2024年11月-Vol.342
  • 概要
  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式
  • 為替動向
  • 虫眼鏡

主なポイント

15日に7-9月期GDPが発表されます。4-6月期は前期比年率+2.9%と、マイナスとなった前期の反動もあり大幅なプラスとなりました。今回は台風の影響や地震臨時情報が出された影響などにより小幅なプラスにとどまると予想されています。6月から所得税・住民税減税が実施されたほか、実質賃金が一時プラスに転換するなど好材料があったにもかかわらず、個人消費はさえない状況が続いています。賃金と物価の好循環は今のところ見られておらず、今後消費者のセンチメントに改善がみられるかが注目されます。

11/5 (米)大統領選挙・・・接戦が予想され、すぐに決着がつかない可能性も
11/6 (米) FOMC(連邦公開市場委員会)(7日まで)・・・利下げが予想される
11/7 (英)金融政策委員会・・・利下げが予想される
11/15 (日)7-9月期GDP・・・上記参照

市場見通し

国内債券

国内外の政治イベントを通過し、金融市場が安定していくのに伴い、日銀による追加利上げが徐々に意識される展開を想定することから、金利は上昇すると予想する。

国内株式

企業業績は増益基調が維持されることを見込み、米大統領選挙後には、不透明感の払拭から小幅に上昇すると予想する。

外国債券

<米国>米国の雇用鈍化を受けてFRB(連邦準備理事会)が利下げを継続すると見込むことから、金利は小幅低下を予想する。

<欧州>欧州景気に減速傾向が見られることや、ECB(欧州中央銀行)の追加利下げ観測などから、金利は小幅低下を予想する。

外国株式

<米国>米国経済の底堅さが継続するなか、FRBによる追加利下げが見込まれることに加え、堅調な企業業績が支えとなり、米大統領選挙後は不透明感が払拭され上昇を予想する。

<欧州>底堅い雇用や所得環境が継続し、サービス業を中心に持ち直しの動きが続いているほか、ECBによる追加利下げも支えとなり、上昇を予想する。

為替市場

FRBの継続的な利下げ観測や、日銀の追加利上げ観測などから、ドルは対円で下落すると予想する。FRB、ECBともに利下げが想定されるものの、ECBの利下げ観測が高まりやすいことなどにより、ユーロは対ドルで下落すると予想する。

実質GDP成長率(前期比年率)
出所:内閣府

国内債券

10月の国内債券市場

指標銘柄/新発10年国債

10月の国内長期金利は、米国金利の大幅上昇や、円安進行に伴う日銀による追加利上げ観測などから、0.9%台後半まで上昇した後、日銀金融政策決定会合において、現行の政策金利の維持が決定されたことなどから、上昇幅を縮小させ、0.935%で終了した。

国内長期金利は、米国金利が上昇基調で推移し、円安が進行するなか、日銀による追加利上げ観測や、27日投開票の衆議院議員選挙において、与党の獲得議席が過半数割れとなったことを受けて、財政拡大政策への懸念が高まったことから、0.9%台後半まで上昇した。その後は、30~31日開催の日銀金融政策決定会合において、現行の政策金利を維持することが決定されたことなどから、上昇幅を縮小させ、月末は0.935%で終了した。

イールドカーブについては、衆議院議員選挙後の財政拡大政策への懸念などから、相対的に超長期ゾーンの金利上昇幅が大きくなり、スティープ化した。信用スプレッドは、横ばいとなった。

11月の国内債券市場

11月の国内長期金利は、国内外の政治イベントを通過し、金融市場が安定していくのに伴い、日銀による追加利上げが徐々に意識される展開を想定することから、金利は上昇すると予想する。11月の債券市場のポイントは、①日銀の動向、②米国金利の動向、③国内債券市場の需給動向と考える。

①<日銀の動向>植田日銀総裁は、経済・物価見通しが実現していけば利上げを継続していく方針を改めて示すと同時に、政策判断に時間的な余裕があるとの表現を今後は使わないと述べた。また、同時公表された展望レポートにおいて、2025年度の物価見通しについては、上振れリスクの方が大きいという記述が維持されたこともあり、今後、物価動向などを受けて、徐々に追加利上げが意識される展開になるであろう。

