2025年3月-Vol.346
  • 概要
  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式
  • 為替動向
  • 虫眼鏡

主なポイント

12日は春闘の集中回答日です。昨年は、連合の集計で+5.10%と1991年以来となる5%以上の賃上げ率となりました。今年の要求は昨年と同じ5%以上としていますが、人手不足もあり、企業としても高い賃上げ率で答えざるを得ない状況です。インフレが高止まりするなか、実質賃金の上昇は今後の消費動向にも影響を与えることから、企業の回答が注目されます。

3/10 (日)1月毎月勤労統計・・・引き続き高い伸びとなるか
3/12 (日)春闘集中回答日・・・上記参照
3/18 (日)日銀金融政策決定会合(19日まで)・・・現状維持が見込まれる
3/18 (米)FOMC(連邦公開市場委員会)(19日まで)・・・現状維持が見込まれる

市場見通し

国内債券

金利上昇が進んだ反動から低下する場面も考えられるものの、日銀による早期の追加利上げ観測が根強いことから、横ばいで推移すると予想する。

国内株式

トランプ政権の政策動向が来期業績の見通しを不透明にしているほか、円金利上昇への警戒などから下落を予想する。

外国債券

<米国>底堅い米国景気や、インフレ高止まりに伴い、2025年の利下げ回数の減少が意識されることなどから、金利は上昇を予想する。

<欧州>ウクライナ和平交渉への期待や、欧州の景気低迷の底打ち期待が上昇要因となるものの、ECB(欧州中央銀行)が利下げを継続することが金利低下要因となり、金利は横ばいでの推移を予想する。

外国株式

<米国>米国経済が堅調に推移するなか、トランプ政権の政策による企業業績の拡大期待により、上昇を予想する。

<欧州>グローバルに事業を展開する企業の業績は堅調に推移するほか、ウクライナ戦争の終結への期待やECBの追加利下げが支えとなり、底堅い展開を予想する。

為替市場

日銀の利上げ観測は下落要因となるものの、米国のインフレ高止まりや、トランプ政権の関税引き上げへの思惑などから、ドルは対円で上昇を予想する。ウクライナ和平交渉への期待や、欧州景気の底打ち期待はユーロ高要因となるものの、トランプ政権の関税への懸念やECBの利下げ継続がユーロ安要因となり、ユーロは対ドルで小幅下落を予想する。

現金給与額(前年比)
出所:厚生労働省

国内債券

2月の国内債券市場

指標銘柄/新発10年国債

2月の国内長期金利は、日銀による早期の追加利上げ観測が根強いなか、上昇基調で推移し、1.370%で終了した。

国内長期金利は、月初に実施された10年債入札は無難な結果となったものの、1月の日銀金融政策決定会合後も氷見野副総裁などが利上げを継続する姿勢を示し、日銀による早期の追加利上げ観測が高まったことや、実質GDP成長率が市場予想を大幅に上回ったことなどから、1.4%台まで上昇した。その後は、植田総裁が国会答弁において、長期金利が急上昇する場合には機動的に国債買い入れを増額すると発言したことなどから、1.3%台に上昇幅を縮小させ、月末は1.370%で終了した。

イールドカーブについては、日銀による早期の追加利上げ観測などから、長期ゾーンの金利上昇幅が大きくなり、フラット化した。信用スプレッドは、横ばいとなった。

3月の国内債券市場

3月の債券市場は、金利上昇が進んだ反動から低下する場面も考えられるものの、日銀による早期の追加利上げ観測が根強いことから、横ばいで推移すると予想する。3月の債券市場のポイントは、①日銀の動向、②米国金利の動向、③国内債券市場の需給動向と考える。

①<日銀の動向>日銀の追加利上げ時期について、7月に実施されるとの見方が優勢となっている。3月は、5日に内田副総裁の講演、14日に春闘賃上げ率の第1回回答集計結果の公表などが控えており、その内容次第では、追加利上げ観測が一段と高まり、金利上昇余地を試す展開になることも予想される。

②<米国金利の動向>米国では、3月に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)においても、利下げが見送られると想定されるなか、同時に公表されるFOMC参加者の政策金利の見通しに注目が集まる。今後発表される雇用統計などの経済指標の結果によっては、金融政策の見通しを巡る思惑から、米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。

③<国内債券市場の需給動向>3月の国債入札スケジュールとしては、10年債(4日)、30年債(6日)、20年債(12日)、40年債(27日)などが予定されている。まずは、今月最初の超長期債の入札として6日に実施される30年債入札において、投資家による買い需要が確認できるかが注目であり、結果によっては金利が大きく変動する可能性も考えられる。

