レポート

2018年5月-Vol.264

まとめ

今月のポイント

今月16日に1‐3月期のGDP(1次速報)が発表されます。主要シンクタンクの予想は、若干のプラス成長と若干のマイナス成長とに見方が分かれていますが、均すとゼロ成長程度と横這いの推移が見込まれています。設備投資は引き続き増加が見込まれる一方で、住宅投資の減少が続くことに加え、生鮮野菜の高騰や大雪等の天候不順が個人消費を下押ししたことなどが影響しました。また、同期間の米国の実質GDP成長率も前期から伸びが鈍化するなど、堅調なグローバル景気もやや足踏みしたとみられ、外需の寄与度もほぼゼロの見込みです。一時的な成長率の伸び悩みで、このまま景気後退に向かうという見方は殆どないものの、9四半期ぶりにマイナス成長になる可能性もあり、結果が注目されます。

市場動向
国内債券 日銀の金融政策により金利低下圧力が掛かるものの、0%程度の水準では投資家の需要が見込みづらく、0%程度からやや高止まりしやすいと予想する。
国内株式 世界景気の回復を背景に、今年度も堅調な企業業績が続くだろう。バリュエーション面での割安感や海外株式市場と比較した出遅れ感などから緩やかな上昇を予想する。
外国債券 <米国>米国の景気回復やFRB(連邦準備理事会)による利上げ観測の一方、中間選挙を控える中でのトランプ大統領の発言等への懸念から横這い圏での推移を予想する。
<欧州>ユーロ圏経済は、緩やかに回復している一方、ECB(欧州中央銀行)による慎重な金融政策正常化の取組みから、横這い圏での推移を予想する。
外国株式 <米国>米中の貿易等を巡る不透明感は懸念材料として残る中、好調な1-3月期の企業業績発表が評価される。一方、バリュエーションの拡大は期待しづらく、企業業績の伸びに沿った上昇を予想する。
<欧州>緩やかな景気回復が続くとの見通しで企業業績の伸びは継続するものの、伸び率は徐々に下方修正されている。また、英国の欧州連合離脱、米中の貿易を巡る不透明感などもあり米国市場をアンダーパフォームすると予想する。
為替市場 米金利の上昇要因がドルの上昇を支える一方、トランプ政権の通商政策はドル安の要因と考えられるため、ドルは対円で横這いで推移するだろう。経済指標が悪化するなど、ユーロ高の影響は大きく、ECBによる金融政策の正常化は慎重に進められると見込むため、ユーロは対ドルで横這いでの推移を予想する。
虫眼鏡

『タイリングと数理的法則のつながり』

ポイント

今月16日に1‐3月期のGDP(1次速報)が発表されます。主要シンクタンクの予想は、若干のプラス成長と若干のマイナス成長とに見方が分かれていますが、均すとゼロ成長程度と横這いの推移が見込まれています。設備投資は引き続き増加が見込まれる一方で、住宅投資の減少が続くことに加え、生鮮野菜の高騰や大雪等の天候不順が個人消費を下押ししたことなどが影響しました。また、同期間の米国の実質GDP成長率も前期から伸びが鈍化するなど、堅調なグローバル景気もやや足踏みしたとみられ、外需の寄与度もほぼゼロの見込みです。一時的な成長率の伸び悩みで、このまま景気後退に向かうという見方は殆どないものの、9四半期ぶりにマイナス成長になる可能性もあり、結果が注目されます。

今月の主なポイント
5/12 (米)イランに対する制裁再開の判断期限・・・制裁再開を回避できるか
5/16 1‐3月期GDP(1次速報)・・・上記参照
5月中 北朝鮮の非核化に向けた協議の行方・・・不可逆的な廃棄等で合意できるか
5月中 (米)保護的な通商政策の行方・・・中国との協議が進展するかどうか
FFレート先物

