レポート

2015年4月-Vol.227

まとめ

今月のポイント

15日に中国の1‐3月期GDPが発表されます。3月に開かれた全国人民代表大会では、2015年の成長率目標を7%前後と昨年の7.5%前後から引き下げ、1999年以来の低い水準としました。中国では、習近平総書記が使い始めた「新常態(ニューノーマル)」という言葉をキーワードとして、成長の速度よりも成長の質と効率性を重視する経済への転換を図っています。但し、一定の景気減速は容認する姿勢を示しているものの、景気の下振れに対しては財政・金融政策などを通じて下支えするとみられ、今後の政策対応が注目されます。

市場動向
国内債券 超長期ゾーンの国債発行増額と日銀国債買入れにより、レンジ内で推移すると予想する。
国内株式 国内景気回復や企業業績の拡大に加え、企業の株主還元強化や資本効率重視の動きへの期待は根強く、堅調な展開を予想する。
外国債券 <米国>今年半ば以降の利上げ見通しから金利は上昇すると見込むが、相対的に金利水準の高い米国債に対する買い需要が強く、限定的な上昇となろう。
<欧州>ECB(欧州中央銀行)の国債買入れが開始されたことで金利に低下圧力が掛かるが、既に低い水準にあるため小幅な低下にとどまるだろう。
外国株式 <米国>1-3月期の企業業績発表、主要な経済指標、原油価格動向などを材料に一進一退で横這いの推移を予想する。
<欧州>量的金融緩和継続を背景に進行するユーロ安などで企業業績改善期待が強まっているが、高値警戒感もあり、米国同様一進一退となるだろう。
為替市場 日米金融政策の方向性の違いで円安ドル高基調は継続するが、過度な動きに対する牽制の動きも出やすく、緩やかな円安となろう。ECBの国債買入れや、ギリシャ支援を巡る交渉の不透明感から、ユーロに売り圧力が掛かるだろう。
虫眼鏡

『コーヒー』

ポイント

15日に中国の1‐3月期GDPが発表されます。3月に開かれた全国人民代表大会では、2015年の成長率目標を7%前後と昨年の7.5%前後から引き下げ、1999年以来の低い水準としました。中国では、習近平総書記が使い始めた「新常態(ニューノーマル)」という言葉をキーワードとして、成長の速度よりも成長の質と効率性を重視する経済への転換を図っています。但し、一定の景気減速は容認する姿勢を示しているものの、景気の下振れに対しては財政・金融政策などを通じて下支えするとみられ、今後の政策対応が注目されます。

今月の主なポイント
4/15 (中)1-3月期GDP・・・上記参照
4/28 (米)FOMC(連邦公開市場委員会)・29日まで・・・声明に注目
4/30 日銀金融政策決定会合・・・現状維持か
展望レポート・・・消費者物価に対する見通しに変化がみられるか
消費者物価指数

国内債券

指標銘柄/新発10年国債
3月の国内債券市場

3月の債券市場は、下落(金利は上昇)した。10年国債利回りは、低調な10年債入札を受けて0.4%台前半まで上昇した後、予想を上回る米国雇用統計や20年債入札への警戒感から一時0.4%台半ばまで一段と上昇したが、20年債入札の結果が順調であったことや米国FOMCの結果を受けて0.3%台前半まで低下した。月末にかけては、年度末のポジション調整から金利上昇となり0.39%で終了した。

10年国債利回りは、月初、10年国債入札が低調な結果となり、0.4%台前半まで急上昇したものの、30年国債入札が無難な結果であったため、いったんは0.4%近辺での動きとなった。その後、予想を上回る米国雇用統計を受け米国長期金利が上昇したことや、20年国債入札への警戒感から再度上昇基調となり、0.4%台半ばまで上昇した。

しかし、懸念されていた20年国債入札は順調な結果となったため、0.3%台後半まで低下し、その後もFOMC(連邦公開市場委員会)の結果を受けて低下基調が続き、0.3%台半ばまで低下した。

