2025年9月-Vol.352
  • 概要
  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式
  • 為替動向
  • 虫眼鏡

主なポイント

今月は主要中央銀行の金融政策決定会合が開かれます。日本、欧州では政策金利が据え置かれる見込みです。米国では7月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2か月分も大幅に下方修正されたことから利下げ観測が高まっています。パウエルFRB(連邦準備理事会)議長は先月下旬のジャクソンホール会議で、「政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べ、利下げに含みを持たせました。日銀の植田総裁は7月の会合後の記者会見では早期利上げを示唆する発言をしなかったことから、今月の金融政策決定会合では現状維持となるでしょう。引き続き、インフレの動向や米国の関税の影響など、各国の経済指標が注目されます。
今月の主なポイントは以下の通りです。

9/11 (欧)ECB(欧州中央銀行)理事会・・・現状維持が見込まれる
9/16 (米)FOMC(連邦公開市場委員会)(17日まで)・・・利下げが見込まれる
9/18 (日)金融政策決定会合(19日まで)・・・現状維持が見込まれる
9/18 (英)金融政策委員会・・・現状維持が見込まれる

市場見通し

国内債券

日銀の追加利上げ観測や財政支出拡大への懸念などを受け、上昇すると予想する。

国内株式

内需や防衛関連企業では堅調な業績推移が見込まれるが、バリュエーションはやや割高であり、一進一退の展開を予想する。

外国債券

<米国>関税引き上げによるインフレ懸念は金利上昇要因となるものの、米国の景気減速が懸念されることや、FRBが利下げを再開すると予想することから、金利は小幅低下を予想する。

<欧州>ドイツの財政拡大に伴う景気回復期待があるものの、米国による関税引き上げなどが欧州景気の下押し要因になると見られることから、金利は横ばいでの推移を予想する。

外国株式

<米国>バリュエーションの割高感が警戒されるものの、企業業績は堅調な推移が見込まれるほか、FRBによる利下げ再開への期待が下支えとなり、一進一退の展開を予想する。

<欧州>米国関税政策の景気への影響に対する懸念は残るものの、ECBよる緩和的な金融政策や、財政支出拡大による業績改善期待が支えとなり、一進一退の展開を予想する。

為替市場

FRBが利下げを再開することで米国の長期金利が低下することや、日銀の利上げ観測の高まりを受けて日本の長期金利の上昇を見込むことから、ドルは対円で下落を予想する。FRBが利下げを再開すると予想することなどから、ユーロは対ドルで上昇を予想する。

実質GDP成長率(前期比年率)
出所:内閣府

国内債券

8月の国内債券市場

指標銘柄/新発10年国債

8月の国内長期金利は、日銀の追加利上げ期待が高まったことや、超長期金利の上昇などを受けて上昇し、1.600%で終了した。

国内長期金利は、第2四半期の実質GDP成長率が予想を上回ったことなどで日銀が年内に利上げを行うとの期待が高まったことや、超長期金利の上昇などを受け、月末にかけて一時1.6%台前半まで上昇した。月末は、米国金利の低下などを受けて低下し、1.600%で終了した。

イールドカーブについては、財政支出拡大への懸念や20年債入札が弱い結果だったことなどから超長期ゾーンの金利が上昇し、スティープ化した。信用スプレッドは、横ばいとなった。

9月の国内債券市場

9月の国内長期金利は、日銀の追加利上げ観測や財政支出拡大への懸念などを受け、上昇すると予想する。9月の債券市場のポイントは、①国内債券市場の需給動向、②米国金利、③日銀の動向と考える。

①<国内債券市場の需給動向>9月の国債入札スケジュールとしては、10年債(2日)、30年債(4日)、20年債(17日)、40年債(25日)などが予定されている。入札における需給動向を左右する要因として、国内政治に注目している。今後召集される臨時国会における補正予算編成に向けて、物価高対策などを巡り財政支出拡大への懸念が高まれば、超長期債を中心に金利の変動幅が大きくなることが考えられる。