出所:内閣府資料をもとに富国生命投資顧問作成

国内債券

指標銘柄/新発10年国債
4月の国内債券市場

4月の債券市場は概ね横這いとなった。10年国債利回りは、月初、米中貿易摩擦への懸念から低下基調となった後、20年国債入札の低調な結果や米国長期金利の上昇から0.07%まで上昇する局面があったものの、月末にかけては米国長期金利の上昇が一服したことを受け小幅に低下し、0.05%で終了した。

10年国債利回りは、月初、米中貿易摩擦への懸念から海外市場でリスク回避姿勢が強まり、一時は0.02%台にまで低下した。その後、日銀の国債買入れ減額観測が後退する中、国債買入れオペが需給を下支えし、中旬まで0.03%を中心とする狭いレンジで推移した。下旬以降は、投資家の高値警戒感が強まる中、20年国債入札が弱めの結果となったことを受け超長期を中心にポジションを調整する動きが進んだことや、米国を中心に海外長期金利の上昇を背景に、一時0.07%まで上昇した。月末にかけては、米国の金利上昇が一服したことや月末のポジション調整から小幅低下し、0.05%で終了した。

イールドカーブは、先物ゾーン(7年)の金利上昇幅が大きくなる展開となった。

信用スプレッドは、概ね横這いで推移した。

5月の国内債券市場

5月の債券市場は、日銀によるイールドカーブ・コントロール政策から金利低下圧力がかかるものの、0%程度の水準では投資家の需要が見込みにくいことから、日銀の目標とする0%程度からやや高止まりしやすい展開を予想する。

5月の債券市場のポイントは、①国内の政治動向、②米国の金融政策と金利動向、③日銀の国債買入れ額、と考える。

①<国内の政治動向>国有地取引に関する決裁文書改ざん問題などを受けて、安倍政権に対する支持率が低下傾向にある。今後も支持率が低下基調で推移すれば、安倍政権に対する求心力が弱まり、アベノミクスの継続に対する懸念が高まるため、その動向には注意は必要だ。

②<米国の金融政策と金利動向>3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で年内4回の政策金利引き上げを予想する参加者数が増えたことを受けて、今後も利上げペースが加速するとの観測は高まりやすい。イラン情勢への懸念から原油価格が上昇基調にあることも、金利上昇につながりやすい。今後の経済指標の内容次第では金利に上昇圧力がかかり、金融市場のボラティリティが高まる展開には警戒が必要だ。

③<日銀の国債買入れ額>18年度は国債発行額が減額されるため、日銀の国債買入れ額も減少するとの見方があるものの、円高警戒感から現状、減額観測は後退している。但し、金融市場が落ち着きを取り戻せば、国債買入れ減額観測も高まりやすく、金利上昇要因となるだろう。

イールドカーブは、利回りに対する投資家の需要から、超長期ゾーンを中心にフラット化圧力がかかりやすい展開を予想する。

信用スプレッドは、概ね横這いで推移すると予想する。

国内株式

日経平均株価225種東証株価指数(TOPIX)
4月の国内株式市場

4月の株式市場は、米中貿易摩擦への懸念や地政学的リスクが後退したこと、円高が一服したことなどが好感され、日経平均株価で4.72%の上昇となった。

月前半は、米中貿易摩擦の激化懸念やシリア情勢の緊迫化などを背景に様子見姿勢が続いた。中旬以降は、中国の習国家主席が関税の引き下げによる輸入促進などに言及したことなどをきっかけに、貿易問題が一旦は収束に向かうとの見方が広がったほか、北朝鮮問題の緩和などから地政学的リスクが後退したことや円高の一服などが好感され、戻りを試す展開となった。

業種別には、電気・ガス、保険、石油・石炭などが上昇する一方、サービス、医薬品が下落した。

5月の国内株式市場

グローバルな景気の回復を背景に、今年度も堅調な企業業績が続くと見ている。国内の政局不安や米中貿易摩擦の影響は現状では限定的と思われることや、1月後半からの株価の調整により、バリュエーション面での割安感や海外株式市場と比較した出遅れ感も依然としてあり、緩やかな上昇を予想する。