月末にかけては、新年度入りを前にポジション調整や10年入札への警戒感から金利は上昇し0.39%で終了した。

イールドカーブは、長期ゾーンまでは金利が上昇し、超長期ゾーンは低下し、ツイストフラットした。

信用スプレッドは、概ね横這いで推移した。

4月の国内債券市場

日本経済の回復は緩やかなペースとなっており、金利上昇圧力は緩やかになる見込みだ。一方で、ECB(欧州中央銀行)による量的金融緩和策の影響から世界的に金利低下圧力がかかることや、日銀の国債買入策から金利はレンジ内で推移すると予想する。ただし、1月下旬以降、国債入札と日銀の国債買入れを巡る思惑により金利が乱高下しており、注意が必要だ。

4月の債券市場のポイントは、①日銀の国債買入策の影響、②国債入札、③年度初めの投資家動向と考える。

①(日銀の国債買入策の影響)日銀の国債買入策により金利には低下圧力がかかりやすいものの、流動性が低下しており、ボラティリティの高まりには注意が必要だ。

②(国債入札)今月から30年債と40年債の発行額が増額されることから、市場参加者の入札への見方次第では、金利が乱高下する可能性が高いため注目が集まりそうだ。

③(年度初めの投資家動向)金利水準が低位で推移する中、期初の投資家動向次第では金利が一方向に動く可能性もあるため、注意が必要だ。

イールドカーブは、超長期ゾーンの国債発行が増額されるが、日銀の国債買入れの影響もあり、投資家の思惑からスティープ化とフラット化を繰り返す展開を予想する。

信用スプレッドは、概ね横這いで推移すると予想する。

国内株式

日経平均株価225種東証株価指数(TOPIX)
3月の国内株式市場

3月の株式市場は、日経平均株価で2.18%の上昇となり、15年振りに19,000円台を回復した。前半は、国内の景気回復や企業業績の拡大を背景とした先高期待が強い中、大手企業の賃上げの動きや企業の株主還元策の発表などが好感され、外国人投資家を中心に買いが活発となり上昇基調が続いた。月末にかけては、これまでの相場の上昇が急ピッチであったことや実質的に新年度相場入りしたこと、米国株式市場の調整などを受け、利益確定の売りが優勢となり上値の重い動きとなった。

業種別には、その他製品、医薬品、サービスなどが上昇する一方で、鉱業、鉄鋼、パルプ・紙などが下落した。

4月の国内株式市場

国内景気回復や企業業績の拡大に加え、企業の株主還元強化や資本効率重視の動きへの期待は根強く4月の株式市場は、堅調な展開を予想する。一方、これまでの急ピッチな上昇に対する警戒感や、2015年度会社計画が保守的なものとなる可能性があること、海外企業業績への懸念などから、一時的に調整色が強まる局面もあろう。

マクロ面では、自動車メーカーなど大手企業が相次いで賃上げに動く見通しであり、所得増加による個人消費の改善などを受けた回復が期待される。2015年度の企業業績については円安の寄与もあり2桁の増益が見込まれるなど、海外市場と比較して相対的に利益成長率が高い見通しであり、バリュエーション面でも割高感は乏しい。また豊富な手元資金を活用した自社株買いや増配の動きのほか、ROEを経営目標に掲げるなど資本効率重視の姿勢も目立っており、こうした日本企業の変革に対する期待も引き続き強いものとなるだろう。ただし、決算発表で期初の会社計画が市場のコンセンサスを下回り、保守的なものとなる可能性がある点には注意したい。

一方、ドル高や原油安などを背景に米国の企業業績の伸びは鈍化しており、足元では景気の先行きに対する不透明感も強まっている。米国株式市場の足踏みが長引くことや、ドル高円安シナリオの前提が揺らぐ局面では、国内株式市場も一時的に調整色が強まることを想定しておきたい。また、中東情勢の緊迫化への懸念など地政学的リスクにも注意が必要と思われる。

外国債券

米10年国債ドイツ10年国債
3月の米国債券市場

3月の米国の長期金利は低下した。10年金利は月初2%台に上昇して始まった。その後は週末の雇用統計を控えてもみあいとなったが、発表された2月の雇用統計で雇用者数が市場予想以上に増加したため、2.2%台半ばまで上昇した。しかし、翌週の9日からECB(欧州中央銀行)の国債買入れを含む量的緩和が開始され欧州金利が低下したため、米国長期金利も2.1%台まで低下した。その後は2%から2.1%の間の狭いレンジでの推移となったが、18日のFOMC(連邦公開市場委員会)で経済予測と政策金利見通しが下方修正されたため、長期金利は2%を割れ、1.9%台前半まで低下した。下旬から月末にかけては、5年・7年の国債入札がやや不調だったことや、米国景気の緩やかな回復見通しに変化がないこともあり1.9%台後半まで上昇したが、月末にかけては再び買われ、1.9%台前半で引けた。

