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今月も日銀の金融政策が注目されます。12月の金融政策決定会合では個人消費や消費者物価で弱めの指標が出ていることを理由に利上げを見送りました。今月の金融政策決定会合では、10月に発表された展望レポートの中間評価も併せて行われます。政策委員の大勢見通しの中央値は、2006年度GDPが+2.4%、消費者物価指数(除く生鮮食品)が+0.3%となっていますが、足元ではやや予想を下回る状況となっています(下図参照)。利上げが議題に上るとの一部報道もあり、決定会合までの経済指標も含め注目されます。今月の主なポイントは以下の通りです。
・1/3 ECB(欧州中央銀行)定例政策委員会・・・0.25%利上げの見込み
・1/15 11月機械受注・・・日銀の利上げ判断に影響
・1/17 日銀金融政策決定会合(18日まで)・・・利上げの可能性
・1/30 米FOMC(連邦公開市場委員会、31日まで)・・・政策金利は据え置かれる見通し
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《12月の国内債券市場》
12月の債券市場は、景気拡大の鈍化、日銀による追加利上げの先送り観測の強まりを背景に上値を探る展開が継続したが、月末にかけて1月の追加利上げ観測の高まりから急落した。10年国債利回りは1.565〜1.700%で推移し、月間では0.030%の上昇(債券価格は低下)となった。
前半、日銀幹部の年内追加利上げに前向きな発言や好調な日銀短観が債券市場の下落要因となったものの、10月機械受注や7−9月期GDP2次速報「改定値」が市場予想より下振れたことや年内の追加利上げ見送り報道が上昇要因となり、債券市場は揉み合いに終始した。後半、追加利上げ見送りを決定した日銀金融政策決定会合後の会見で、福井総裁が個人消費と物価の弱さに言及すると、年度内の追加利上げ観測が後退し、債券市場は上値を試す展開となった。しかし、月末にかけて高値警戒感のある中、1月の追加利上げ観測が再燃し、債券市場は急落した。
イールドカーブは、中短期ゾーンにかけて日銀による追加利上げ観測から乱高下する一方、長期・超長期ゾーンは景気・物価の下振れから低下基調が継続し、結果的にフラット化が進んだ。
一般債市場では、信用スプレッドは投資家の一般債投資継続を受けて堅調に推移した。
《1月の国内債券市場》
1月の債券市場は、レンジ内での推移を予想する。10年国債利回りは1.60〜1.80%で推移しよう。金利は小幅な上昇にとどまると予想するが、月中は追加利上げ実施から一時的に急上昇する場面があると考える。その後は材料出尽くしから月末にかけては緩やかに低下もしくは揉み合う展開を予想する。
当月は金融政策と景気動向に注目が集まろう。金融政策では、1月追加利上げ実施を予想する。利上げ実施前には金利に上昇圧力が掛かるものの、実施後は材料出尽くしから金利は緩やかに低下もしくは揉み合いになると考える。逆に、現在景気拡大の鈍化局面を迎えていること、消費者物価指数に下振れリスクがあることから、1月利上げを見送る可能性もある。その場合でも、中長期的な景気拡大見通しが崩れない限り、持続的な金利低下局面は継続しないと考える。景気動向では、個人消費の低迷やIT・電子部品の在庫増加による景気拡大の鈍化局面を迎えていることから、金利には低下圧力が掛かる場面があると予想する。しかし、米国経済の軟着陸見通しや日本経済の内需主導の持続的な拡大を背景に、金利の低下余地は限定的だろう。米国では住宅市場、クリスマス商戦の動向、日本では個人消費動向、物価指標に注目が集まろう。
イールドカーブは景気、物価、金融政策の見通しによりフラット化、スティープ化を繰り返す循環的な変動を予想する。
一般債市場では、信用スプレッドは堅調推移を予想する。引き続き投資家の一般債投資継続による需給の引き締まりを受けて堅調な展開を見込む。
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《12月の国内株式市場》