②<米国金利の動向>米国では、11月に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)において、0.25%の利下げが実施されることが想定されているものの、一方では、利下げ見送りの可能性も意識されている。米大統領選挙や今後発表される雇用統計などの経済指標の結果によっては、金融政策の見通しを巡る思惑から、米国長期金利の変動幅が大きくなり、国内金利に波及することが考えられる。

③<国内債券市場の需給動向>11月の国債入札スケジュールとしては、10年債(7日)、30年債(13日)、20年債(21日)、40年債(27日)などが予定されている。足元、金利水準が大きく上昇するなか、まずは、今月最初の超長期債の入札として13日に実施される30年債入札において、投資家による買い需要が確認できるかが注目であり、結果によっては金利が大きく変動する可能性も考えられ、注意が必要である。

イールドカーブは、フラット化すると予想する。信用スプレッドは、横ばいで推移すると予想する。

国内株式

10月の国内株式市場

日経平均株価225種 東証株価指数(TOPIX)

10月の国内株式市場は、衆議院議員選挙や米大統領選挙などの政治イベントへの警戒や、海外大手半導体メーカーの低調な決算などから一進一退の値動きが続いたものの、衆議院議員選挙後は不透明感が後退し、円安進行による業績改善期待などから日経平均株価で3.06%の上昇となった。

上旬は、堅調な米雇用統計の結果を受け上昇したものの、その後は中東情勢の悪化を受けた原油価格の上昇や、思惑が先行していた中国の財政支出への期待がしぼみ、上値が重い展開となった。中旬にかけては、日米金利の上昇を受け銀行株が上昇する一方、海外大手半導体メーカーの低調な業績見通しから半導体関連銘柄が売られ、小幅に下落した。下旬には、衆議院議員選挙での与党過半数割れの観測から投開票日に向けて下落したが、選挙後は不透明感の後退や円安の進行による業績改善期待などにより反発した。業種別には、銀行、医薬品、電気・ガスなどが上昇し、鉄鋼、パルプ・紙、化学などが下落した。

11月の国内株式市場

底堅い国内消費を背景に、企業業績は増益基調が維持されることを見込むものの、輸出関連企業を中心に業績モメンタムは低下するだろう。米大統領選挙後は政策に対する不透明感が払拭され、小幅に上昇すると予想する。

国内では、衆議院議員選挙での与党過半数割れの結果を受け、財政支出圧力が増すことが想定される。短期的には株式市場への追い風となるが、政権の枠組みや政策の見通しが立つまではボラティリティを高める要因となりそうだ。一方、米大統領選挙に向けてはトランプ氏の掲げる保護主義、財政拡張的な政策への警戒が続く。選挙結果の判明は不透明感の払拭につながるものの、米景気が堅調に推移するなか、インフレ再燃への懸念は強く、選挙後の金利動向が株式市場に及ぼす影響には警戒が必要だろう。

10月上旬に集中した小売企業の上期決算では、高額品消費が引き続き堅調な推移となった一方、食品スーパーなどで苦戦が目立ち、物価高による消費者の節約志向の高まりも見られた。実質賃金の改善傾向は続いており、消費は全体として底堅く推移することを見込むが、コロナ禍後の消費回復は一巡し、選別消費の傾向が強まっている。売価の引き上げから価格訴求へ戦略を転換する企業もあり、今後の業績については利益率への影響を見極める必要があるだろう。また、10月下旬から3月期決算企業の上期決算発表が本格化している。これまでのところ、AI関連を除き設備投資需要は力強さに欠けるものの、円安の恩恵もあり上期実績は概ね順調な着地となっている。通期の見通しについては、多くの企業が前提為替レートを円高方向に設定しているが、足元では円安基調が続いており、今期末の着地水準が見通しづらくなっている。そのなかでも、経済が底堅く推移する米国で事業を展開する企業や、金利上昇の恩恵を受ける銀行などの業績は堅調な進捗が期待できそうだ。バリュエーションに割高感はなく、米大統領選挙の結果で金融市場が混乱状況に陥らない限り、好業績銘柄の株価が上昇する地合いが続くだろう。