イールドカーブは、フラット化すると予想する。信用スプレッドは、横ばいで推移すると予想する。

国内株式

2月の国内株式市場

日経平均株価225種 東証株価指数(TOPIX)

2月の国内株式市場は、米国の関税政策による世界経済の減速懸念が広がるなか、米経済指標の悪化や日銀の早期追加利上げ観測の高まりによる円高が業績見通しへの重荷となり、日経平均株価で6.11%の下落となった。

初旬は、業績の上方修正や好決算を発表した銘柄を物色する動きが見られたものの、米国の中国に対する関税発動に加え、日銀の早期追加利上げ観測の高まりによる円高が重荷となり、上値の重い展開が続いた。中旬には、市場予想を上回るGDP速報値などを背景とした長期金利上昇により銀行株が買われたほか、米国が自動車・製薬業界などについて相互関税の免除を検討していると伝わり、上昇した。下旬にかけては、米経済指標の悪化や日銀の追加利上げ観測により円高が一段と進行した上、トランプ大統領の追加関税発言による世界景気の減速懸念から幅広い銘柄が売られ、下落した。業種別には、海運、その他製品、鉄鋼などが上昇し、精密、サービス、機械などが下落した。

3月の国内株式市場

10-12月期の企業業績は好調に推移したものの、トランプ政権の政策動向が来期業績の見通しを不透明にしている。また、円金利上昇への警戒が続き、年度末に向けて利益確定の売り圧力が高まることも想定されることから、下落を予想する。

トランプ政権の相次ぐ急進的な政策発表により、世界経済の減速懸念が広がっているが、米国経済の悪化につながる政策の実行には一定の歯止めがかかることが想定される。また、足元の円金利上昇が足かせとなり、株式市場は短期的に調整する可能性はあるものの、国内の設備投資は伸びており、春闘を控え賃上げへの期待もあることから、企業の利益成長と共に株価も緩やかな上昇基調を辿るだろう。

10-12月期決算は総じて好調な結果となり、市場の関心は来期業績に移りつつある。来期も外需関連、内需関連ともに増益基調が維持されることを予想するが、外需関連企業の業績見通しはトランプ政権の関税リスクに加え、中国を筆頭とした海外の現地企業の競争力の高まりにより不透明感が強く、業績動向を慎重に見極める必要があるだろう。一方、内需関連企業も賃金を始めとしたコスト上昇圧力が継続し、高付加価値戦略などによる収益力の維持・向上に向けた一層の取り組みが求められる。物価の上昇基調が続く現在の市場環境では、価格設定の自由度が高いPB商品やサービスを提供する企業に業績拡大の余地が大きいと思われる。また、今後も継続が見込まれる円金利の上昇は金融セクターに追い風となるものの、今期の利益は持ち合い株式の解消に伴う売却益で一時的に膨らんだ面があり、来期の減益要因となる可能性には留意したい。

外国債券

2月の米国債券市場

米10年国債

2月の米国の長期金利は、トランプ政権の関税政策への警戒感や、米国政府の財政赤字削減への期待などから、低下した。

前半は、米雇用統計で失業率が予想よりも低下したことや、CPI(消費者物価指数)が予想より上振れしたことなどから、一時4.6%台半ばまで上昇した。その後、ベッセント財務長官が財政赤字を削減する方針を示したことや、米小売売上高が予想を下回ったことなどから米国景気への不透明感が強まり、低下に転じた。月末にかけては、トランプ政権によるカナダ、メキシコへの関税や、中国への追加関税を巡る不透明感などから下げ幅を拡大し、月末は4.2%台前半となった。

イールドカーブは、関税引き上げによる米国景気への不透明感から、フラット化した。

2月の欧州債券市場

ドイツ10年国債

2月の欧州(ドイツ)の長期金利は、トランプ政権の関税政策への警戒感や、米国金利の低下などから下押し圧力がかかり、低下した。

前半、トランプ政権による相互関税への警戒感から、2.3%台半ばまで低下する場面もあったが、その後は欧州景気の底打ち期待などから上昇基調となった。中旬にかけては、ウクライナ和平交渉への期待や、防衛費増加に伴う国債の供給増加懸念も上昇要因となり、一時2.5%台後半まで上昇したが、米国金利の低下や再び関税政策への警戒感が強まったことなどから低下し、月末は2.4%台前半となった。

