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【目次】
今月のポイント
国内債券
国内株式
外国債券
外国株式
為替動向
虫眼鏡

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2004年12月 Vol103
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マーケットレビュー

2007年4月-Vol.131
米国の実質GDPは3四半期連続で2%台とやや減速感が見られます。月次の指標でも減速を示すものが目立っており、2月末からの株価急落の一因ともなりました。2004年以降の連続利上げで金融政策が引き締められ住宅市場が急激に冷え込む中、ここ数年で急成長したサブプライム住宅ローン(低所得者層向け住宅ローン)の延滞率が上昇し、こうしたローンが中心の住宅金融会社の破綻が相次いでいます。この影響が経済全体へ波及するかどうかは不透明ですが、更なる下押し圧力となる可能性もあり今後の経済指標が注目されます。

今月の主なポイントは以下の通りです。
・4/2  日銀短観・・・企業の景況感に変化が見られるか
・4/11 米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録公開・・・声明変更についての議論
・4/27 日銀展望レポート・・・最新の景気・物価見通し
・4/27 米第1四半期GDP・・・減速が見られるか
《3月の国内債券市場》
3月の債券市場は、米国景気の不透明感の強まりや良好な需給環境から上昇(金利は低下)した後、高値警戒感から、下落基調(金利は上昇)で推移した。10年国債利回りは1.545〜1.680%で推移し、月間では0.025%上昇(債券価格は低下)した。
前半、米国の住宅関連指標の悪化から米国景気の先行きの不透明感が強まり、利下げ期待の高まりから米国長期金利が低下したことや、月中の国債大量償還による良好な需給環境から、債券市場は上昇基調(金利は低下)で推移した。後半、10年国債利回りが1.54%台まで低下すると、高値警戒感や、インフレ懸念による米国金利の上昇から、債券市場は下落(金利は上昇)に転じた。
イールドカーブは、政策金利の据え置き見通しから中短期ゾーン金利が横ばいで推移する一方、高値警戒感から長期・超長期ゾーン金利が上昇し、スティープ化が進んだ。
一般債市場では、投資家の一般債投資継続を受けて、信用スプレッドは横ばいで推移した。

《4月の国内債券市場》
4月の債券市場は、米国景気の不透明感の強まりや消費者物価指数のマイナス転換から、緩やかな上昇(金利は低下)基調で推移すると予想する。10年国債利回りは1.40〜1.80%で推移しよう。
4月の債券市場のポイントは、@米国経済及び長期金利の動向、A日銀短観、B需給動向と考える。@(米国経済及び長期金利の動向)では、3月に発表された米国経済指標は、住宅・設備関連の指標で弱めの結果となる一方、雇用関連の指標は堅調な結果となったことから不透明感が強まりつつある。今後、住宅市場の減速が他の部門に波及するようなことになれば、米国経済の軟着陸期待が後退し、国内金利の低下要因となりそうだ。但し、雇用環境は良好であり、原油価格が上昇する場面ではインフレ懸念が高まり、国内金利の上昇要因となる可能性もある。A(日銀短観)では、企業の景況感や先行きの見通しが発表されるため、2007年度の日本経済を予測する上で重要な指標となるだろう。また、2007年度の設備投資計画も発表されるため、堅調な数値となれば、日本景気の先行きに対して楽観的な見方が広がり、国内債券市場の下落(金利上昇)要因となる可能性がある。B(需給動向)では、4月は多くの投資家が年度始めとなるため、新規資金の流入観測や良好な需給環境から、国内債券市場の下支え要因になるだろう。
イールドカーブは、政策金利が当面据え置かれると予想することから、中短期ゾーンの金利は安定的に推移するなか、日米景気の先行きの不透明感や消費者物価指数のマイナス転換から長期・超長期ゾーン金利には低下圧力がかかり、フラット基調で推移すると予想する。
一般債市場では、企業の収益性の安定や需給の引き締まりを背景に堅調な展開が見込まれ、信用スプレッドは横ばい推移を予想する。