外国債券

10月の米国債券市場

米10年国債

10月の米国の長期金利は、米国景気の底堅さが意識され、FRB(連邦準備理事会)の利下げペースが緩やかになるとの観測が高まったことや、米大統領選挙でトランプ氏が勝利するとの見方などから、上昇した。

前半、雇用統計が予想を上回り、FRBの利下げが緩やかになるとの観測などから、上昇基調となった。中旬に発表されたPMI(消費者物価指数)が、市場予想を上回ったことも金利上昇要因となった。後半は、米大統領選挙でトランプ氏が優勢であるとの報道や、上下院ともに共和党が勝利するトリプルレッドの可能性が高まっているとの見方などから、インフレ期待が高まり、一時4.3%台前半まで上昇した。月末はやや値を戻し、4.2%台後半となった。

イールドカーブは、FRBの利下げ観測の後退などから、フラット化した。

10月の欧州債券市場

ドイツ10年国債

10月の欧州(ドイツ)の長期金利は、ECB(欧州中央銀行)が利下げの継続に前向きな姿勢を示したものの、米国の長期金利の上昇などを受けて、上昇した。

前半、米国の長期金利が上昇すると、欧州の長期金利にも上昇圧力がかかり、上昇基調となった。後半、ECBが0.25%の利下げを実施し、景気の下振れリスクに警戒する姿勢を示したことで、やや上げ幅を縮める場面もあったが、米大統領選挙でトランプ氏が勝利するとの観測から米国の長期金利が上げ幅を拡大すると、再び上昇基調となった。月末は2.3%台後半となった。

ドイツ国債のイールドカーブは、スティープ化した。周辺国国債とドイツ国債の利回り差は、ECBが利下げの継続に前向きな姿勢を示したことなどから、縮小した。

11月の米国債券市場

11月の米国の長期金利は、FRBが利下げを継続すると見込むことから、小幅低下を予想する。ただし、大統領選挙の結果次第では、インフレ期待の高まりなどから、ボラティリティが高まる可能性に注意が必要である。

11月の欧州債券市場

11月の欧州(ドイツ)の長期金利は、欧州景気に減速傾向が見られることや、ECBの追加利下げ観測などから、小幅低下を予想する。ECBが量的引き締めを継続していることや、一部の国の財政悪化などが懸念されるものの、ECBによる利下げ継続が予想されることから、周辺国の対ドイツ国債スプレッドは横ばいで推移すると予想する。

外国株式

10月の米国株式市場

米国S&P500指数 ダウ工業株30種平均

10月の米国株式市場は、S&P500指数で0.99%の下落となった。市場予想を上回る雇用統計や小売売上高を背景に米国経済のソフトランディング期待が高まったことに加え、銀行大手を中心とした7-9月期の企業決算が堅調に推移し、上昇した。月末にかけては、大手ハイテク企業の決算を機に情報技術セクターを中心に売られ、下落した。セクターでは、金融、コミュニケーション・サービス、エネルギーが上昇する一方、ヘルスケア、素材、不動産などが下落した。

10月の欧州株式市場

ドイツDAX指数 イギリスFT-SE(100種)指数

10月の欧州株式市場は、下落した。中国経済の低迷により、高級ブランドなど消費関連銘柄の業績悪化が懸念されたほか、オランダの半導体製造装置大手の決算が市場予想を下回ったことなどが嫌気された。国別では、ノルウェー、オーストリア、イタリアが上昇する一方、ポルトガル、オランダ、アイルランドなどが下落した。セクターでは、情報技術、不動産、素材などを中心にエネルギーを除く全てのセクターが下落した。

10月の香港株式市場

香港ハンセン指数

10月の香港株式市場は、下落した。月初は、中国政府の景気対策への期待が下支えとなり上昇基調で推移した。その後は、中国政府が財政政策の規模を示さず、期待が後退したことに加え、米大統領選挙に対する警戒感が重石となった。

11月の米国株式市場

11月の米国株式市場は、上昇を予想する。割高なバリュエーションが懸念ではあるものの、米国経済の底堅さが継続するなか、FRB(連邦準備理事会)による追加利下げが見込まれることに加え、堅調な企業業績が支えとなるだろう。米大統領選挙後は政策に対する不透明感が払拭され上昇を予想する。

