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【目次】
今月のポイント
国内債券
国内株式
外国債券
外国株式
為替動向
虫眼鏡

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マーケットレビュー

2011年2月-Vol.177
今月14日に10-12月期GDPが発表されます。7-9月期は前期比年率で+4.5%と、エコカー補助金打ち切りによる駆け込み需要などから高い伸びとなりました。10-12月期はその反動もあり、市場予想では前期比でマイナスとなることが予想されています。しかし、マイナスは一時的とみられ、1-3月期以降は再びプラス成長が見込まれます。鉱工業生産は昨年11月に6ヵ月ぶりに前月比でプラスとなって以降回復基調となっており、消費が上向いてくれば踊り場からの脱却が見えてきそうです。

今月の主なポイントは以下の通りです。
・2/14 10‐12月期GDP・・・上記参照
・2/14 日銀金融政策決定会合 (15日まで)・・・現状維持か
・2/15 中国1月CPI・・・12月を上回る高い伸びとなるか
・2/18 G20財務相・中央銀行総裁会議(19日まで)
     ・・・国際通貨制度の見直しや一次産品市場の投機抑制が主要議題に
・2/28 1月鉱工業生産・・・製造工業生産予測調査では前月比+5.7%と高い伸び

<U>市場概況
1. 国内債券市場

《1月の国内債券市場》
1月の債券市場は、米国景気の回復期待や内外株式市場が上昇したことから下落した後、入札が順調となり、下旬はレンジ内で推移した。10年国債利回りは、月間で0.09%上昇(債券価格は下落)した。
上旬から中旬にかけては、米国景気の回復期待や内外株式市場が堅調に推移したことから、1.2%台半ばまで上昇した。その後、20年国債入札が順調だったことから反転低下した後、下旬には、米系格付会社による日本国債の格下げを受けて一時的に金利上昇圧力が掛かる局面があったものの影響は限定的となり、1.2%台前半を中心としたレンジ内で推移した。
イールドカーブは、短期ゾーンの金利上昇幅が限定的となるなか、年限の長いゾーンの金利上昇幅が相対的に大きくなり、ベア・スティープ化した。
信用スプレッドは概ね横這いで推移した。起債市場では、低格付債を含め新発債が概ね順調に消化された。

《2月の国内債券市場》
2月の債券市場は、景気回復は緩やかなものになる見込みであることや良好な需給環境が金利低下要因となるものの、期末に向けた金融機関のポジション調整や海外金利の影響を受けて、レンジ内で方向感なく推移すると予想する。10年国債利回りは1.2%を挟んだレンジ内で推移しよう。2月の債券市場のポイントは、@内外のファンダメンタルズ動向、A需給動向、B海外金融市場の動向と考える。
@(内外のファンダメンタルズ動向)は、国内景気の回復は緩やかになる見込みであることやデフレ圧力が継続することが金利低下要因になると考える。一方で、米国では景気回復期待が高まっていることから金利上昇圧力が掛かり易いだろう。引き続き、米国雇用統計が注目すべきポイントと考える。
A(需給動向)は、投資家の資金余剰は継続するものの、期末に向けたポジションの調整から一時的に金利が上昇する局面もあるだろう。財政の先行き懸念も金利上昇要因として注意しておく必要がある。
B(海外金融市場の動向)では、欧州でインフレに対する警戒感が高まっていることや米国では量的緩和策の先行きに対する思惑から、海外金利は変動が大きくなる局面があると考える。
イールドカーブは、各国の金融政策や金融市場の動向を受けてスティープ化とフラット化を繰り返すと予想するが、金融緩和継続で中期ゾーンまでの金利が低下し、ややスティープ化圧力が掛かると予想する。
信用スプレッドは、スプレッドが縮小したことに対する警戒感はあるものの、投資家の一般債投資需要が継続する可能性が高いことから、概ね横這いで推移すると予想する。