3月調査の日銀短観において、企業の景況感を示すDI(業況判断指数)は良好な状況が続いていることが示された。また、IMF(国際通貨基金)が4月に公表した2018年、2019年の世界経済見通しは大幅に上方修正された1月の改定値が据え置かれるなど、グローバルな景気の回復は今後も続くと見ており、引き続き堅調な企業業績の下支えとなろう。

3月本決算の企業の決算発表が本格的に始まっている。現状での今年度の業績ガイダンスは、情報サービス、運輸など内需関連が総じて増収増益であるものの、電機、機械など輸出関連については、減益の見通しを発表する企業も散見される。期初は会社側が保守的な見通しを示す傾向があることなどから、株価がネガティブに反応するガイダンスリスクが警戒されているものの、1月後半からの株価の下落により事前に織り込まれていた可能性も高く、市場全体への影響は限定的なものになると見ている。足元の為替水準が、概ね105円程度の会社前提に比べて円安となっていることも追い風となろう。

リスク要因としては、米国の長期金利の急激な上昇によるグローバル景気への影響や、不動産投資の抑制策等による中国経済の想定を上回る成長率の鈍化などを考えている。また、国内政局については現政権の基盤が大きく揺らぐ可能性は低いと見ているものの、安倍内閣の支持率の大幅な低下が今後も続くようであれば、金融政策への影響も想定されるなど市場への影響は小さくないと見ている。

外国債券

米10年国債ドイツ10年国債
4月の米国債券市場

4月の米国の長期金利は上昇した。中国による自動車などの関税引き下げ方針発表等で米中貿易摩擦の懸念が和らぎ、月半ばに2.8%台が定着した後、北朝鮮と米国の首脳会談準備に向けた動きもありもう一段上昇し、一時3%を超えた。

イールドカーブは、貿易・地政学面での緊張がやや弱まる中でリスクを取る動きと6月利上げを予想する市場参加者の増加が同時進行し、中期ゾーンを中心にベアスティープ化した。

4月の欧州債券市場

4月の欧州(ドイツ)の長期金利は上昇した。主として月の後半に米金利に追随して上昇した後、26日のECB(欧州中央銀行)理事会後にドラギ総裁が今回はフォワードガイダンス変更を議論しなかったと発言しやや反落、0.5%台半ばで月末を迎えた。

周辺国国債とドイツ国債のスプレッドはまちまちとなった。スペインは概ね横這いで推移したが、イタリアは5つ星運動と中道左派(民主党)による連立政権樹立に多少の希望が見えたこともあり、縮小した。

5月の米国債券市場

5月の米国の長期金利は横這いを予想する。米国の景気は回復を維持し、物価の上昇期待も高まっている。3月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨では、参加者がインフレの拡大を予想し、パウエル議長も金利を上げる必要があるとの認識を示している。一方、中間選挙を控える中でのトランプ大統領の発言や米中貿易摩擦への懸念はリスク回避要因となり、金利上昇を抑制するだろう。このため、米金利は横這い圏での推移を予想する。原油価格が一段と上昇し、金利のボラティリティが高まる展開も想定される。

5月の欧州債券市場

5月の欧州(ドイツ)の長期金利は横這いを予想する。ユーロ圏経済は、緩やかに回復している。一方、ECBは貿易摩擦、ユーロ高の影響を懸念している。今後も、ECBが政策正常化に取り組むだろうが、市場とのコミュニケーションは慎重に進められるだろう。よって、横這い圏での推移を想定する。米金利、原油価格の動向によっては、ボラティリティが高まる展開もあるだろう。

外国株式

米国S&P500指数ダウ工業株30種平均ドイツDAX指数イギリスFT-SE(100種)指数香港ハンセン指数
4月の米国株式市場

4月の米国株式市場は、S&P500指数で0.3%の上昇となった。米国の保護主義的な貿易政策に対する不透明感が継続する中、中国の習国家主席の市場開放を進めるとの発言が好感されて反発した。その後は、エネルギー価格が上昇する中、1-3月期の企業決算が本格化し、スマートフォンの減速やコスト上昇が懸念され、上値の重い一進一退の揉み合いとなった。