②<米国金利>米国金利について市場は関税政策によるインフレ再燃懸念が燻るなか、FRB(連邦準備理事会)が雇用市場の悪化懸念などから、年末にかけて0.50%程度の利下げを行うことを予想している。今後公表される雇用関連統計やCPI(消費者物価指数)の結果を受け、金融政策を巡る思惑から米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。

③<日銀の動向>日銀は、7月31日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたが、8月8日に公表された主な意見では、物価動向に関する対外コミュニケーションの中心を、「基調的な物価上昇率」から「物価の実績と見通し、需給ギャップや予想物価上昇率に変えていくべき局面」であるとの見解を示す委員がいたことが明らかになった。賃上げによる人件費の上昇を価格転嫁する動きもみられているなか、実際の物価上昇率の高止まりが続けば、日銀のコミュニケーションが変化して追加の利上げ織り込みが進み、金利上昇余地を試す展開が考えられる。

イールドカーブは、スティープ化すると予想する。ただし、自民党総裁選が見送られ、石破政権が続投することになった場合は、フラット化する可能性がある。信用スプレッドは、横ばいを予想する。

国内株式

8月の国内株式市場

日経平均株価225種 東証株価指数(TOPIX)

8月の国内株式市場は、月初に低調な米雇用統計から下落したが、その後は内需関連企業の堅調な4-6月期決算に加え、米国の関税政策の不透明感の後退や日米の良好な経済指標から大幅に上昇した。月末にかけては短期的な過熱感から下落に転じたものの、日経平均株価で4.01%の上昇となった。

上旬は、月初の低調な米雇用統計や半導体関連企業の決算から下落したが、FRB(連邦準備理事会)の早期利下げ観測の高まりによる米株反発の流れから下げ止まり、内需関連企業の堅調な決算や米国の対日関税政策の不透明感の後退などから上昇に転じた。中旬にかけても、米CPI(消費者物価指数)を受けたインフレ懸念の後退やトランプ政権の対中関税発動の再延期報道が景気見通しへの安心材料となったほか、国内でも予想を上回る4-6月期GDPが好感され、上昇基調が続いた。下旬には、短期的な過熱感に加え、トランプ大統領のFRB人事への介入により中央銀行の独立性に関する懸念が高まり、上値の重い展開となった。業種別には、非鉄金属、鉱業、電気・ガスなどが上昇し、海運、繊維、医薬品が下落した。

9月の国内株式市場

内需や防衛関連企業では堅調な業績推移が見込まれるが、米国の関税政策の影響から外需の見通しは不透明感が強い。FRBの利下げ期待が下支えとなるものの、バリュエーションはやや割高であり、一進一退の展開を予想する。

米国では労働市場の悪化が鮮明になる一方、PPI(生産者物価指数)が大幅に上昇するなど関税引き上げの物価への影響が一部で表面化している。9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、経済の下支えが必要との見方から、高い確率で利下げの決定が見込まれているものの、会合前に公表される物価指標が市場予想を上回る加速を示した場合は金利が上昇し、世界的に株式市場への下落圧力となるだろう。FOMC後には日銀の金融政策決定会合が開かれる。政策金利は据え置きが見込まれているものの、8月のジャクソンホール会議での日銀の植田総裁の発言は、段階的に利上げを進める方向を確認したと解釈され、決定会合の内容が銀行株などへの追い風となることが期待できる。

4-6月期決算では、建設、不動産などの内需やAI関連企業が堅調な業績の伸びを示したものの、完成車メーカーが米関税の影響や前年同期比での円高から大幅減益となったほか、素材関連企業も中国の過剰生産などを背景とした市況低迷の影響から減益幅が大きくなっている。今期の通期業績は、全体として減益見通しではあるものの、足元では関税の影響が期初見込みより軽微に止まるとの見方から上方修正が続いており、過度な懸念は後退している。もっとも、米国と合意を見た15%の相互関税は引き続き業績への重荷であり、株価のバリュエーションも、8月に上昇した結果、来期の予想利益を相当織り込んだ水準にまで上昇したと考えられる。企業の積極的な自社株買いが続くなど、需給面は良好な状態が続いているが、現時点では輸出関連企業の来期業績予想の確度は高いと言えず、当面は現在の株価水準近辺で一進一退の展開となることを想定する。