ドイツ国債のイールドカーブは、スティープ化した。周辺国国債とドイツ国債の利回り差は、イタリアなどを中心に、小幅に拡大した。

3月の米国債券市場

3月の米国の長期金利は、底堅い米国景気や、インフレ高止まりに伴い、2025年の利下げ回数の減少が意識されることなどから、上昇を予想する。

3月の欧州債券市場

3月の欧州(ドイツ)の長期金利は、ウクライナ和平交渉への期待や、欧州の景気低迷の底打ち期待が上昇要因となるものの、ECB(欧州中央銀行)が利下げを継続することが金利低下要因となり、金利は横ばいでの推移を予想する。ECBが量的引き締めを継続していることや、一部の国の財政悪化などが懸念されるものの、ECBによる利下げ継続が予想されることから、周辺国の対ドイツ国債スプレッドは横ばいで推移すると予想する。

外国株式

2月の米国株式市場

米国S&P500指数 ダウ工業株30種平均

2月の米国株式市場は、S&P500指数で1.42%の下落となった。中旬にかけて上昇基調が続き一時史上最高値を更新したものの、米国経済指標の悪化や、トランプ政権がメキシコ、カナダ、中国に対する追加関税を表明し、景気減速懸念の高まりから、下落した。セクターでは、生活必需品、不動産、エネルギーなどが上昇する一方、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、資本財・サービスなどが下落した。

2月の欧州株式市場

ドイツDAX指数 イギリスFT-SE(100種)指数

2月の欧州株式市場は上昇した。月初は、トランプ政権による関税政策への警戒感から売られたものの、その後は、BOE(イングランド銀行)、ECB(欧州中央銀行)による追加利下げ観測の高まりや、ウクライナとロシア間の停戦期待などが支えとなり、上昇した。国別では、アイルランド、スペイン、オーストリアなどが上昇する一方、ノルウェー、オランダが下落した。セクターでは、金融、コミュニケーション・サービス、生活必需品などが上昇する一方、情報技術、不動産が下落した。

2月の香港株式市場

香港ハンセン指数

2月の香港株式市場は上昇した。関税を巡る米中対立への懸念はくすぶるものの、中国国内でのAI技術の台頭により、AI活用による成長期待が高まったほか、大手ハイテク企業の予想を上回る企業業績が好感され、ハイテク関連銘柄中心に上昇した。

3月の米国株式市場

3月の米国株式市場は、上昇を予想する。バリュエーションに割安感はなく、インフレ減速ペースの鈍化による利下げ見通しの変化には注意が必要なものの、米国経済が堅調に推移するなか、トランプ政権の政策による企業業績の拡大期待により、上昇を予想する。

3月の欧州株式市場

3月の欧州株式市場は、横ばいを予想する。トランプ政権による関税政策の不透明感が重石となる一方で、グローバルに事業を展開する企業の業績は堅調に推移するほか、ウクライナ戦争終結への期待やECBの追加利下げが支えとなり、底堅い展開を予想する。

3月の香港株式市場

3月の香港株式市場は、横ばいを予想する。引き続き、トランプ政権による中国に対する関税政策の不透明感が重石となるものの、緩和的な金融政策が継続するほか、中国政府による内需支援策により底堅い展開を予想する。

為替動向

2月のドル/円相場

為替(ドル/円)

2月のドル/円相場は、日銀による追加利上げ観測や、米国の長期金利が低下したことなどから、下落した。

月初から、日銀による追加利上げ観測で日本の長期金利が上昇し、日米金利差が縮小したことで、下落基調となった。米CPI(消費者物価指数)が予想を上回り、米長期金利が上昇すると、下げ幅を縮小する場面もあったが、トランプ政権の関税政策への警戒感から米長期金利が低下基調になると、一時148円台後半まで下落した。下旬にかけては、日銀の植田総裁が国債買い入れの増額に言及するなど、長期金利上昇を抑制する姿勢を見せると徐々に値を戻す展開となり、月末は150円台後半となった。

2月のユーロ/ドル相場

為替(ドル/ユーロ)

2月のユーロ/ドル相場は、ウクライナ和平交渉の不透明感などから方向感に乏しい展開となり、月末はほぼ横ばいの1.04ドル程度となった。

2月のユーロ/円相場

為替(ユーロ/円)

2月のユーロ/円相場は、ユーロ安円高となった。ドルに対して円は上昇、ユーロは横ばいとなったことから、ユーロ安円高となり、月末は156円台後半となった。

3月のドル/円相場

3月のドル/円相場は、日銀の利上げ観測は下落要因となるものの、米国のインフレ高止まりや、トランプ政権の関税引き上げへの思惑などから、ドルは上昇を予想する。

3月のユーロ/ドル相場

3月のユーロ/ドル相場は、ウクライナ和平交渉への期待や、欧州景気の底打ち期待はユーロ高要因となるものの、トランプ政権の関税への懸念やECB(欧州中央銀行)の利下げ継続がユーロ安要因となり、ユーロは小幅下落を予想する。