4月の欧州株式市場

4月の欧州株式市場は、米中貿易摩擦、シリア情勢の緊迫化に伴う米ロ関係の悪化、予想を下回る域内経済指標などが懸念されたものの、米国市場の反発やユーロ安が好感され米国市場をアウトパフォームした。国別では、イタリア、イギリス、フランスが買われ、一方、ベルギー、デンマークが売られた。セクターでは、エネルギー、電気通信サービス、一般消費財・サービスを中心に、全セクターが買われた。

4月の香港株式市場

4月の香港株式市場は、2.4%の上昇となった。米中間の貿易摩擦が懸念され下落したが、習国家主席による自動車・金融市場の開放策の発表で反発した。その後、シリア情勢の緊迫化や米国による中国の情報技術企業への制裁などが懸念されたものの、中国の預金準備率の引き下げなどが好感され、反発した。

5月の米国株式市場

5月の米国株式市場は、米中の貿易等を巡る不透明感は、懸念材料として残るものの、好調な1-3月期の企業業績発表が評価されようが、一方でバリュエーションの拡大は期待しづらく、企業業績の伸びに沿った上昇となろう。

5月の欧州株式市場

5月の欧州株式市場は、緩やかな景気回復が続くとの見通しで企業業績の伸びは継続するが、伸び率自体は徐々に下方修正されていること、また、英国の欧州連合離脱、米中の貿易を巡る不透明感などから米国市場をアンダーパフォームすると予想する。

5月の香港株式市場

5月の香港株式市場は、製造業PMIの低下や工業企業利益の下振れなど、中国本土の主要経済指標の減速感が懸念され、貿易摩擦を巡る不透明感も継続するものの、足元発表の企業決算は総じて好調を維持しており、米国並みの上昇を予想する。

為替動向

為替(ドル/円)為替(ドル/ユーロ)為替(ユーロ/円)
4月のドル/円相場

4月のドル/円相場は、円安ドル高となった。米中貿易摩擦や朝鮮半島などの地政学的リスクに対する懸念が後退し、リスクオンの流れになったことや、米長期金利の上昇により日米金利差が拡大したことからドルが買われ、109円台となった。

4月のユーロ/ドル相場

4月のユーロ/ドル相場は、ユーロ安ドル高となった。前半はECB(欧州中央銀行)の金融政策正常化期待もあり、ユーロは堅調に推移したが、地政学的リスクの後退や米長期金利上昇、ECB理事会後のドラギ総裁の発言などによりユーロ安ドル高が進み、1.21ドルを割れた。

4月のユーロ/円相場

4月のユーロ/円相場は、ユーロ高円安となった。リスクオンの流れからドルが買われたが、円に対してよりユーロが買われたため、133円台半ばまで上昇した。その後ECB理事会後のドラギ総裁の発言を受けてユーロが売られたため、132円近辺となった。

5月のドル/円相場

5月のドル/円相場は、横這いを予想する。景気は回復基調にあり、米金利の上昇がドルの上昇を支えるだろう。一方、トランプ政権の通商政策はドル安の要因と考えられる。中間選挙を控え、トランプ大統領が中国などへの強硬姿勢を示す場合には、リスク回避からドルが下落しやすい。よって、横這い圏での推移を想定する。

5月のユーロ/ドル相場

5月のユーロ/ドル相場は、横這いを予想する。6月のECB理事会でのフォワードガイダンス修正が視野に入ってくる。一方、ドイツの経済指標の悪化など、ユーロ高の影響は大きく、正常化は従来に増して慎重に進められるだろう。よって、横這い圏での推移を予想する。

5月のユーロ/円相場

5月のユーロ/円相場は、横這いを予想する。ドル/円は横這い、ユーロ/ドルも横這いを予想するため、ユーロ/円は横這いとなるだろう。

虫眼鏡

「タイリングと数理的法則のつながり」

今回の虫眼鏡では、だまし絵について少しお話させていただきます。だまし絵と言っても普通の人はピーンとこないかもしれませんね。まず、次元の話をしましょう。1次元は点、2次元は平面、3次元は空間、4次元は時空間などと一般的に言われたりします。今回は2次元と3次元の間のお話をします。と言っても初音ミクのお話をするわけではありません。先ほど言った通り、テーマは「だまし絵」です。