外国債券

8月の米国債券市場

米10年国債

8月の米国の長期金利は、米国の景気減速懸念などを背景にFRB(連邦準備理事会)の利下げ観測が高まったことなどから、低下した。

月初、7月の雇用統計で雇用者数が予想を下回ったことや、過去2か月分が大幅に下方修正されたことで、米国の景気減速が懸念され、FRBの利下げ観測が高まったことから、低下した。しかし、中国に対する関税停止期間を延長したことや、足元の新規失業保険申請件数などが低水準で推移したことなどから、景気減速への懸念が和らぐ形で、緩やかに値を戻す展開となった。その後は、ジャクソンホール会議でFRBのパウエル議長が、利下げ再開に前向きな姿勢を示したことで再び低下し、月末は4.2%台前半となった。

イールドカーブは、FRBの利下げ観測が高まったことなどから、スティープ化した。

8月の欧州債券市場

ドイツ10年国債

8月の欧州(ドイツ)の長期金利は、財政悪化への懸念が燻るなか、英国の物価上昇やフランスの政治的な不透明感などから、小幅上昇となった。

月初、米国の雇用統計が弱い結果となり、米国の景気減速懸念が強まると、米国につれてドイツの長期金利は低下した。中旬、英国のCPI(消費者物価指数)が予想を上回る結果となると、ドイツの長期金利にも上昇圧力がかかった。後半にかけては、フランスで内閣の信任投票が行われることが決まり、近く内閣総辞職に追い込まれる可能性が高まると、政治的な不透明感などからフランスの長期金利が大幅に上昇したことから、ドイツの長期金利も小幅に上昇し、月末は2.7%台前半となった。

ドイツ国債のイールドカーブは、スティープ化した。周辺国国債とドイツ国債の利回り差は、フランスの政治情勢の混乱などから、フランスを中心にその他の幅広い国においても、拡大した。

9月の米国債券市場

9月の米国の長期金利は、関税引き上げによるインフレ懸念は金利上昇要因となるものの、米国の景気減速が懸念されることや、FRBが利下げを再開すると予想することから、小幅低下を予想する。

9月の欧州債券市場

9月の欧州(ドイツ)の長期金利は、ドイツの財政拡大に伴う景気回復期待があるものの、米国による関税引き上げなどが欧州景気の下押し要因になると見られることから、横ばいでの推移を予想する。ECB(欧州中央銀行)が量的引き締めを継続しているものの、一部の国の財政悪化懸念の後退などから、周辺国の対ドイツ国債スプレッドは横ばいで推移すると予想する。

外国株式

8月の米国株式市場

米国S&P500指数 ダウ工業株30種平均

8月の米国株式市場は、S&P500指数で1.91%の上昇となった。堅調な4-6月期の企業決算に加え、ハト派的な政府高官発言などで9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ観測が高まり、高値警戒感はありつつも史上最高値を更新する展開が継続した。セクターでは、素材、ヘルスケア、コミュニケーション・サービスなどが上昇する一方で、公益事業、資本財・サービスが下落した。

8月の欧州株式市場

ドイツDAX指数 イギリスFT-SE(100種)指数

8月の欧州株式市場は上昇した。景気回復を示すユーロ圏PMIなどの発表、米国の利下げ期待、地政学的緊張の緩和、さらに関税政策への耐性などが好感されて上昇した。国別では、デンマーク、スペイン、ベルギーなどが上昇する一方、アイルランド、ポルトガル、ドイツなどが下落した。セクターでは、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーなどが上昇する一方、情報技術、公益事業、資本財・サービスが下落した。

8月の香港株式市場

香港ハンセン指数

8月の香港株式市場は上昇した。中国政府の景気刺激策への期待、米国の利下げ観測の高まり、米中関係の改善期待などを材料に上昇した。国別では、シンガポール、中国、マレーシアなどが上昇し、韓国、タイ、インドなどが下落した。セクターでは、コミュニケーション・サービス、素材、一般消費財・サービスなどが上昇し、エネルギー、公益事業、ヘルスケアなどが下落した。

