒感はあるものの、底堅い経済環境が継続する見通しのもと、企業業績の拡大期待やFRB(連邦準備理事会)による利下げが支えとなり、上昇を予想する。

11月の欧州株式市場

11月の欧州株式市場は、上昇を予想する。トランプ関税やユーロ高が企業業績の重石となっているものの、ドイツを中心とした財政支出拡大による景気回復期待が支えとなり、上昇を予想する。

11月の香港株式市場

11月の香港株式市場は、上昇を予想する。中国金融当局による緩和的な金融政策や、中国政府による景気支援策への期待のほか、AIや半導体関連の投資拡大が支えとなり、上昇を予想する。

為替動向

10月のドル/円相場

為替(ドル/円)

10月のドル/円相場は、高市政権による財政拡大への思惑などから、円が売られる展開となり、上昇した。

月初、アメリカの雇用関連指標が弱い結果となると一時146円台半ばまで下落する場面もあったが、高市氏が自民党総裁選で勝利すると、財政拡張への思惑などから上昇に転じた。その後、公明党と自民党の連立解消や、米国の地方銀行の不正融資問題への懸念を受けて上げ幅を縮小する展開となったものの、自民党が日本維新の会との連立で合意し、高市氏が首相に選ばれると再び上昇基調となり、月末は154円程度となった。

10月のユーロ/ドル相場

為替(ドル/ユーロ)

10月のユーロ/ドル相場は、FRB(連邦準備理事会)が追加利下げに慎重な姿勢を示したことなどからドルが買われる展開となり、月末は1.15ドル台半ばとなった。

10月のユーロ/円相場

為替(ユーロ/円)

10月のユーロ/円相場は、ユーロ高円安となった。ドルに対して円・ユーロは下落したものの、円の下落率が大きくなったためユーロ高円安となり、月末は177円台後半となった。

11月のドル/円相場

11月のドル/円相場は、FRBの利下げ継続に伴い米国の長期金利の低下が見込まれることや、日銀の利上げ観測を受けて日本の長期金利の上昇を見込むことから、ドル/円は下落を予想する。

11月のユーロ/ドル相場

11月のユーロ/ドル相場は、FRBが利下げを継続する一方、ECB(欧州中央銀行)は政策金利を据え置くと予想することから、ユーロ/ドルの上昇を予想する。

11月のユーロ/円相場

11月のユーロ/円相場は、下落を予想する。ドルは円・ユーロに対して下落するが、円に対する下落幅の方が大きくなるため、ユーロ/円は下落を予想する。

虫眼鏡

サステナビリティを具現化するアイドルグループ

私はコロナ禍でのSTAY HOME生活でラジオをよく聴くようになり、ラジオがきっかけであるアイドルグループを推すようになりました。アラ還およびアラフィフ世代の皆さんには「モーニング娘。」をご存じの方が多いと思いますが、そのモーニング娘。の結成がきっかけとなったハロー!プロジェクト(以下ハロプロ)というアイドルグループの連合体があります。

ちなみにモーニング娘。は、1997年の結成以来メンバーの卒業や加入を経て2025年現在「モーニング娘。’25」というグループ名で活動を続けており、他のグループもグループ名やメンバーの変更を経て活動しています。活動歴が30年近いモーニング娘。をはじめ、アンジュルム(2009年スマイレージとして結成)やJuice=juice(2013年結成)など、10年以上も一線で活動を続けるアイドルグループは珍しいと思います。また、今回11代目のリーダー就任が発表となったモーニング娘。など、企業で例えればトップの世代交代がスムーズに実現できている所もハロプログループの特徴となっています。なお、秋葉原の専用劇場から発足したAKB48が今年で活動20周年なので、モーニング娘。はアイドルグループのいわゆるサステナビリティに先鞭をつけた存在なのかもしれません。なお、ハロプロ創設当初は総合プロデューサーという立場だった有名アーティストもここ10年は主にモーニング娘。への楽曲提供にとどまっており、個人のプロデュース力に依存しないグループガバナンス体制の強化が進んでいるように感じられます。

また、ハロプロ卒業メンバーの中にもソロ活動を続けるケースが多く、今年からは卒業メンバーと現役メンバーによる「エムハロ」というイベントも開催されています。卒業メンバーには、書道の教授免許を取得して個展を開催したり、アパレルブランドの立ち上げ、舞台俳優への転身など、アイドルにとどまらない分野への活動を広げているケースもあります(ちなみに先述の書道家が仲良しのアパレルブランド立上げメンバーと開催したイベント入口には新日本プロレスからのお花が飾られていました)。さらには、慶応大学の卒業研究で「音楽が人間の脳波について与える影響」について発表したり、大学の卒論で「推し活がもたらす経済効果や社会性について」というテーマを選んだ卒業メンバーもおり(偶然この2人は父親がプロスポーツ選手です)、アイドル活動と学業を両立させているメンバーが多いことも特徴となっています。なお現役メンバーの中にも、得意なピアノ演奏(有名音大を卒業)によるソロCDをリリースするなど、歌やダンス以外にも自分の特技を生かした活動をしているメンバーがいます。

さらには、ハロプログループおよび卒業メンバーが中心となり「SATOYAMA&SATOUMI movement」という、地域貢献や自然環境の保全を目指した活動も行っており、毎年3月には「カーボンニュートラルを考える20〇〇(今年は2025)」という大規模なイベントを開催しています。このイベントでは、この活動に協賛する日本各地の企業・団体やハロプロ所属メンバーの出身地にゆかりのある出展者によるプレゼンやブース展開がされています。また、各ブースにはメンバーによるチラシ配布や物販の実施(オタク用語で「降臨」と呼んでいます)もあり、推しメンバーの降臨を求めて多数のファンが行列を作るのが恒例となっています。私は推しが定まっていない頃に行列の比較的少ないブースをループ(オタク用語で「同じメンバーやグループの物販・特典会に並び直すこと」)して長野県産のお米を2日で4袋買った事があります(笑)。なお、今年はハロプロ推しと災害支援活動がきっかけでブース出展に繋がった某大手ネット企業の会長も降臨するなど、ダイバーシティに富んだイベントとなりました。