11月の欧州株式市場

11月の欧州株式市場は、上昇を予想する。欧州域内経済は、ドイツを中心とした製造業の低迷が懸念されるものの、底堅い雇用や所得環境が継続し、サービス業を中心に持ち直しの動きが続いている。また、ECB(欧州中央銀行)による追加利下げも支えとなり、上昇を予想する。

11月の香港株式市場

11月の香港株式市場は、上昇を予想する。中国では、不動産市場の低迷が長期化するなか、個人消費が弱含むなど、景気減速が継続しているものの、中国当局による金融緩和や追加の財政政策が景気の下支えとなるだろう。香港市場は、割安なバリュエーションや米国の追加利下げなどにより底堅い展開を予想する。

為替動向

10月のドル/円相場

為替(ドル/円)

10月のドル/円相場は、米国の経済指標で景気の底堅さが示されたことや、米大統領選挙でトランプ氏が勝利する可能性が意識されたことなどから、上昇した。

前半、雇用統計が予想を上回ったことなどを受けて、米国の長期金利が上昇したことなどから、上昇基調となった。米大統領選挙で、トランプ氏が勝利する可能性が意識され、インフレ期待が高まったことも、ドルが上昇する要因となった。27日に行われた衆議院選挙で、与党の獲得議席が過半数割れとなり、政治情勢の不透明感から日銀の金融政策の正常化が遅れるとの観測が高まったことで上げ幅を拡大し、一時153円台後半まで上昇した。月末は152円台前半となった。

10月のユーロ/ドル相場

為替(ドル/ユーロ)

10月のユーロ/ドル相場は、ECB(欧州中央銀行)が利下げに前向きな姿勢を示したことで下落し、月末は1.08ドル台半ばとなった。

10月のユーロ/円相場

為替(ユーロ/円)

10月のユーロ/円相場は、ユーロ高円安となった。ドルに対して円・ユーロは下落したものの、円の下落率が大きくなったためユーロ高円安となり、月末は165円台前半となった。

11月のドル/円相場

11月のドル/円相場は、FRB(連邦準備理事会)の継続的な利下げ観測や、日銀の追加利上げ観測などから、ドルは下落すると予想する。

11月のユーロ/ドル相場

11月のユーロ/ドル相場は、FRB、ECBともに利下げが想定されるものの、ECBの利下げ観測が高まりやすいことなどにより、ユーロは下落すると予想する。

11月のユーロ/円相場

11月のユーロ/円相場は、下落を予想する。ドルは円に対して下落するが、ユーロに対して上昇となるため、ユーロ/円は下落を予想する。

虫眼鏡

犬のお葬式

前回(2021年3月)、私が投稿した虫眼鏡の内容は「犬の介護」でした。あれから3年半ほどの年月が過ぎましたが、今年の7月下旬、残念ながら我が家の愛犬(ミニチュア・ダックスフンド)であるモモ(16歳9ヶ月)とチビ太(14歳6ヶ月)の両方が立て続けに「虹の橋」を渡ってしまいました(飼い主あるあるですが、「亡くなった」とは言いたくなく、「虹の橋を渡った」という表現をよく使います)。

モモは、今年4月に癌が見つかり、癌の専門医(今、動物の医療業界は、人間同様、「循環器専門」とか「癌専門」など専門の病院があり、症状に応じて病院を使い分ける時代になってきています。)に診てもらったところ、余命3~4ヶ月と宣告されていましたので、それなりに覚悟はできていました。一方、弟分のチビ太は、持病の心臓病はあるものの、特段大きな病気にはかかっておらず、まだまだ長生きするものと思っていました。しかし、そのチビ太が、まさかの体調急変により、モモより先に逝ってしまいました(原因ははっきりわかっていませんが、肺水腫を何度か繰り返していたので、それにより血管がもろくなっていたいのではないかと言われました)。そして、まさかのその翌日に、後を追うようにモモも逝ってしまったのです。飼い主としては絶望の谷底に突き落とされた気持ちで、這い上がる気力もありませんでした。ただ、長年一緒に生活してきた愛すべき2匹の犬をきちんと最後まで看取ることが飼い主としての責務だと自分に言い聞かせ、悲しみをこらえて「犬のお葬式」を執り行いました。