3月のユーロ/円相場

3月のユーロ/円相場は、上昇を予想する。ドルは円・ユーロに対して上昇するが、円に対する上昇幅の方が大きくなるため、ユーロ/円は上昇を予想する。

虫眼鏡

鎌倉ビーチコーミング*のススメ

ビーチコーミングは夏と思っている方、多いのではないでしょうか? 実は鎌倉ビーチコーミングの季節は秋から春なのです。何故かというと鎌倉の海には桜貝がいます。その桜貝が拾えるのが11月から3月になるからです。その中でもおすすめの時期は11月~12月初旬と3月です。12月中旬から2月中は潮風が冷たく、ビーチコーミングには酷な寒さになります。おすすめの時期なら裸足になって波打ち際を歩くのも心地良いくらいです。

因みに、波打ち際を裸足で歩くと、「アーシング」などと呼ばれ体にたまっている電気を放出する健康法があり、ビーチコーミングしながらアーシングもできリフレッシュに繋がります。

ビーチコーミングをするときは時季に加えて、時間も大切です。海岸のその日のタイドグラフ(潮汐表)のチェックをし、干潮の時間を狙います。波打ち際であっただろう場所に貝だまりが出来るからです。その貝だまりから一歩波打ち際の方に立ち、貝だまりを見渡します。するとピンク色で艶光っている貝が見つかります。それが桜貝です。一枚のものもあれば、二枚貝のままの桜貝もたくさん見つかります。壊れやすいため優しくそっと拾います。また、探す場合は、しゃがみ込んでじっくり探すより、貝だまり一歩手前をゆっくり歩きながら見渡すよう探すと、せっかくの桜貝を踏んでしまったりせずに、かつ海を楽しみながら意外にもスピーディーに桜貝を見つけることができます。しかし干潮が早朝の場合は、波打ち際を走っているランナーの方に踏みつぶされていたりすることも多々あります。

鎌倉で拾える桜貝の種類
・サクラガイ:これぞ桜貝という色と形の貝
・カバザクラガイ:貝の端に白い2本線のある貝
・モモノハナガイ:年輪のような縞が入っている少しピンクが強く透明感少ない貝
・オオモモノハナガイ:モモノハナガイが大きくなったような貝
・ベニガイ:細長く涙型、透明感のあるオレンジがかっている紅色の貝(レア)
(私もベニガイは1枚しかもっていません)

ビーチコーミングで拾った桜貝を空き袋やティッシュペーパーに包んでお持ち帰りになる人をよく見かけます。しかし硬い貝やシーグラスならまだしも、拾う力加減によっては簡単に割れてしまう弱い桜貝は、家に到着するまでに粉々になってしまいます。私がビーチコーミング用に使っているアイテムはパチッと蓋が閉まるプラスチック製のアイス容器にスズランテープで取手をつけたものです。その容器に半分ほど水道水や現地で海水を入れてから、蓋をポケットにしまい、カップの口を開けたまま貝やシーグラスなどを拾い集めます。貝拾いが終了したら、貝が被るくらいの水を残し、蓋を閉め持ち帰ると壊れることなく持ち帰れます。

無事に家まで持ち帰りが出来たら、すぐに飾るのはおすすめできません。実は海岸で拾った貝やシーグラスなどには、タンパク質や細菌がついているため、酸素系漂白剤や酵素入り入れ歯用洗浄剤につけて除菌します。汚れによっては数時間から1日程度漬け込んで、きれいに濯ぎます。きれいになった貝を飾ったり、UVレジンでコーティングしてアクセサリーにしたりもできます。

桜貝をステップに他の貝を見つけるのも楽しくなります。私はサオトメイトヒキマイマイ(中南米原産のため、船に付いてきたのかな?)を見つけるとうれしい気持ちになります。白い三角錐型にその個体ごとに違う配色で、様々な色のラインで細い線、少し太い線などと、同じ貝がないのが見ていて楽しいです。

由比ガ浜は和歌山県の和歌浦、石川県の増穂浦海岸と並び日本の小貝三名所の1つです。皆様も楽しい鎌倉のビーチコーミングで幸せを呼ぶ貝・桜貝を拾いにいらしてはいかがでしょうか?

鎌倉ビーチコーミング*のススメ