また、各グループでは地方のふるさと納税を活用したコンサートも開催(同時にファンクラブ会員向けのバスツアーも実施)しており、推しメンバー出身地の物産品やご当地グルメとライブを同時に楽しめる企画も展開しています。そのような活動がきっかけとなり、各地のPR大使やふるさと大使に任命されるメンバーも出ています(ちなみに私の推しメンバーは今年から千葉県の習志野市PR大使を務めています)。なおハロプログループには、鞘師(さやし)、豫風(よふう)、夏焼(なつやき)、嗣永(つぐなが)、下井谷(しもいたに)、弓桁(ゆみげた)、譜久村(ふくむら)、上國料(かみこくりょう)など卒業生を含めて珍しい名字のメンバーが多く、それぞれの出生地が由来となった名字もあるようです。さらには、名字と同じ地名の伊勢市に何度も足を運んで市のSNS観光アンバサダーになったアンジュルムの伊勢鈴蘭(れいら)さんのようなケースもあります。なお、現在は東北および四国出身の現役メンバーが不在(それぞれ2024年に卒業)となっており、現在募集中のオーディションでそれらの地域出身の新メンバー加入が期待されます。

ハロプログループや卒業生が多く所属する事務所のアーティストにはフォークや歌謡曲のシンガーもおり、その繋がりもあって1970年の大阪万博で披露された「戦争を知らない子供たち」を西日本出身のハロプロメンバーが大阪・関西万博開催に合わせてカバー曲を発表しています。また、東日本大震災やコロナ禍が発生した際には事務所の所属メンバーによる合唱曲を披露するなど、日本全国を元気づける活動が積極的に行われています。

ハロプロのファンは自分たちを「ハロオタ」と呼んでいますが、アイドルオタクの中ではいわゆる「治安が良い」ことを自負しているファンが多いように感じます。他のアイドルグループとの比較は難しいですが、これまで書いてきたようなハロプロの良さを理解してファンになった安定株主のような層が中心になっているのがハロオタの特徴であり、またライブ会場の運営やSNSの管理など、スタッフやマネージャーの教育が行き届いていることも治安の良さにつながっているものと思われます(新規ファン獲得への取り組みが弱いというハロオタの指摘はありますが)。

私は84歳の母親(ハロオタ最高齢を自負しています)を連れてよくハロプログループのイベントに行くのですが、会場には必ず女性限定エリア(立ち見の場合)や座って観覧できるファミリー席(ホールコンサートの場合)、または子供連れおよび高齢者、ハンディキャップのある来場者用の観覧スペースが用意されています。他のアイドルグループのイベントにもたまに行きますが、通常のアイドルイベントでこのような対応は珍しいと思います。ちなみに新曲のリリースイベント終わりの「お見送り会」と称した特典会(人生のお見送りではありません)では、まず高齢者およびハンディキャップエリアへの降臨から始まり、次に親子連れとのゆったりトーク、そして大きなお友達(笑)との高速お見送りという流れになっています。なお、大きなお友達はたくさんCDを買って(オタク用語で「積んで」)ループすれば高速回転プラスゆったりトークができるというビジネスモデルです。

一方でハロオタの高齢化も気になります。モーニング娘。結成時からのオタクはもちろん、他のグループについても私を含めて(笑)年齢層の高いオタクが多いように感じます。あるメンバーのブログにソフィー・マルソー(1980年代前半にブレイクしたフランス人俳優)の話題が出たことがあったのですが、普通にリアクションしているオタクが多く驚きました(そもそもその話題を出したメンバーに驚きましたが)。また、事務所の先輩である森高千里さんの「私がオバさんになっても」を歌うメンバーもいるのですが、オタク用語でファン(推し)をやめることを指す「他界」ではなく、(私を含めて)本当に他界していそうなオタクが多いのも古参オタクの間で笑えないネタになっています。株式投資の世界では20~30代の個人投資家が最近増えているようですが、ハロプロにおいても若いオタクの開拓が各グループの中長期的な活動継続に必要なように思われます。

ハロプログループはライブでの生歌やダンスなど現場でのパフォーマンスに定評があります。その裏には入念なオーディションや厳しい歌唱&ダンス指導があるのですが(テレビ東京系の「ハロドリ。」という番組でその一端が覗けます)、従来はロックバンド系が好みだった私にも生ライブの臨場感が伝わって来ます。彼女たちの楽曲は徐々にサブスク解禁されてはいるものの、一時的な「バズり」ではなくライブ現場で長く愛されるパフォーマンスを目指しているように思われます(「カーボンニュートラルを考える20〇〇」と同時開催の「ひなフェス」というコンサートでは大ヒット曲「愛は勝つ」で有名なKANさんが2016年に提供した「桜ナイトフィーバー」を現役メンバー全員で毎年パフォーマンスしています)。また今年の6月にアンジュルムを卒業した上國料萌衣(もえ)さんの卒業コンサート前には、2016年にリリースされた「次々続々」という曲の10年分の映像がYouTubeで公開されファンの間で話題になりました。まさに次々続々と移り変わるメンバーのパフォーマンスこそがハロー!プロジェクト持続性の証だと思います。