《3月の国内株式市場》
3月の株式市場は、日経平均株価で1.80%下落した。月初、上海株式市場の急落を発端とする世界的な株安への警戒感や米国景気減速懸念から急落し、投資家心理を冷やす展開となった。リスク資産圧縮のための円キャリー取引の解消の動きやその観測から円高が進行し、一時株式市場は全面安となったが、アジア株の上昇や1月の機械受注統計がコンセンサスを上回ったこと、さらには2月の米国雇用統計が底堅かったことから、警戒感が後退し幅広く買い戻しが入った。米国でサブプライムローン(低所得者層向け住宅ローン)を扱う大手業者への経営不安が台頭し、株式市場は再び急落したものの、個人投資家や投資信託からの買いが相場全体の下支えとなった。その後は、3月期決算末を控え国内機関投資家の動きも鈍く様子見姿勢が強まった。業種別には石油・石炭、その他製品、鉱業が上昇する一方で、銀行、パルプ・紙、輸送用機器が下落した。
                                                         
《4月の国内株式市場》
4月の株式市場は、軟調な展開を予想する。4月2日に発表された日銀短観では、大企業・製造業DIが小幅悪化するなど景況感に一服感が見られ、4−6月期についても低下見通しとなっていることが懸念される。ただし、過去最高水準まで積み上がった裁定買い残が急速な解消売りにより大幅に減少したことや、新年度の新規資金配分等需給面での改善要因があるため、下値リスクはある程度限定的と考えられる。外国人投資家の売買動向は一時の勢いを失ってはいるものの、個人投資家や投資信託等の買いも引き続き下支え要因として期待が出来よう。
中旬以降は、発表が本格化する企業決算に注目が集まるであろう。2008年3月期の業績見通しについては、為替や米景気の先行き不透明さを懸念して、企業は今年も保守的な業績予想を示す公算が大きい。企業が示す2008年3月期業績見通しへの感応度はかなり高くなりそうだ。
また、今年最大の注目テーマの一つと思われる5月の三角合併解禁が近づくにつれて、引続きM&Aや業務提携など業界再編等の動きも多くなると思われる。関連業種や企業群は注目を集めるであろう。
なお、イラン核開発問題等の地政学リスクや国際マネーフローの変化には引続き注意が必要であろう。


《3月の米国債券市場》
 米国の長期金利は上昇(債券価格は下落)した。月初はサブプライムローン(低所得者層向け住宅ローン)問題が米国経済に与える影響を懸念して米国債が買われ、金利は低下した。その後もFOMC(連邦公開市場委員会)の声明が引き締め姿勢から中立姿勢に変化したため、政策金利の早期引き下げ期待から金利は低位での推移となった。しかし、FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がインフレに対する警戒から当面政策金利の据え置きを示唆したため、早期の利下げ期待が後退し金利は上昇した。
《3月の欧州債券市場》
 ユーロ圏の長期金利は上昇した。ECB(欧州中央銀行)は予想通り政策金利を0.25%引き上げ3.75%とした。その後も、インフレ警戒から引締めを継続する姿勢を示したため、金利は上昇した。米国金利につれて低下する局面もあったが、ECBが引き締めを継続する姿勢であったことや、中旬以降米国金利が上昇したことなどから、ユーロ圏の金利も上昇した。
《3月の英国債券市場》
英国の長期金利は上昇した。BOE(イングランド銀行)は政策金利を据え置いたが、CPIや小売売上高等の経済指標が市場予想を上回ったことや欧米の金利が上昇したことなどから英国長期金利も上昇した。

