2026年6月から開催されるサッカーのワールドカップはアメリカ合衆国を中心にカナダとメキシコでも開催され、初の3か国共同開催での大会となります。
日本はアジア予選をCグループトップで通過し8大会連続8回目の本大会出場を決めています。マスコミが「圧倒的な強さ」と報じていましたが、得点はかなり多く、それなりに他国を圧倒する内容だったものの、勝敗数などはグループAのイランと同じでした。このようにアジア内でも日本と同等の強さを持つチームは他にもあります。また、サッカーは野球とは違いロースコアでの決着となる試合が殆どなので、常に相手より1点上回っておけば良いわけで、積極的に攻めることが必ずしも良いわけではなく、10-0で勝とうが、1-0で勝とうが勝ち点は「3」となっています。
今大会はフランスワールドカップ以降の32か国参加から拡大し、48か国が参加することとなりました。1994年に行われたアメリカワールドカップ時には24か国の参加であったので倍の参加国数となります。
この48か国を12グループに分け予選ラウンドであるグループステージを戦い、各グループの上位2チームと、グループステージで3位になったチームの内の上位8チーム、合計32チームがノックアウトステージに進出するところが大きく変更になった点です。
この変更のうち「各グループの3位のうち、上位8チームがノックアウトステージに進める」という新しいレギュレーションは、グループステージの最終試合(各国3試合目)をよりスリリングなものにしうる可能性を持っています。各グループの3位チームは、同じグループの3試合目の相手だけでなく、他の11グループの3位チームの結果も気にしながら戦わなければならなくなりました。つまり、他のグループの3位チームとの勝ち点、得失点差、総得点、そして2018年のロシアワールドカップで日本がノックアウトステージに進出した際のような、警告の数(フェアプレーポイント)の差が天国と地獄を分ける可能性があるのです。3戦目は消化試合となることも多かったものの、もしかするとエキサイティングな試合が増えてくる可能性がありますし、その試合に負けたとしても他グループの試合結果によってはノックアウトステージに進める可能性があり、最後の試合まで気が抜けなくなった点は見どころが増えたと言えるでしょう。
このように予選ラウンドを通過できる可能性が高くなった一方で、前大会まではグループステージを勝ち上がった時点でベスト16でしたが、今回はベスト32からノックアウトステージが始まるため、優勝するにはノックアウトステージで5か国に勝つ必要が出てきました。「優勝が目標」と公言している日本チームにとっては、負けたら終わりの一発勝負のノックアウトステージで1勝をして前回のカタール大会、前々回ロシア大会と同じ順位結果となります。PKや味方の怪我やレッドカード等による欠場や退場、いきなり優勝候補のブラジルやアルゼンチンとの試合となる等、偶然の要素も含んだノックアウトステージを勝ち上がっていくのは容易ではなく、前回順位を下回る可能性も十分に考えられます。
また、今回の大会は3か国での開催となっており移動距離や試合スケジュールが心配されています。具体的にはノックアウトステージにおいて「マイアミ」で試合をしたチームが3日後に「バンクーバー」で試合するようなケースです。 実際そんな組み合わせがあるのかは確認していませんが、移動距離が4,500km、平均気温や気候も大きく違うため、そうなったチームの負担はこれまでのワールドカップで最も大きいでしょう。
こういった体力的な面を含めてグループリーグとノックアウトステージ合わせて最高8試合を戦っていくには、選手層の厚い強豪国が有利となってきます。あるいは、先発する選手を大きく変更するターンオーバー戦術を効果的に利用して、主力選手を休ませながら勝ち上がっていくことが重要となります。森保監督が率いる現日本代表の選手層はかなり厚くなり、先発の選手を大きく入れ替えても同じような力をもったチームが3チーム程作れると言われています。1つのポジションだけではなく、複数のポジションがこなせる選手や左右両足で正確なキックを蹴ることができる選手、加えて監督が考える戦術を理解し実行できる選手を多く招聘しているからです。このような選手が増えていることはワールドカップのような短期開催の大会では非常に有効的でしょう。
また、これらの選手をサポートするスタッフ陣も日本は優秀で、現段階ではどの場所での試合となっても対応できるように複数のキャンプ地、複数のホテルを予約し準備していると思われます。8大会目の出場となり、これら試合以外でのノウハウもかなり蓄積されてきていることが日本代表の勝利に大きく貢献していると思われます。
では、今度の大会で日本は優勝できるのかという多くの方がもつ疑問に答えたいと思います。残念ながら答えは「ノー」です。前回カタール大会のアルゼンチン対フランスの決勝戦を観戦した人ならば頷けると思います。あのアルゼンチンやフランスに日本が勝てるのかと正直思います。これまでの歴代優勝国はブラジル(5回)、イタリア、ドイツ(4回)、アルゼンチン(3回)、ウルグアイ、フランス(2回)、イングランド、スペイン(1回)の8か国に限定されます。これらの国名を見るだけで、そのチームに所属するスター選手の名前が浮かんでくるほどですが、まだ日本はそこまでには至っていません。
ワールドカップで優勝するには、いわゆるクラブチームのワ-ルドカップと言われるヨーロッパチャンピオンズリーグにおいて、常にベスト4~ベスト8に入ってくるような強豪クラブチームに各1名ずつスタメンで出場できる日本人選手がいるような状況が必要だと思っています。今日現在では、日本代表キャプテンの遠藤航選手がイギリスのリヴァプールという強豪チームに所属していますが、昨年度は交代での出場が殆どです。遠藤選手が先発で定着し、チャンピオンズリーグの常連チームで先発を勝ち取れる選手が複数出てくれば、チャンスは大きくなります。他の強豪国も日々進化しているので、その差は大きく縮まることはないものの、ヨーロッパのクラブチームで活躍する選手が増えているもの事実であり、今大会では「運があれば」ベスト16を通過し、ベスト8となる可能性は十分高いと考えています。
それよりも今回のワールドカップでの一番の厄介事は時差です。東京とロサンゼルスで16時間、ニューヨークで13時間の時差があります。ということは、ロサンゼルスで夜の19時に始まる試合は日本では午前11時(翌日)に始まるということで、仕事をどうするかが大きな問題です。1996年アトランタオリンピックの日本対ブラジルの試合も午前中にあったと思いますが、結局、仕事をさぼって会社の食堂で最後まで観てしまった記憶があります。今回はそんなことはできないので、2025年12月に試合日程が決まったら、まずは休暇を確保したいと思います。また、現地観戦希望の場合は1次先行販売(Visaカード保有者のみ)が9月10日から始まります。
さて、1年後の結果を楽しみに頑張って仕事をしたいと思います。