2.国内株式市場

《1月の国内株式市場》
1月の株式市場は、米国経済の回復期待等を背景に総じて底堅い動きで推移したものの、月末にかけてエジプト情勢の緊迫化、日本国債格下げ等から調整色が強まり、結局、日経平均株価は0.09%の上昇となった。
初旬は、年末年始の海外株式市場が堅調な動きとなったことや為替がやや円安気味で推移したことを好感し輸出関連銘柄中心に上昇、日経平均は昨年5月中旬以来の10,500円台を回復した。
中旬は、米国の主要企業の決算が概ね好調であり、月後半にかけて発表される日本企業の10-12月期決算にも期待が高まったことから外人投資家の買いが継続し、堅調に推移した。
下旬に入ると、中国の追加利上げの懸念や日本国債格下げ等から調整含みの動きとなり、月末にはエジプト情勢の緊迫化により月間の最安値で取引を終えた。
業種別には鉱業、繊維、輸送用機器等が上昇する一方で、証券、鉄鋼、その他製品等が下落した。

《2月の国内株式市場》
 2月の株式市場は、先行きの米国経済の回復期待等が下支えするものの、エジプト情勢等に不透明感があり、もみ合いの動きを予想する。為替やアジア市場の動向のほか、個別企業の株価を左右する材料として10-12月期決算が注目される。
マクロ環境については、政策効果の一巡などから足元の日本経済は踊り場局面が続いているものの、先行きには回復の兆しが見え始めている。米国経済についても雇用環境の厳しさは残っているが、クリスマス商戦も好調だった模様であり、緩やかながら回復傾向が続いていると判断している。金融緩和も長期化される見通しのため、米国景気の回復期待が更に高まる局面では、日本の株式市場にもポジティブな反応が期待できよう。一方で、新興国では食品価格の高騰等からインフレ懸念が強まっており、金融引き締めの動きが継続すると予想される。特に、中国は春節前後にも利上げの可能性があり、アジアの株式市場が調整色を強めた場合には上値を抑える要因となろう。
企業業績では、10-12月期決算発表が本格化するが、総じて良好な内容が予想されている。セクターによっては前年比で見た円高の影響や政策効果の一巡に伴う反動減もあろうが、徹底した合理化努力である程度カバーされていると想定される。但し、株式市場全体が11月以降上昇基調を維持してきたため、決算発表をきっかけに一旦利益確定の動きが先行する可能性もあろう。
エジプト情勢の混乱が長期化した場合、中東の産油国全体への波及が懸念される。引き続き、為替や海外市場の動向に神経質な展開となろう。


《1月米国債券市場》
1月の米国の長期金利は、方向感のない動きとなった。米国金利は月初から雇用関係の数字に振り回され乱高下したものの、その後は材料難から概ね3.30〜3.40%を中心としたレンジ内での推移となった。月末にかけては大統領による一般教書演説やFOMC(連邦公開市場委員会)等があったものの、特にサプライズはなく、金利への影響は限定的だった。
《1月欧州債券市場》
1月の欧州(ドイツ)の長期金利は、上昇した。月初は、周辺国に対する信用不安の高まりからドイツ金利は低下して始まったが、ECB(欧州中央銀行)が周辺国の国債買取に動いたことやEFSF(欧州金融安定ファシリティ)の機能を拡大させるとの観測から信用不安は後退し、ドイツ金利は上昇に転じた。その後も、トリシェ総裁がインフレに対する警戒を強め、早期利上げの思惑が出たため、金利は更に上昇した。
《1月英国債券市場》
1月の英国の長期金利は、上昇した。欧州の信用不安が後退しドイツ金利が上昇したことや英国内でインフレ率が高止まりしていることから、英国金利は上昇した。

《2月米国債券市場》
2月の米国の長期金利は、上昇を予想する。量的緩和や減税政策の延長で比較的高い成長が期待されており、足元の株価も堅調に推移していることから米国景気に対して今しばらくは楽観的な見方が続き、金利には上昇圧力が掛かるだろう。
《2月欧州債券市場》
2月の欧州の長期金利は、上昇を予想する。比較的堅調な回復を続けるコア国に対し、今後も財政赤字削減が重くのしかかる周辺国の二極化が進んでいくと思われるが、インフレに対する警戒とともに、流動性の供給は徐々に低下させていくものと思われ、金利には上昇圧力が掛かるだろう。
《2月英国債券市場》
2月の英国の長期金利は、上昇を予想する。インフレ率が高止まりしており、金融政策においてもMPC(金融政策委員会)で利上げを支持する委員が一人増えたこと等により、金利には上昇圧力が掛かるだろう。