3月の欧州債券市場

3月の欧州(ドイツ)の長期金利は低下した。ドイツ10年国債利回りは月初、米国長期金利につれて0.3%台後半まで上昇したが、9日にECBの国債買入れを含む量的緩和が開始されると0.2%台まで低下し、その後も0.2%台で推移した。18日のFOMC後に米国長期金利が低下するとドイツ長期金利も低下し0.2%を割れた。下旬にかけては米国の長期金利が上昇したため0.2%台に戻したが、月末にかけては再び買われ結局0.2%を割れて引けた。ギリシャ支援を巡る思惑もあったため、ドイツ長期金利は周辺国の金利に比較して低下幅が大きくなり、ドイツと周辺国とのスプレッドは拡大した。

4月の米国債券市場

4月の米国の長期金利は、は緩やかな上昇を予想する。米国経済は回復基調を継続しているものの、足元はドル高の影響が懸念されるなどそのペースがやや緩やかになccっている。3月のFOMCでは、経済成長や政策金利の見通しが下方修正された一方、市場の焦点となっている利上げの開始時期については経済指標次第とされた。引き続き労働市場の改善度合いに加え、原油安やドル高が景気や物価に与える影響を注視する必要があるだろう。今年半ば以降の利上げ開始見通しに変わりはないことから、金利は徐々に上昇する展開を見込むが、ECBの国債買入れ開始に伴ってユーロ圏の長期金利が全般的に低位に抑えられていることから、米国債に対する買い需要は強く、上昇幅は抑制されるだろう。

4月の欧州債券市場

4月の欧州(ドイツ)の長期金利は、小幅低下を予想する。ユーロ圏経済は堅調なドイツに支えられて回復に向かっているが、域内の回復度合いに差があることから、今後もペースは緩慢なものとなるだろう。ECBは2%のインフレ目標の達成に向け、域内中銀と共同で毎月600億ユーロの国債等の資産買入れを開始した。当面は買入れが順調に進捗するかどうか、およびその効果が注目点になるが、状況次第では追加緩和策への思惑も出ることから、ドイツ長期金利は低位に抑制されると見込む。ただし、既に低い水準にあるため、現状からの低下幅は限定的になるだろう。

外国株式

米国S&P500指数ダウ工業株30種平均ドイツDAX指数イギリスFT-SE(100種)指数香港ハンセン指数
3月の米国株式市場

3月の米国株式市場は、S&P指数で1.74%下落した。月初の予想を上回る雇用統計で、予想よりも早期の利上げ観測が強まり売り込まれる局面もあったが、欧州の量的緩和開始による欧州市場の上昇や、中旬に開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での声明を受けて利上げ観測の後退から反発した。しかし、冴えない景気指標や翌月からスタートの1-3月期の業績発表を控えて高値警戒感もあり、再び下落した。セクターでは、ヘルスケアを除く全セクターが下落、一般消費財・サービスや金融はアウトパフォームしたものの、素材、電気通信サービス、情報技術などがアンダーパフォームした。

3月の欧州株式市場

3月の欧州株式市場は、量的緩和開始でユーロ安が進展する中、企業業績改善への期待が強まってドイツ市場中心に史上最高値を更新するなど、月中を通じて米国市場をアウトパフォームする展開となった。国別では、デンマーク、ドイツ、スペインなどが買われ、一方、5月の選挙を巡る不透明感が台頭したイギリスのほか、アイルランド、スウェーデンなどが売られた。セクターでは、ヘルスケア、金融、情報技術、一般消費財・サービスなどが買われ、エネルギー、公益、素材などが売られた。

3月の香港株式市場

3月の香港株式市場は、0.31%の上昇となった。中国の全人代で2015年のGDP成長率目標が下方修正され、利益確定売りに押されたものの、中国本土市場のIPO認可が減少するなど需給改善が好感される中、中国人民銀行による追加金融緩和期待や不動産規制緩和、地方政府による地方債1兆元の発行認可による金融不安の後退などが好感され反発した。