12月の株式市場は、月初に発表された10月の全国消費者物価指数(CPI)などの経済指標が概ね予想の範囲内に収まったことから、堅調なスタートを切った。内需関連株の買い戻しに加え、新興市場の底入れ感もあり、投資家心理は改善した。中旬に発表された7−9月期GDP速報(改定値)、10月機械受注は、景況感の悪化を示す内容ではあったものの、相場への影響は限定的となった。外国人投資家による国際優良銘柄を中心とする日本株投資への期待感が相場下支えの要因となった。さらに、大手上場企業による経営統合発表を受けて、業界再編が期待される銘柄、また長期金利低下を手掛かりとする配当利回り銘柄に物色の矛先が向かい、基調は強まった。日経平均株価は7ヵ月ぶりに17,200円台を回復した。業種別には鉄鋼、輸送用機器、食品が上昇する一方で、保険、鉱業、石油石炭が下落した。
《1月の国内株式市場》
1月の株式市場は、月初については、年末の余韻を引き継いで堅調なスタートを切ることが想定される。引き続きM&A(企業の合併・買収)や業界再編、そして増配期待などが物色のテーマとなり、相場を牽引しそうだ。
しかしながら、すでに騰落レシオなどテクニカル面で過熱感が出ていること、TOPIXの予想PERについても20倍を超える水準であり、主要各国市場との比較において割安感があるとは言えず、上昇ピッチが加速した場合には、注意が必要と考えられる。特に中旬にかけては、17〜18日に予定される日銀金融政策決定会合の動静を見極めたいとのことから、市場参加者の様子見傾向が強まることも想定される。金利引き上げの動きが具体化するようであれば、一時的にせよ調整局面に入ることも考えられよう。
もっとも需給面から見た場合、新年度入りした海外投資家による新規資金の配分が期待され、外国人買いが相場の下支えとなりそうだ。国際優良銘柄を中心に底堅い動きとなれば、下旬からは、3月決算企業の第3四半期業績開示も本格化するため、通期予想の上方修正が確認できた銘柄を物色の中心として、再び基調は強含むことが想定される。
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《12月の米国債券市場》
米国の長期金利は上昇(債券価格は下落)した。月初に発表されたISM製造業景況感指数の数値が好不況の分れ目となる50を割り込んだことから金利は低下して始まったが、その後に発表された雇用統計や小売売上の他、住宅関連の経済指標も強い数字となったことから景気に対する悲観論が後退し、金利は上昇した。
《12月の欧州債券市場》
ユーロ圏の長期金利は上昇(債券価格は下落)した。欧州債券市場では景況感が改善する中、ECB(欧州中央銀行)が予想通り0.25%の利上げを行い、また来年以降の利上げも示唆したことから金利は上昇した。
《12月の英国債券市場》
英国の長期金利は上昇(債券価格は下落)した。ホリデーシーズンを迎え市場が閑散とする中、英国債券市場は欧米債に追随する動きが中心となり金利は上昇した。
《1月の米国債券市場》
長期金利はレンジ内での推移を予想する。米国では住宅部門が落ち込んでいるものの、ガソリン価格が一時の高値から低下し、株価が堅調に推移していることもあり、個人消費に悪影響は及んでいない。一方インフレ率に関してはFRB(連邦準備制度理事会)の思惑通り徐々に落ち着きを見せ始めている。こうしたことから金利は当面据え置かれ、長期金利もレンジ内を推移することになるだろう。
《1月の欧州債券市場》
長期金利はレンジ内での推移を予想する。欧州では景気が比較的堅調に推移しており、来年も利上げを継続する見通しである。ただし、インフレ見通しは徐々にターゲット近辺に落ち着くことが想定されており、利上げがいつまで継続されるのかは不透明である。年明けからドイツでVAT(付加価値税)が引き上げられることもあり、景気や金融政策に対する見方はまだまだ揺れ動くことになるだろう。こうしたことから長期金利はレンジ内の推移となるだろう。
《1月の英国債券市場》
英国金利はレンジ内の動きを予想する。景気面においては強弱まちまちであるものの、緩やかな拡大傾向を続けている。インフレ率は足下がピークで今後徐々に低下していくと予想されている。こうしたことから金融政策はしばらく据置かれるものと思われる。従って、長期金利は他市場の動向に左右されながらレンジ内を推移するだろう。