《1月の米国株式市場》
1月の米国株式市場は、S&P500指数で、2.26%の上昇となった。ISM製造業景況感指数が改善したため、相場は上昇して始まった。その後も欧州の財政・金融システム不安が和らいだことや、主要企業の好決算発表等が続き、上昇基調が続いた。中旬以降、中国の追加金融引締め観測が嫌気され、弱含む局面もあったが、好調な企業の決算発表が下支えし、上昇基調が続いた。しかし、月末にかけてエジプト情勢の悪化から相場は急落し、方向性の掴めない展開となった。
《1月の欧州株式市場》
1月の英国市場は、0.63%の下落となった。資源関連セクター主導で上昇して始まり、英PMI製造業指数の改善も下支え要因となった。しかし中旬以降、中国の金融引締め観測を背景に、資源株が軟調となり弱含みの展開に転じた。更に、月末にかけてエジプト情勢の悪化が伝わると、下落に拍車を掛けた。
1月のドイツ市場は、2.36%の上昇となった。財政不安の高まり等の悪材料により軟調な展開が続いていたが、ポルトガル国債入札成功により財政不安が後退すると、相場は上昇に転じた。しかし、中旬以降、商品価格軟化や、エジプト情勢悪化等の悪材料が続き、上値の重い展開となった。
《1月の香港株式市場》
1月の香港市場は、1.79%の上昇となった。米国景気の回復期待を背景に投資家心理が改善し、投資資金が香港株に流入するとの期待感の高まりや、中国企業による人民元建て海外直接投資の一部解禁発表等が好感され、上昇基調が続いた。しかし中旬以降、中国人民銀行による預金準備率引上げ発表や、1月の銀行融資急増観測が伝わったこと等により、当局が追加金融引き締め姿勢を強めるとの警戒感が高まり、下落基調に転じた。その後も、旧正月前の商いが細るなか、中国政府による不動産価格の抑制やエジプト情勢悪化等の悪材料が嫌気され、軟調な展開となった。

《2月の米国株式市場》
2月の米国市場は、緩やかな上昇を予想する。中国の懸念や欧州の財政不安の再燃に加え、エジプト情勢の悪化や長期金利の上昇傾向には警戒が必要だが、直近の経済指標の改善に加え、企業決算も比較的好調であるため相対的に好パフォーマンスとなる可能性が高いと思われる。ISM景況指数、雇用関連、消費関連、住宅関連等の経済指標、金融政策や景気見通しに関する当局者の発言等も注目される。
《2月の欧州株式市場》
2月の英国市場は、レンジ内の動きながらも小幅な上昇を予想する。足元の企業業績が好調を維持している一方、英国政府の緊縮財政シフト等による景気減速懸念が燻るなか、欧州財政不安の再燃や、中国の追加利上げ懸念等の悪材料は払拭されず、足元好調な企業業績も今後の見通しが慎重になってきている。主要な経済指標、原油・商品価格動向等が注目される。
2月のドイツ市場は、レンジ内の動きながらも小幅な上昇を予想する。足元の企業業績は好調を維持しているが、欧州全体の景気減速の可能性の高まりを考慮すると、ユーロ安の恩恵を受け、相対的に優位なドイツにおいても上値の重い展開が続くと思われる。また、中国の経済成長鈍化懸念も気掛かりである。主要な経済指標、当局者の発言等が注目される。
《2月の香港株式市場》
2月の香港市場は、上値の重い展開を予想する。中国本土ではインフレ懸念の高まりにより、金融引締めが続いている。1月も中国人民銀行による預金準備率引き上げや不動産引締め策が実施されたが出尽くし感はなく、追加利上げ懸念も高まっている。食料品価格の上昇も気掛かりである。これらの諸問題が解決されるのは春以降と思われ、しばらくは神経質な相場展開が続くだろう。米国及び中国本土の市場動向や政策動向等が引き続き注目される。