9月の米国株式市場

9月の米国株式市場は、横ばいを予想する。バリュエーションの割高感が警戒されるものの、企業業績は、情報技術やコミュニケーションサービスセクターを中心に堅調な推移が見込まれるほか、FRB(連邦準備理事会)による利下げ再開への期待が下支えとなり、一進一退の展開を予想する。

9月の欧州株式市場

9月の欧州株式市場は、横ばいを予想する。米国関税政策の景気への影響に対する懸念は残るものの、ECB(欧州中央銀行)による緩和的な金融政策や、ドイツを中心とした財政支出拡大による業績改善期待が支えとなり、一進一退の展開を予想する。

9月の香港株式市場

9月の香港株式市場は、横ばいを予想する。米国の関税政策の景気への影響が懸念されるものの、中国政府の市場安定化策やインフラ投資などの財政政策に対する期待のほか、緩和的な金融政策が下支えとなり、一進一退の展開を予想する。

為替動向

8月のドル/円相場

為替(ドル/円)

8月のドル/円相場は、米国の景気減速懸念などを背景にFRB(連邦準備理事会)の利下げ観測が高まったことや、日銀の利上げ観測の高まりなどから、下落した。

月初、7月の米雇用統計が弱い結果となると、FRBの利下げ期待が高まり、米国の長期金利が低下したことなどから、下落する展開となった。その後、中国に対する関税停止期間を延長したことなどから、米国の景気減速への懸念が和らぎ、長期金利が下げ幅を縮小すると、横ばい圏での推移となった。その後は、日銀の追加利上げ観測の高まりや、自民党総裁選が前倒しされる可能性が燻るなかで、レンジ内での推移となり、月末は146円台後半となった。

8月のユーロ/ドル相場

為替(ドル/ユーロ)

8月のユーロ/ドル相場は、米国金利の低下などからドルが売られる展開となり、月末は1.17ドル程度となった。

8月のユーロ/円相場

為替(ユーロ/円)

8月のユーロ/円相場は、ユーロ安円高となった。ドルに対して円・ユーロは上昇したものの、円の上昇率が大きくなったためユーロ安円高となり、月末は171円台後半となった。

9月のドル/円相場

9月のドル/円相場は、FRBが利下げを再開することで米国の長期金利が低下することや、日銀の利上げ観測の高まりを受けて日本の長期金利の上昇を見込むことから、ドル/円は下落を予想する。

9月のユーロ/ドル相場

9月のユーロ/ドル相場は、FRBが利下げを再開すると予想することなどから、ユーロ/ドルは上昇を予想する。

9月のユーロ/円相場

9月のユーロ/円相場は、小幅上昇を予想する。ドルは円・ユーロに対して下落するが、ユーロに対する下落幅の方が大きくなるため、ユーロ/円は小幅上昇を予想する。

虫眼鏡

物の処分

■買取りサービスの誇大広告問題

今年の5月、日経新聞を読んでいると、買取りサービスの広告に関する記事が目に留まりました。そこには、消費者庁が景品表示法の運用基準を見直し、買取りサービスが規制対象となったこと、また実態調査によると問題となりうる広告表記として、「どこよりも高く買取り」「買取り価格保証」「何でも買取り」「買取り価格アップ」(実際よく見ます)などがあり、そうした表記を5割以上の消費者が参考にしていることなどが書かれていました。それまでに何社か買取り業者と取引をした(しようとした)経験のある私ですが、「この“5割以上の消費者”とは、正に自分のことだ・・・」と頷いてしまいました。

■断捨離が必要に

個人的なことですが、来月自宅の引越しを控えています。一軒家からマンションに移ることとなったため、問題となるのが居住スペースが狭くなること、つまり持ち物を減らす必要があることです。我が家の押入、天袋、屋根裏、物置は使わない物たちで一杯であり、不要な家具(大型の座卓、衣装ケース、着物箪笥など)も普通に部屋の一角を占めているという状態で、引越しまでにどうやって処分していったら良いのだろう、仏壇だって持っては行けないし、などと年明け頃から頭を悩ませていました。