《4月の米国債券市場》
 長期金利はレンジ内での推移を予想する。サブプライムローンの問題から米国景気の先行き不透明感は増しているため、金利の振れ幅は大きくなると思われるが、金融政策は当面据え置かれる見通しである。従って、長期金利は方向感が出ずレンジ内を推移することになるだろう。
《4月の欧州債券市場》
 長期金利は小幅上昇を予想する。欧州では景気が比較的堅調に推移しており、ECBは引締め姿勢を継続している。従って、長期金利は小幅上昇となるだろう。
《4月の英国債券市場》
 長期金利はレンジ内での推移を予想する。BOEによる引き締め懸念はあるが、年後半のインフレは急速に低下する見通しであり、利上げ打ち止め観測が高まる可能性が高い。インフレ上昇の懸念が小さくなる中で長期金利は当面レンジ内での推移が続くと予想する。
《3月の米国株式市場》
3月の米国市場は、S&P500指数で1.00%の上昇となった。上旬は、サブプライムローン(低所得者層向け住宅ローン)問題や予想を下回った2月ミシガン大消費者信頼感指数が嫌気されたこと等から大幅に下落したが、その後アジア、欧州の株式市場が堅調な動きをみせたことやポールソン米財務長官の発言でサブプライム住宅ローン市場のデフォルトによる米経済圧迫の懸念が後退したこと等から反発し、前月末水準付近まで値を戻した。中旬には、住宅ローン返済遅延率の上昇が明らかになったことや2月小売売上高が予想を下回ったこと等が嫌気され再度大幅に下落したが、M&A関連ニュースが相次いだことやFOMC(連邦公開市場委員会)の声明内容が今後の利下げを示唆するものと受け止められたこと等から大幅に反発した。しかし下旬に、1月住宅価格指数や3月消費者信頼感指数がいずれも前月比で低下し、住宅市場の悪化が経済成長を損なうとの懸念が一段と広がったことやバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長が議会証言でインフレが引き続き主要な懸念事項であるとの見解を示したこと等が嫌気され下落し、月間での上げ幅を縮小した。
《3月の欧州株式市場》
3月の英国市場は、2.21%の上昇となった。上旬、世界経済の減速懸念や円キャリートレード解消への懸念等による世界の株安の動きに追随し下落したが、その後業績が好感された鉱山銘柄が買われたことや原油価格の上昇によって石油関連銘柄が買われたこと、米国市場が反発したこと等から急反発した。中旬以降は米国経済及び住宅ローン市場に対する懸念が拡大し金融株を中心に再度大きく下落したが、相次いだM&A関連ニュースが好感されたことや英ブラウン財務相が所得・法人税を引き下げる方針を示したこと、米FOMCの声明内容が好感されたこと等から大幅反発した。下旬は米FRB議長の議会証言が嫌気され上値が重い展開となった。
3月のドイツ市場は、3.00%の上昇となり他市場をアウトパフォームした。上旬、世界経済の減速懸念や円キャリートレードの巻き戻しへの懸念等による世界の株安の動きに追随し大幅に下落したが、その後M&A関連ニュースが好感されたことや米国市場が反発したこと等から前月末水準まで値を戻した。中旬以降は米国経済及び住宅ローン市場に対する懸念が拡大し金融株を中心に再度大きく下落したが、米住宅ローン市場に対する懸念の後退や相次いだM&A関連ニュースが好感されたこと、米FOMCの声明内容が好感されたこと等から大幅反発した。下旬は国内のマクロ指標が好感されたものの、米FRB議長の議会証言が嫌気され上値が重い展開となった。
《3月の香港株式市場》
3月の香港市場は、0.76%の上昇となり他市場をアンダーパフォームした。上旬、中国株の調整が今後も続くとの懸念や米国経済の減速懸念、大手銀行の業績への警戒感の台頭等から急落した。しかし、その後、下落は行き過ぎとの見方が拡大したことや、中国の貿易黒字の拡大を受け人民元の一段の上昇が容認されるとの観測等から、中国関連銘柄を中心に反発した。中旬以降、米国経済及び住宅ローン市場に対する懸念が拡大し再度大きく下落したが、米住宅ローン市場に対する懸念の後退や大手通信銘柄の業績が好感されたこと、米FOMCの声明内容が好感されたこと等から大幅反発した。下旬は米FRB議長の議会証言が嫌気され上値が重い展開となった。