《1月のドル/円相場》
1月のドル/円相場は、狭いレンジ内での動きに終始した。予想を上回る雇用関係の経済指標から月初に上昇したものの、その後は材料難の状態となり、本邦輸出筋の売り等によりドル/円相場はじりじりと値を下げていった。月末近くに日本国債が格下げされたことを受け、円が下落する局面はあったものの、レンジを抜けるようなことはなかった。
《1月のユーロ/円相場》
1月のユーロ/円相場は、ユーロが対円で上昇した。月初は、信用不安の高まりを受けユーロが弱含んだ。その後、ECB(欧州中央銀行)が欧州周辺国の国債買取を行ったことや、EFSF(欧州金融安定ファリシティ)の機能拡大観測等から信用不安は後退し、ユーロが買い戻された。その後も、トリシェ総裁がインフレに対する懸念を表明したことから早期利上げの思惑も現れ、ユーロは続伸した。
《1月のポンド/円相場》
1月のポンド/円相場は、ポンドが対円で上昇した。欧州での信用不安が後退したことに加え、英国ではインフレ率が高止まりしており、金利が上昇していることもあってポンドが強含んだ。

《2月のドル/円相場》
2月のドル/円相場は、ドル強含みを予想する。米国では量的緩和や減税政策の延長で比較的高い成長率が期待されており、足元の株価も堅調に推移していることから、楽観的な見方が続くだろう。デフレから脱却できずにいる日本との金利差も拡大したことから、ドルが強含むだろう。
《2月のユーロ/円相場》
2月のユーロ/円相場は、ユーロの小幅上昇を予想する。欧州ではインフレに対する警戒感が高まり、早期利上げの思惑まで出てきたことでユーロが買われたが、信用不安問題は完全に払拭されたわけではなく、徐々に高値警戒が出てくるだろう。米国では景況感が改善したが、市場は徐々に新たな材料を探し始めているため、ユーロ/ドル相場はしばらく膠着するだろう。このような状況のなか、ドル/円相場はドルが強含むと予想することからユーロ/円相場も上昇するだろう。
《2月のポンド/円相場》
2月のポンド/円相場は、横這いでの推移となるだろう。英国ではインフレ率が高止まっているが、付加価値税引き上げの影響が大きい。また10年第4四半期のGDPが予想外のマイナスとなったことで、ポンド高の勢いが削がれた。従って、ポンドは対ドルで軟調となるだろうが、対円ではほぼ横這いとなるだろう。

『大相撲の「行司」さんについて』

今年の7月にアナログ放送からデジタル放送に完全移行となりますが、テレビを買い換えた方も多いと思います。私の家でも液晶で画面が大きなテレビに買い換えました。そうなると次第に、画面が小さい頃と違うところに目がいくようになります。テレビで大相撲を見ていると、今まで気に留めていなかった、行司さんの美しい服装が気になり出しました。行司さんはすぐに交代してしまいますが一体何人居るのでしょうか。よくご存知の方もいらっしゃると思いますが、今回は、行司さん(以下行司と書きます)のことについて調べてみました。

 行司は相撲部屋に属し、力士と同じ様に出世します。階級は8つで、十両を裁くようになると、給与をもらう一人前の行司として認められます。ただし、力士の出世(横綱白鵬は2000年末に入門し、2004年1月場所で十両に昇進、2007年5月場所で全勝優勝し横綱になった)に比べると、出世はとても遅く十両格の行司になるまでに15年程度の時間を要します。かつて出世は入門の順でしたが、現在は判定や声量の良否などを考慮し抜擢されるようになっています。
 
行司の仕事は取り組みを裁くだけでなく、土俵入りの先導、土俵祭(土俵を清める儀式)の祭主、番付・取組編成会議の書記、割場(結果の記録)、場所中の場内アナウンス、各部屋の総務のような役割(巡業中の移動や宿泊の手配など)を担っています。相撲字(根岸流)の習得も行司の修行のひとつで、現在、番付表は幕内格の木村恵之助が書いています(番付表は最下位近くなると文字が読み辛いことから、その力士を「虫眼鏡」と意地悪く呼ぶこともあるようです)。行司定員は45名以内、十両格以上は20名以内と決められています。
行司は軍配を持ち、烏帽子(えぼし)と直垂(ひたたれ)を着用しますが、装束には、以下図のような取り決めがあり、階級がわかるようになっています。
軍配の房は長さ12尺(456cm)で12ヶ月を表し、房の糸は365本になっているそうですが(太陽暦に替わった後のことで俗説との意見もあります)、立行司だけは結びの一番で力士名を呼び上げる際、房の先が土俵に着くように背丈に合わせてあります。軍配には卵型とひょうたん型がありますが現在は卵形がほとんどで、先輩行司から譲られる、応援する人から贈られる、または自分で誂えることもあります。退職してそのまま軍配を持ち続ける人も居ますが、譲り団扇(ゆずりうちわ:代々受け継がれてきた軍配)として歴史のあるものは相撲博物館に展示(木村庄之助の譲り団扇には純金のものもある)されていて、行司がそれを借りて裁くこともあるそうです。