■買取り業者よくある手口

とりあえず粗大ごみを出していこうと自治体のインターネット受付を見ていると、そこに「粗大ごみを出す前に、リユース(再利用)を検討してみませんか?」とお知らせがあり、いくつかの業者のリンクが張られていました。導かれるように「一度に複数の業者の買取価格を比較し売却できるサービス」というところに入り、邪魔な座卓と衣装ケースを「一括査定」に出してみました。確かに複数の業者から買取り価格が提示され、期待を込めて最も高い価格を提示している業者を選んで来てもらいました。すると、「この2点は引取るのに費用として●万円かかります。貴金属やブランド品などあればそれを買取り、不用品は引取ります」とのこと。えっ?と思いましたが、「お金を払うくらいなら」と、今では身に付けていないプラチナの指輪4つを出しました。業者はそれを見るとすぐさま「引き取り費用●万円を引いた買取り価格」を提示し、結局その場で現金を受け取り、不用品は指輪と共になくなりました。

以前、ある所から「使わないお皿一枚でもいいから売って欲しい」と家に電話があり、言われた通り皿を出すと「貴金属類はないか」と言われ、皿は関係ないのだとわかった経験がありました。似たような事だった、そして何より「損をしたのではないか?なぜあの価格だったのか?」と気になり、一応嘘は言わないと信用している買取り屋のおじさん(仮称)のショップを訪れました。スマホに収めておいた指輪の画像を見せて、いくら位になるか聞きたかったのです。結果としては、「重量とプラチナ相場を基に査定すれば、もっと手元に残ったのではないか」ということでした。不用品を処分したいばかりに、根拠のわからない金額で指輪を売ったのは間違いだったと反省しました。ちなみに、そのおじさんを一応信用しているというのは、故人のネックレスなどを何点か持ち込んだ際のエピソードがあります。材質を確認するため、1つずつ磁石に近づけたり、水を張った特殊な容器の中に沈めたりなど理科の実験のようなことをしている様子を傍らで見ていて、仕事振りは信頼できるとの印象を持ちました。結局買取ってもらえたのは14金と判明した1点のみでしたが。現実は厳しいですねと話していると、「買取り業者というものは、売却できることを前提に儲けが出る値段でしか買わない」という、当たり前のことを教えてくれました。「むしろ買い手さえつけば、フリマサイトを使った方が一般的には高く売れる」とも言っていました。

おじさんはネットオークションも活用しているそうで、名刺サイズの「純金カレンダー」を家で発見し持って行った時には、サイトで同じ品物が出品されている画面を出して見せ、「ここでは、●●円で売りに出されています。仮に出品するとして、その手間代とサイトに支払う手数料(売却代金の一部)を引いた価格として▲▲円になります」と言いました。ある意味手の内を教わった気がしましたが、さすがにこれのために自分がオークションに参戦するのは面倒なので、提示された価格で売りました。

■フリマアプリで痛い目に

フリマアプリを導入し、各所にしまい込んでいる物を売ってみることにしました。フォーマルなハンドバッグやブランド品のカードケース(もらい物)、クーラーボックス、リュックサック、トレンチコート(古くてもブランド)、ティーカップとソーサーのセット、変わった物ではレトロな鎌倉彫の文具箱や1970年大阪万博の時の各国パンフレット類(発掘品)などが売れました。ただ、アプリの画面を度々チェックしていると、いつの間にか稼いだお金で出品されている別のものを買う(逆に物を増やしている)という事態になりました。

それはともかく、一度も使っていないと記憶している「卓上炙り焼きコンロ」を出品した時は、大変なことになりました。かなり多くの関心(所謂いいね!の数)を集めた上、希望価格で売れ喜んでいたところ、商品を受け取った買い手から、「使用した形跡があり、未使用というのは嘘だった。返品を希望する。」とクレームが寄せられました。驚いてお詫びの返信をし、その後も過失であり故意ではないと訴えるも、激しい怒りのメッセージが止まることなく返ってきました。数日間、落胆と箱の中身を確認しなかったことへの後悔を引き摺りましたが、結局、アプリの事務局の力を借りて取引はリセットされ、解決しました。それ以来アプリへの関心は薄れ、積極的に出品することはやめてしまいました。