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《12月の米国株式市場》
12月の米国市場は、上旬に相次いだM&A関連ニュースにけん引され上昇し、6年ぶり高値水準となった。FOMC(連邦公開市場委員会)では予定通り金利据え置きが決定されたものの、金融政策の先行きの不透明感等から上値は重く、その後横這いで推移した。中旬以降は失業保険申請件数が予想を上回る減少となったことや企業業績が予想を上回ったことなどが好感され若干上昇したが、景気減速を示唆するマクロ指標や7−9月期GDP確報値などが嫌気され再び上値が重い展開となった。下旬にかけて利下げ観測が拡大したことや原油価格が下落したこと等が好感され小反発したものの、月間で他市場をアンダーパフォームした。
《12月の欧州株式市場》
12月の英国市場は、ポンド高が嫌気され下落して始まったものの、その後は金融銘柄やタバコ銘柄などの相次ぐM&A関連ニュースが好感されたことや、米国のマクロ指標が好感されたこと等から堅調に上昇し、中旬には約5年半ぶりの高値水準となった。その後、鉱山や石油、薬品銘柄の下落、予想を上回る米国の11月PPIが嫌気されたこと等から若干下落したが、その後、金属市況の上昇で鉱山銘柄が買われたこと等から反発し、月間で米国市場をアウトパフォームした。ドイツ市場は、ユーロ高が嫌気され下落して始まったものの、その後、米国の予想を上回るマクロ指標や相次ぐM&A関連ニュースが好感されたこと、またECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁の会見が利上げを急いでいないことを示唆したこと等から中旬にかけて大幅上昇した。その後、米PPIや予想を下回る米製造業耐久財受注が嫌気され下落したものの、原油価格の下落と米利下げ観測が拡大したこと等から急反発し、月間で米国市場をアウトパフォームした。
《12月の香港株式市場》
12月の香港市場は、通信銘柄の大幅安で下落して始まったものの、人民元の上昇により中国本土銘柄が買われ、反発した。その後は方向感のない展開となったが、中旬以降は米国市場にけん引されたことやバーナンキFRB議長が人民元上昇容認を促す発言をしたことを受け中国本土銘柄が上昇し、更に不良債権比率の改善が示唆された銀行銘柄が上昇したこと等から大幅上昇し、月間で他市場をアウトパフォームした。
《1月の米国株式市場》
1月の米国市場は、12月末の水準から横這いでの推移を予想する。
景気減速が明らかとなる中、マクロ指標を材料に金融政策の方向性を探る動きが継続しよう。楽観的なセンチメントが大勢となる中、調整らしい局面がなく好材料は織り込まれていると推定されるが、季節的な好需給要因も想定され、一進一退の展開となろう。二桁増益のトレンドが転換するのか注目される企業業績動向、主要なマクロ指標に加え、日欧の金融政策の他、大統領の教書内容等が注目される。
《1月の欧州株式市場》
英国市場は、マクロ指標や原油・商品価格動向等が注目されながら、引き続き活発なM&A関連ニュースにけん引され、米国市場を小幅に上回る動きを予想する。ドイツ市場は、ユーロ高やVAT(付加価値税)引き上げ等のネガティブな材料があるものの、米国との対比で相対的に優位なマクロ環境や割安感、また継続が予想される大型M&A関連ニュースが好感され、米国市場を小幅に上回る動きを予想する。
《1月の香港株式市場》
香港市場は、米国や中国を中心とした金融・経済動向を材料としつつ、中国市場の堅調な見通しがサポート要因となり、米国市場を小幅に上回る動きを予想する。
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《12月のドル/円相場》
12月のドル/円相場は、ドルが上昇した。月初は米国のISM製造業景況感指数が市場予想を下回ったことや、日銀の利上げ観測が高まった事等からドルが114円台まで売られたが、その後は米国雇用統計が予想より良かったことや、日銀が利上げを見送ったこと等からドルは119円台まで買われた。月末にかけては年末で徐々に取引量が減少したこともあり119円近辺で小動きとなった。