※三役格でも横綱が三人である場合などは土俵入りの先導をする際は短刀を差す。三役格が立行司の代わりに大関以上の取組を裁く際は短刀を差さない、などの慣習がある。

行司は織田信長が1570年に相撲大会を催したとき、立会人を「行事」と呼んだのが始まりだそうですが、これら行司装束は、昔から厳格に守られていた印象があります。しかし、行司の歴史を研究するさまざまな本を読んでいるとそうでもなく、現在の形に決まったのは「裃袴(かみしもはかま)」から「烏帽子・直垂」に変更された1910年(明治43年)のようです。それまでは、熊本の吉田司家(行司家のひとつ)が房の色や草履の免許を出す形式を取っていました。例えば、紫は高貴な色であって江戸時代に総紫は無く白を混ぜ、紫白も名誉色であって朱が最高位、あるいは、錦絵などでは草履を履いていることは稀であった、などです。元禄までは行司すべてが脇差を差していたそうですが、明治の廃刀令もあり竹光、木刀などの変遷もありました。よく行司の帯刀は軍配差し違えをすると割腹する覚悟を表す、と言われますが、実際のところ理由はわからないようです。武士だったから、という意見や、武士の身分ではなかったとの意見もあります。ただ、立行司が行司差し違えをすると相撲協会に進退伺を出していた(26代庄之助まで)ことから、行司の覚悟は相当なものであることは間違いなさそうです。
 こうして調べると房の色には決まりがありますが、装束の色に決まりは無く、応援する人が行司に贈ったりするようです。29代木村庄之助の著書「一以貫之」には、大阪の「29代庄之助を囲む会」から贈られた大阪府章が入った装束の写真が載っています。もっと判り易いのは装束に文字が書いてある場合で、この初場所でも宮崎県延岡市出身の35代木村庄之助の装束には「延岡」、鹿児島県枕崎市出身の38代式守伊之助には「枕崎」と読めました。出身地に因んだ人が贈ったと思われ、力士に後援会が贈る化粧まわしの様なものですね。

 最後に、行司といえばなぜ木村と式守しか苗字が無いのでしょうか。行司にはかつて複数の苗字(江戸時代は両家のほかに岩井、木瀬、長瀬、服部、吉田司)がありましたが、木村・式守家のみ現在は残っているのです。木村・式守のいずれになるかは相撲部屋によって決まり(部屋を移籍して木村⇔式守に変わることもある)、行司入門時には本名を名乗り、後に由緒のある行司名を名乗って三役格まで進み、立行司に昇進することになります。行司は力士の名乗りを上げるとき、軍配を持つ手を木村姓は手の甲を上にする=陰の構え、式守姓は掌を上にする=陽の構えを取っているそうです。ただ、この構えも昔から厳格ではないようで、先輩行司には握りやすくと言われた、あるいは「相撲の作法に二流なし」という考えもあるようです。私などは一瞬のことでまだ判別がつきませんが、本やサイトで構えを確認している方の意見に拠ると、「木村姓の陰の構えは腕を捻るのでわかり難いが、ほぼ守られている」ようです。みなさんが行司さんの装束や立ち居振る舞いを見る際の参考にしてみて下さい。

余談ですが、日本の国技は相撲であるにも拘らず大相撲で大関以上の日本人は魁皇関のみ。幕内には、モンゴル・ブルガリア・エストニア・中国・ブラジル出身の力士がいます。特に朝青龍が引退し、野球賭博問題で揺れた大相撲は、(モンゴル出身の)横綱白鵬が居なければ、続けられていたかどうかと思えるくらいです。それは取りも直さず、リーマンショックのあと、新興国の経済の伸びに支えられた日本の姿に重なる様に思えるのですが…。大相撲も経済も互いに切磋琢磨して、盛り上がることを期待しています。

【参考文献】
・「一以貫之」
・「大相撲行司の伝統と変化」
・「相撲観戦入門」
・「大相撲東風西雅」(坪田氏のサイト)


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