だまし絵と言いますと、オランダの版画家エッシャー(1808-1972)は、(1)絵や図を隙間なく埋め立て平面を作ること(以下、タイリングと言う。)や、(2)ありえない立体の絵(絵で描くことはできるが、現実には作ることができない立体)などをテーマとした作品を多く残してきました。これらは面白いことに一般的には芸術作品として世間とはかけ離れている印象があると思われがちですが、実は数理的な考え方と密接に関連している部分があることが知られています。

1938年エッシャーは、家族と一緒にベルギーのブルックリンに家を借りました。その家のトイレの壁には、緑、黄、赤、茶のペンキのブラシをこすったようなタッチで、不規則な渦巻きがたくさん描かれました。エッシャーはこのトイレに入るとなんと鉛筆で壁の模様に線を書き始めました。数か月後にはトイレの壁にたくさんの顔の絵が浮かび上がりました。息子のジョージは数日ごとに出てくる顔の絵をトイレに入るたびに一つ一つ眺め新しい顔ができるのをチェックしていたそうです。きっとエッシャーは、このようにランダムな模様から意味のある形を浮かびあげることが得意だったのでしょう。これを活かしてタイルに命を吹き込んだのでしょう。

今回は(1)タイリングについて話してみようと思います。タイルと言えば、歩道に使われていることをよく目にすると思います。今では、鳥や魚などと言った動物の絵や特徴的な絵柄のタイルを敷き詰めた歩道などもよく見ます。このようなタイリングはどのようにできているのでしょうか?すごいのはタイルが平面として隙間なく並べられているところであり、絵柄のタイルなどはこんなに難しい形の絵をどうやってつなげているのだろうと疑問に思います。今回はこちらの仕組みを少し解き明かしていきたいと思います。

それでは、実際にタイルの並べ方を考えてみましょう。単純に考えられるのは正方形の平面のタイルを縦横に平行に繰り返し並べたものです。また、絵柄などの入ったタイルなら180°回転させて鏡合わせのような模様のタイルを組み合わせるなども考えられるでしょう。これらの特徴は、全てが四角形であるので当然隙間がなくタイリングすることができますし、私もタイリングをしようと計画したら四角形のタイルを用意しようとするのが普通ではないかと思います。

では、あの魚の絵や鳥の絵はどうやって作られるのか?四角形以外の形についても考えていきましょう。基本の形を四角形と覚えていると想像しやすいかと思います。四角形のタイルの一辺を曲線とします。(これを凸と呼びます。)一方、対辺には凸と逆の形をした曲線を作ります。(凹と呼びます。)この凸と凹を一つの組み合わせとして考えるのです。そうすると、タイルを縦に並べた時に凸と凹がくっつき隙間なく並べて横幅1タイル分の道を作ることができるというわけです。ではさらに応用しましょう。隣の対辺にも同じように自由に凸と凹を作りこれも組み合わせとします。このように凸凹の対辺同士を組み合わせるとどうでしょう。もはや、四角形ではありません。魚や鳥と言った特殊な形をした隙間のない平面を作ることができます。このように何かの芸術的なタイル張りを見てもどうやって作るのかなんて想像つきませんが、このような法則を知って入れば、芸術作品が法則をとり入れて作られていることが分かります。(専門的な法則名称がありますが、詳細については省略させていただきます。)

今回、ご紹介したのはタイリングの基本的な考え方です。タイルを四角形でなく多面体を取り入れたり、一つのタイルではなく複数のタイルに一つの絵を描いたりするなど応用することも可能です。みなさんは普段どのようなタイルを目にしますか?今回お話しした法則を頭に入れながらタイルを眺めて街を歩くのも面白いかもしれませんね。