《12月のユーロ/円相場》
ユーロ/円相場は、ユーロが上昇した。月初、ECB(欧州中央銀行)が利上げを行ったが、市場予想通りであったためほとんど動きがなかった。その後は米国の経済指標が市場予想を上回り、米国の利下げ期待が後退したため、ユーロ、円に対してドルが買われた。中旬以降は、クリスマスや年末で取引量が減少する中レンジ内推移となった。ユーロ、円共に対ドルで低下したが、円の低下幅のほうが大きかったためユーロ/円相場は157円台と過去の高値を更新した。
《12月のポンド/円相場》
ポンド/円相場は、ポンドが上昇した。米国の経済指標が市場予想を上回り、米国の利下げ期待が後退したため、ポンド、円に対してドルが買われた。中旬以降は、クリスマスや年末で取引量が減少する中レンジ内推移となった。ポンド、円共に対ドルで低下したが、円の低下幅のほうが大きかったためポンド/円相場はポンド高となった。
《1月のドル/円相場》
1月のドル/円相場は、レンジ内小幅ドル安を予想する。米国の経常赤字や各国中央銀行による外貨準備の分散化の動きが継続されるため、ドルの上値は重くなると思われる。また、1月以降日銀による利上げが予想されるため、日米金利差縮小から円が強含むと思われる。ただし、金利差はなお大きいため円の上昇は緩やかなものになり、ドル/円相場はレンジ内小幅円高となろう。
《1月のユーロ/円相場》
ユーロ/円相場は、ユーロ高を予想する。ユーロは対ドルで上昇しているが、景気に対する悪影響を警戒したユーロ高牽制発言も少ないことや来年以降もECBによる利上げが予想されるため、ユーロは対ドルで堅調な推移になると思われる。円も対ドルで強含むと予想するが、対ドルではユーロの上昇幅が大きくなると思われるため、ユーロ/円相場はユーロ高となろう。
《1月のポンド/円相場》
ポンド/円相場は、レンジ内小幅円高を予想する。英国、米国ともに当面政策金利は据置かれる見込みであり、ポンドは対ドルでレンジ内で動きを予想する。円は対ドルで強含むと予想しているが、緩やかなものに止まると考えているため、ポンド/円相場はレンジ内小幅円高となろう。
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『県民性について』
「やっぱり、あなたは広島人ね」。昨年末、人気の携帯型ゲーム機をやっとの思いで入手したものの、僅か三週間で飽きてしまった私に対して、あきれ気味に発した妻の一言です。彼女曰く、私の出身である広島の人間の特徴は、映画「仁義なき戦い」のイメージとは程遠く、「淡白」、「熱しやすく冷めやすい」なのだそうです。気候が温暖なうえ、海の幸にも恵まれた自然環境が、あきらめが早く楽天的な広島人気質を作り上げているというのです。常々、人を血液型や星座などで簡単に分類することを快く思っていなかった私にとって、全く受け入れ難い話でしたが、次の一言で妙に納得させられてしまいました。「広島カープへの応援を考えてみて。阪神ファンとは随分違うでしょ」。
地元球団「広島東洋カープ」は初のリーグ優勝を飾った1975年、観客動員数が前年比1.8倍の120万人へと急増しました。優勝決定の日は繁華街で数万人の提灯行列が練り歩くという熱狂ぶりでした。その後、山本浩二選手や衣笠選手といった強打者の活躍などで1980年代に黄金時代を築きましたが、観客動員数は初の日本一を達成した1979年の145万人がピークです。連続日本一を成し遂げた1980年には前年比約1割減の131万人へと観客が減少しはじめて、現在は100万人前後と漸減傾向となっています。観客動員数の減少は様々な要因が絡み合った結果だと考えられますが、広島人の淡白さ、即ち「勝つ事に慣れてしまい、飽きてしまった」という要素も大きいと言われています。自虐的と嘲笑されようとも1990年代の弱い阪神タイガースを応援し続けた大阪の人々とは明らかに違う行動パターンといえるでしょう。このような地域的特性、もう少し一般的な言葉で言えば『風土』について司馬遼太郎さんは、その著書「歴史を紀行する」の中で、「個々のなかには微量しかなくても、その個々が地理的現在において数十万人あつまり、あるいは歴史的連鎖において数百万人もあつまると、あきらかに他とはちがうにおいがむれてくる」と書かれています。なるほど、こうしてみると確かに地域的な特性はあるようです。