フリマアプリに関しては、自分の売りたい値段で売れるかもしれないけど、素早く不用品を片付ける手段ではないなと経験から学びました。

■買取り業者への接触を続けて

インターネットで「〇〇(←売りたい物)買取り」と検索すれば、多くの業者が出てきます。仕事を引退した夫のビジネススーツやジャケットを安くてもいいから処分したいと思い、業者に出張査定に来てもらいましたが、さっと10数点見ただけで、「買取りできません。ブランド品ではないので」と10分位で帰って行きました。「有名ブランドじゃなくてもOK」って書いてあったのに。腕時計なども提示された価格にがっかりしていると、業者に言われました。「買った値段に関係なく売る時には殆ど価値がない。」だと。

絵画も悩みの種で、美術品専門だという業者を見つけ、有名画家のものを含む作品を数10点まとめて査定してもらいました。交渉の末売却に至り、余裕で引越し代になるくらいの現金が手に入りましたが、何故か嬉しい気持ちになれませんでした。その後考え直し、人生初のクーリングオフをしました。そのような品物を1社でしか聞かなかったのも気になったのですが、それよりも気に入っていた作品まで無くなってしまったことに喪失感を覚えたからです。何を売るのか事前に意思を固めておくのも大事なことでした。

■仏壇はどうするのか?

上場企業である大手業者には、故人の着物類の買取りを依頼しました。着物10枚と帯6枚でわずか1,000円にしかなりませんでしたが、傷んだ生地でもリユースしてもらえるならと、捨てるよりずっと気持ちが楽になり、これは満足でした。ついでに仏壇を売ることはできるのかと聞いたところ、グループ傘下の業者を紹介するが、買取りではなくお坊さんに供養してもらってから引取りとなり、逆に「費用」がかかるとのことでした。もとは高価な物なのにと思い、インターネットで検索して出てきた業者に見に来てもらいました。担当者は、その場で仏具等を扱う数社に情報を流して買取り価格を提示させ、その中から買い手を確定して、仏壇供養の費用を差し引いた価格を提示すると言いました。しかし買い手は現れず、「昨今は小型の仏壇ならまだ売れるが、サイズが大きいと難しい」と言い、大手業者に聞いた費用よりもっと高い金額を提示してきました。大手の話は概ね正しかったのだろうと思い、お断りしました。仏壇仕舞いにはお金がかかります。

■自宅までも・・・!

恥ずかしいことに、1か月前には、飛び込みで来た不動産業者にあっさり自宅を売却しようとしていました。これは契約の寸前でキャンセル。まずは大手に相談してみなさいと親族に止められ、何もすぐに売りたいわけではなかったと気が付いた次第です。売却はしませんと相手に伝えると態度が一変し、私と夫それぞれに何度も電話がかかり、理由を聞いてくるのには唖然としました。基本、夫と2人で対応しているのですが、どうも感じの良い相手だとすぐに信じて即決というパターンになります。気を付けても同じことをまた繰り返すのかもしれません。

■最後に

買取ってもらえないとわかると、捨てるか途上国の支援活動に使ってもらう(小物や衣類等を活用しているNPO法人には何箱も送っています)という道が開けます。粗大ごみも出し続け、大型の家具等は有料の不用品回収で処分する方向です。まあ今となっては、引越し後でもまた来てやれば良いかとハードルを下げています。片付けも必要に迫られてやらざるを得ませんが、要らない物ばかりでなく発見して嬉しい物もたまに出てきます。このところは、何を捨てるかに集中して作業している時間も、意外と貴重で充実した時間だと感じています。

以上、失敗事例を並べるばかりとなりましたが、最後までお読みいただいた皆さまには、物の処分を考える時のご参考になればと存じます。