4月の米国株式市場

4月の米国株式市場は、主要な経済指標動向によって振れる政策金利の引き上げタイミングを巡る投資家センチメントのほか、1-3月期の業績発表、原油価格動向などを材料に高値圏の一進一退でレンジ内の動きを予想する。

4月の欧州株式市場

4月の欧州株式市場は、量的緩和を背景に企業業績改善期待は継続するものの、高値警戒感もあり、米国同様に一進一退の展開を予想する。

4月の香港株式市場

4月の香港株式市場は、中国の景気減速懸念や高値警戒感などにより上値は重く欧米同様に一進一退の動きを予想する。3月末発表の中国の不動産規制緩和や、「一帯一路」計画の発表によるインフラ関連事業などへの期待感が、市場の下支え要因となろう。

為替動向

為替(ドル/円)為替(ユーロ/円)
3月のドル/円相場

3月のドル/円相場は、やや円安となった。ドル円は月初120円台前後で推移していたが、6日に発表された米国雇用統計が市場予想よりも良かったため、FRB(連邦準備理事会)による利上げ前倒し観測から121円台まで上昇した。更にドル高の動きが強まり、昨年来高値を上抜けて一時122円台を付けた。しかし、米国側からドル高けん制発言が出たことで120円台後半まで下落し、その後121円台前半を中心とする狭いレンジ内での推移となった。注目された18日のFOMC(連邦公開市場委員会)声明文では、利上げに「忍耐強くなれる」という表現は削除されたものの、政策金利の見通しが下方修正されたことから利上げ観測が後退、ドルが売られて一気に119円台前半まで円高が進行した。その後一旦は121円台に戻す局面も見られたが、米国金利も低下したことからドル安の流れが続いた。月末にサウジアラビアがイエメンで軍事介入に踏み切ると、リスク回避から円を買う動きが強まり一時118円台前半まで下落したが、中国の追加緩和期待からリスク資産が上昇したことで、ドル/円も120円付近に戻して引けた。

3月のユーロ/円相場

3月のユーロ/円相場は、ユーロ安円高となった。月初は134円台で始まったが、ECBによる国債買入れを含めた量的緩和が開始されると、ユーロ/ドルが大幅に下落したため対円でもユーロ安が加速した。更にギリシャ支援を巡る交渉の不透明感も引き続き残ったことから、月央には一時127円台を割れる水準までユーロ安円高が進行した。その水準からは反発して128円台に戻し、ハト派的内容のFOMCで米国利上げ観測が後退するとドル売りの流れとなったが、この局面ではドル/円の下落よりもユーロ/ドルの上昇が勝って131円台まで上昇した。しかしサウジアラビアがイエメンで軍事介入に踏み切り、地政学的リスクが意識されてドル/円が下落すると、ユーロ/円も130円割れとなった。月末にはユーロ/ドルが再び下落基調となったため、128円台後半で引けた。

4月のドル/円相場

4月のドル/円相場は、緩やかな上昇を予想する。3月のFOMCでは、政策金利の見通しが下方修正されたことから、利上げ開始時期の後ずれが意識され、足元ドル高への調整が入っている。しかし今年半ば以降の利上げ開始見通しに変わりはないことから、円安ドル高基調は継続する展開を見込む。ただし、統一地方選挙やTPP交渉を控え、過度な円安進行に対するけん制の動きや、ドル高によって更に米国景気に悪影響が出てくれば円が買われる要因となるリスクには注意が必要となろう。一方、押し目では本邦投資家などからの旺盛なドル買い需要が見込まれ、下値は限定的となるだろう。

4月のユーロ/円相場

4月のユーロ/円相場は、円高を予想する。ECB(欧州中央銀行)の国債買入れは、インフレ目標の達成が見通せるまで継続されるため、利上げ開始が視野に入っている米国との金融政策対比や、米独金利差が意識されることから、引き続きユーロ売りドル高の流れは続くだろう。ギリシャ支援交渉を巡る懸念もユーロに下落圧力をかけるだろう。ユーロ/円相場に関しては、ドル/円は上昇する見通しだが、ユーロ/ドルの下落がドル/円の上昇を上回ると予想することから、ユーロ/円は円高となるだろう。

虫眼鏡

コーヒー

寒さが和らぎ、暖かい日差しが心地よく、テラスでのティータイムが気持ち良い季節となりました。私は、気になる本を一冊持ち、カフェへ向かい時を過ごします。これが私のリラックスタイムです。昨今、カフェには様々な種類の商品があると思うのですが、今回はコーヒーのことについて書きたいと思います。