《4月の米国株式市場》
4月の米国市場は、3月末水準からの横這いを予想する。FOMC声明の変更を受けて、予想を早めての利下げ期待が浮上したことがサポート材料となる一方、企業業績の増益率予想が縮小傾向にあることや、2月後半に見られたような突発的な材料への懸念も残り、強弱材料の拮抗から日柄調整局面が継続すると予想する。主要なマクロ指標、1−3月期の企業業績発表等が注目される。四半期企業業績については、14四半期連続2桁増益から1桁台に減速することが見込まれている。
《4月の欧州株式市場》
 英国市場は、英金融政策やマクロ指標、原油・商品価格動向、引き続き活発なM&A関連ニュース等が注目されながら、米国市場並みの動きを予想する。
ドイツ市場は、6月のECB(欧州中央銀行)利上げ実施がコンセンサスであり、ユーロ高等のネガティブな材料があるものの、米国との対比で相対的に優位な企業の増益率や割安感、継続が予想される大型M&A関連ニュース等をサポート材料に米国市場並みの動きを予想する。
《4月の香港株式市場》
 香港市場は、米国や中国を中心とした金融・経済動向を材料としながら、米国市場並の動きを予想する。中国の金融引締めの影響や中国関連銘柄の割高感の継続等から上値を更新する局面は予想しない。


《3月のドル/円相場》
 3月のドル/円相場は、ドルが一旦下落した後、買い戻された。月初は世界的な株価下落や米国のサブプライム住宅ローン(低所得者層向け住宅ローン)の問題を懸念し、リスクを回避する動きが続いたため、円キャリートレードの解消の動きからドルが下落した。しかし、株価が落ち着きを取り戻し、為替のボラティリティーが徐々に低下するに従い、円キャリートレードを再開させる動きも出始め、徐々にドルは買い戻された。
《3月のユーロ/円相場》
 ユーロ/円相場は、ユーロが一旦下落した後、買い戻された。月初はドル/円相場同様、円キャリートレードの巻き戻しからユーロが対円で急落した。しかし、その後市場が落ち着きを取り戻すに従い、再度円を売る動きが出始め、また欧州圏ではECB(欧州中央銀行)が3月に利上げを行った後も追加利上げの可能性を示唆したため、ユーロは対ドル、対円で強含んだ。
《3月のポンド/円相場》
 ポンド/円相場は、ポンドが一旦下落した後、買い戻された。ポンド/円相場はドル/円、ユーロ/円相場同様、円キャリートレードの解消の動きから月初急落した。そして、市場が落ち着きを取り戻すに従い、高金利通貨のポンドが徐々に買い戻される展開となった。
《4月のドル/円相場》
 4月のドル/円相場は、レンジ内での推移を予想する。米国では景気後退懸念も出始めたが、早期に利下げが行われるとの見方ではなく、金利はしばらく据え置かれると思われる。一方日本では、追加利上げは早くとも参院選の後との見方が一般的である。従って、依然金利差を材料にドルが強含む展開が予想されるが、短期的には米国のサブプライムローンの問題が尾を引いており、ドル/円相場はレンジ内の動きに留まるだろう。
《4月のユーロ/円相場》
 ユーロ/円相場は、ユーロの上昇を予想する。欧州では独の付加価値税増税の影響も軽微に止まった様子で、依然堅調さを維持しており、ECBは追加利上げの可能性も残している。一方米国では、サブプライムローン問題から景気後退懸念が出ている。こうしたことから、ユーロは対ドルで強含むと思われる。ドル/円相場はレンジ内での推移を予想していることから、ユーロは対円でも強含むだろう。
《4月のポンド/円相場》
 ポンド/円相場は、ポンドの上昇を予想する。英国では将来のインフレ率低下が予想されているが、短期的な利上げの可能性は依然残っている。また、米国はサブプライムローンの問題を抱えており、ポンドは対ドルで強含むだろう。ドル/円相場はレンジ内での推移を予想していることから、ポンドは対円でも強含むだろう。