私がお世話になったペットの葬儀屋さんでは、「立会火葬:プレミアム」、「立会火葬:スタンダード」、「お任せ火葬:単独火葬」、「お任せ火葬:合同火葬・埋葬」の4つのプランが用意されていました。「立会火葬」以外は、葬儀屋さんのスタッフに全て一任する形になり、飼い主が火葬に立ち会うことができません。また、「お任せ火葬:単独火葬」では、個別に火葬してもらえるものの、その日に返骨してもらえません。さらに、「合同火葬・埋葬」に関しては、他のペットと合同で荼毘に付してしまうので、そもそも返骨してもらえません。私は、愛犬が亡くなっても片時も離れたくなかったので、最初から最後まで立ち会うことができる「立会火葬:スタンダード」を選びました。このプランを選択すると、火葬前に「お別れのセレモニー」を行っていただけます。祭壇が用意され、そこには遺影も飾られ、最後の時間を過ごすことができます。また、火葬後は、「お骨上げ(遺骨を拾い、骨壺に収める儀式)」もさせてもらえます。ペット葬と言うなかれ、それはさながら人間のお葬式のようでした。さらには、オプションで分骨カプセル(亡くなったペットといつも一緒にいられるようにカプセルに指の骨など小さな骨を入れてくれるサービス)もつけられます(もちろん、私はこのオプションを付けました)。今回私が選んだ「立会火葬」のプランは、他のプランに比べて費用はかかりますが、細部に至るまで心憎い演出がちりばめられており、飼い主にとっては、「最後まで看取ってあげることができて良かった」と悲しみの中でも少しの充実感を得ることができるサービスになっていると思います。ちなみに、「立会火葬:プレミアム」は、1年間納骨堂を無料で利用できるというサービスがプラスされているのですが、私の場合、遺骨は自宅に持ち帰ってそばに置いておきたかったので、このサービスは全く必要なかったのでスタンダードにしました。

私が利用した葬儀屋さんは上記の4つのプランのみでしたが、他では、「訪問火葬」といって、火葬炉を搭載した特殊車両が自宅前(もしくは自宅周辺)に来てくれて火葬をしてくれるので、近くに火葬場がない人や仕事や家の事情で身動きが取れない人には人気のサービスになっているそうです。

昔は、ペットが亡くなると、自治体にもよると思いますが、焼却場に運んで焼いてもらうというのが一般的だったようです。しかし、これは「火葬」というより「処分」という扱いになってしまうため、ペットも家族の一員と考える人(私もその一人)が増えている昨今は、「もっとちゃんと見送ってあげたい」というニーズが高まり、そうした飼い主の想いを反映して「ペット葬儀」というサービスが生まれ、その市場は、2010年以降、急激に拡大しているそうです。

葬儀の費用に関しては、火葬だけなら1万円程度から、立ち会う形であれば数万円というのが相場になっています。この高過ぎず安過ぎない微妙な塩梅の金額設定がペット葬に対するハードルを下げ、結果、多くの飼い主がペット葬を利用するようになったと言えます。さらに、ペット葬そのものの費用のほか、前述した分骨カプセルのような遺骨を入れたアクセサリーやペット用の仏壇(我が家ではさすがに仏壇は購入しませんでしたが)を購入する人も増え、最近では、ペットのお葬式だけでは満たされず、「ペットと同じお墓で眠りたい」と、ペットと一緒に入れるお墓を購入する飼い主も現れ始めていることから、今後もペット葬関連マーケットは、時代の変化をとらえながら、ますます成長していくことは容易に想像できます。

今回、私がお世話になった業者は動物病院の先生の紹介ということもあり、サービスも良く、料金も相場並みでしたが、現在、ペット葬に関する法律や規制が整備されていないため、法外な料金を請求する悪徳業者もいるようなので、飼い主とペットが安心して葬儀が行えるように必要な法律や規制は早々に整備してもらいたいと思っています。