◎コーヒー豆の種類
現在では世界60数ヵ国で生産されているコーヒー。それぞれの土地の気候、風土にあった栽培法がとられており、生産地によって、形、味、香りなどが微妙に違い、とても個性的です。コーヒーの魅力は、この数多いユニークな風味を楽しめることにもあると思います。代表的なものは以下の様なものです。

・グァテマラ
 グァテマラ産。甘い香り、上品な酸味、芳醇な風味。

・ブルーマウンテン
 ジャマイカ産。全てのコーヒーの良さをあわせ持つと言われ、バランスの良いコーヒー。

・クリスタルマウンテン
 キューバ産。酸味と苦みのバランスがとれた上品な味が人気。最高級品と言われている。

・コロンビア
 コロンビア産。甘い香りとまるい酸味と、まろやかなコク。

・ブラジル・サントス
 ブラジル産。中庸な味、香りが高く適度な酸味と苦味。

・ハワイ・コナ
 ハワイ産。強い酸味と甘い香り。

・モカ イエメン
 エチオピア産。フルーツのような甘酸っぱい香りと、まろやかな酸味とコク。

・キリマンジャロ
 タンザニア産。強い酸味と甘い香りと豊かなコク。

・マンデリン
 インドネシア産。コクのあるやわらかな苦味と、上品な風味。

・ロブスタ
 ベトナム産。強い苦味と特異な香り。

◎コーヒー生産量
次にコーヒー豆の生産量ですが、1位がブラジル。世界の生産量全体のおよそ3割を占めています。そして、意外なことに2位以下には最近アジアの国々の躍進が目立っています。米国農務省の統計結果によると、現在の生産国2位はベトナム、3位がコロンビア、4位がインドネシア、5位がエチオピアです。上位5位の生産国のうち、2つの国がアジア圏です。近年、アジア圏でのコーヒー豆の生産がとても盛んで、全体の生産量の3割近くを担うようになりました。年々その生産量は増えており、南アメリカ大陸やアフリカ大陸の生産の全体に占める割合が逆に減っているほどです。

◎世界の一人当たりコーヒー消費量
では、世界で一番コーヒーを飲んでいる国は一体どこなのでしょう?
カフェのたくさんあるフランス、あるいはエスプレッソ発祥の地イタリア?そんなイメージがあるのではないでしょうか。世界の一人当たりの消費量を見ると、1位はなんとルクセンブルク。1年間に国民一人当たり2,780杯ものコーヒーを飲んでいます。これは、日本やアメリカのおよそ8倍。ルクセンブルグはドイツ、ベルギー、フランスに囲まれた西ヨーロッパの小国ですが、嗜好品に掛かる消費税が低く、周辺諸国からの買い物客が多いことが、この数字に貢献しているようです。2位はフィンランド、3位はデンマークと北欧の国々が続いています。

◎コーヒーの主な成分
・カフェイン
コーヒーの最も特徴的な成分として知られ、眠気冷ましなどの興奮作用、尿の排出を促す利尿作用などの効果が知られています。最近、特にその成分がふたたび注目を集め、世界中の機関で研究されるようになりました。カフェインは、「集中力をアップし、計算能力を高める」「運動能力を向上させる」という研究結果が出ています。また、「自律神経の働きを高める」ので、コーヒーを飲むと体脂肪の燃焼が促進するのではないかと、そのダイエット効果に期待が寄せられています。

・ポリフェノール
コーヒーには、クロロゲン酸などのポリフェノールが豊富に含まれています。コーヒーの褐色や苦味、香りのもととなっています。コーヒー1杯<約140cc>には約280mgのポリフェノールが含まれ、これは赤ワインと同程度、お茶の約2倍にあたります。現在、コーヒーを飲むと、がんや糖尿病、動脈硬化などの予防に有効であるという研究成果が相次いで報告されています。それにはポリフェノールが関係しているのではないかと言われ、とても注目を集めています。

この様に世界中で生産され、一日に何杯も飲まれ、さらに適度な量を摂取することで体にも良いとされる、飲み物は他にはないのではないかと思います。皆様もお気に入りのカフェでお気に入りの一杯を見つけてみてはいかがでしょうか。