『淡水資源危機』

 ITバブルの絶頂期、2000年3月、オランダのハーグで第二回「世界水フォーラム」が開催されました。ここでは、重要な決定がなされました。人間の体の6割以上を構成し、生存に不可欠な水が遂に商品として位置づけられたのです。
 なぜ、水が商品として認知されたのか?それは、足りないからです。そのうち石油同様、淡水の先物が上場されるかもしれません。すでに石油業界で起ったことが、水の世界で繰り返されるかもしれません。すでに多国籍企業が世界中で公営の水道事業を買い漁っています。
 石油と違い、水は紛争と関係が薄いように見えるかもしれません。しかし、水を巡る紛争は、世界史の大きな一部となっています。旧約聖書では、イスラエルの民が「約束の地」(ヨルダン川流域の肥沃な渓谷)に入るために原住民と戦いを繰り広げました。近代では、1967年のヨルダン川支流の支配権争いが原因だったアラブ・イスラエル戦争などがあります。紛争や衝突危機などを挙げると、ここには書ききれないほどです。
 表面の約70%を海水に覆われる「水の惑星」、地球。しかし、我々、人類が使用可能な塩分を含まない真水いわゆる淡水は、地球上にある水の総水量のわずか2.6%にすぎず、しかも淡水の3分の2は氷河と極地の氷に閉じ込められています。それ以外の部分−表土と地下帯水層にある−のうち、最終的に我々が使用できる淡水はその1%足らずであり、結局、地球の総推量の約0.01%に過ぎないのです。実際に地上の生物が利用できるのは、たったこれだけの量なのです。
 私は、雨が好きではありません。私の様な人は多いと思います。しかし、この利用可能な淡水は雨によって地上にもたらされます。世界の年間降水量は約11万立方キロメートルで、その約3分の2にあたる7万立方キロメートルは、蒸発と植物による水分放出によって大気中に戻って再生されます、残りの約4万立方キロメートルの淡水は、半分が洪水で失われます。結局、人間が繰り返し利用できる淡水は、約1万2500立方キロメートルと推定されています。1万2500立方キロメートルの淡水は、均等に配分できるのであれば、世界の総人口の基本的需要を十分に賄える量という説がありますが、この雨による再生プロセスは、地表の舗装や建築物などの人工物の増加により、土壌への吸収そして蒸発というサイクルに戻らず、川や地下水道を経て、海に流れ込み、塩水となる割合が増加しています。淡水需要は増加する一方で、自然環境破壊によって淡水を生み出す雨水サイクルへの流入量は減少しているのです。
 社会が豊かに発展するにつれて、水の使用量も増える傾向にあります。個人一人当たりの使用量は、増加傾向にありますが、実は、家庭や地域社会が水道などを通じて直接使用する量は、全使用量の10%に過ぎません。一番、使用量が大きいのは穀物生産のための灌漑で、全使用量の65%に当たります。残り25%は半導体などの産業用途ですが、2025年までに倍増必至と言われています。企業の環境報告書やCSRレポートには、二酸化酸素の排出量に加えて、排水量や浄化への取り組みが記載されています。我々投資家が企業の環境に対する姿勢をチェックする重要な手掛かりとなります。持続的な経済成長を達成するには、それぞれの企業が水の有効利用を考える時期に差し掛かっています。世界の人口は1950年から90年の間に倍増しましたが、水の使用量は4倍に増えています。この背景には、世界の急速な工業化があります。
 海水の淡水化や都市部の下水排水の再処理利用、(水素からエネルギーと水を同時に取り出せる)燃料電池の利用などが低コスト化するなら、水の供給量は増えます。しかし、現在はコストが高すぎ、実質的に再生不能な地下水源を揚水し、賄っているのが実情です。特に農業では、水資源枯渇の解決策として灌漑を行ってきました。地下水源は、長年の歳月を経て形成されたものであり、汲み上げた水はすぐに溜まるものではありません。1800年の世界の総灌漑面積はわずか800万ヘクタールでしたが、現在はその30倍の2億3000万ヘクタールとなっています。人類は、食糧の40%を灌漑農地から得ているのです。アメリカ中西部のオガララ帯水層は、急速に枯渇し、この一帯では、深刻な旱魃と井戸涸れが発生し、農家を直撃しています。この帯水層は、北米最大であり、ネブラスカ州以南の大草原地帯に50万平方メートルにわたって広がっており、4兆トンの水を湛えているといわれています。しかし、アメリカの全灌漑地の20%にあたる330万ヘクタールの農地を灌漑するために、20万本以上の井戸が掘られ間断なく取水された結果、地下水面は毎年1メートル以上低下し、いくつかの推計によれば、すでに半分以上の水が失われているといわれています。地下水源も枯渇しつつあるのです。

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