人々の地域的な特徴を分類するには県民性という切り口があります。県民性は気候、地形、地質などの自然環境や歴史的背景、特に江戸時代の幕藩体制に大きな影響を受けているようです。以下では、「県民性「驚き」の法則」(PHP研究所)、「出身県でわかる人の性格」(岩中祥史著、草思社)を参考に、最も県民性が鮮やかに浮かび上がったと思われる明治維新における主役の面々について述べてみたいと思います。
まず、幕府側の雄「会津藩」からみていきましょう。会津藩の領地は今の福島県のうち会津若松市を中心とする内陸部でした。この地域は冬が長く雪も多いことから、そこに住む人々の気質は我慢強く誠実といわれています。「ならぬものはならぬ」の文句が有名ですが、頑固で情に厚く正義感が強いという会津人像をよく表しています。幕末、あえて京都守護職を引き受けて、自ら火中の栗を拾った行動は、こうした気質も影響しているのでしょう。また、NHKの全国県民意識調査のなかで「流行遅れの物を着たとしても気にならない」という項目で福島県は第一位だそうです。硬派の面目躍如というところでしょうか。
他方、奥羽越列藩同盟の盟主であった伊達「仙台藩」、今の宮城県はどうでしょう。一般に東北地方の県民性は自然条件の厳しさなどから、我慢強い、質実剛健などといったキーワードで表されることが多いのですが、宮城県は「伊達男」という言葉があるように、スマートで都会的な特長を持つ東北の異端児とされています。仙台藩62万石は、広大で肥沃な仙台平野と世界でも有数の漁場である三陸海岸沖に加え、豊富な鉱山資源を抱えていたことから、実質的な財政規模は200万石を上回り日本最大の藩であったともいわれています。大藩のもと、領民はゆとりのある生活を送っており、衣服にまで気を使う余裕があったことが、このような県民性を育んだようです。また、新しいもの好きでも有名であり、「冷やし中華」や「牛タン塩焼き」は宮城が発祥の地です。ただし、新しい物好きの反面、飽きやすさも指摘されており、奥羽越列藩同盟の盟主にもかかわらず、早々と同盟から脱落したことなどは淡白さの象徴といえるでしょう。
一方、官軍側の薩長土肥の県民性も、この組み合わせで、よく維新が成功したものだと驚くほど違います。主力藩である薩摩と長州をみてみましょう。まず、現在の鹿児島県である薩摩の県民性は「ぼっけもん」という単語で表されます。「ぼっけもん」とは、勇敢で性根の据わった豪傑のことです。桜島の火山灰に覆われ農業に適さない土地で生きていくために、自然と精神が鍛えられ、理屈より行動を重視する気質が県民性として定着していったようです。また、心根がやさしいことや西郷隆盛のような「不言実行タイプ」の大人物には盲従することも薩摩人の大きな特徴です。他方、薩摩人は無愛想で口下手でお世辞が苦手ともいわれています。この県民性が政治家や官僚に不向きなことから、明治維新の最大の功労藩でありながら、総理大臣は3人しか輩出していません。しかも最後の総理大臣は大正12年の山本權兵衞総理まで遡るという状況です。ちなみに、維新の一方の雄である長州は現在の安倍総理を含めて8人もの総理大臣を出しています。やはり、勇猛果敢な「ぼっけもん」は社会システムの不安定期にこそ、その本領を発揮するようです。乱世には滅法強いが、平時には向かない気質なのでしょう。
他方、長州藩山口県については心理学者の宮崎音弥氏が「情熱的な理想主義的傾向」と指摘しています。また司馬遼太郎さんも前出の著書のなかで「どんなことに関してでも極度に理論的で純粋なこと。しかしいささか観念論にすぎてしまって現実主義的ではないのが欠点」としています。吉田松陰を思い浮かべれば納得させられます。よく「薩摩の大提灯」「長州の小提灯」と言われますが、これは薩摩が西郷隆盛の号令により一致団結して行動するのに対して、長州は一人一人を説得しなければ動かないといった意味だそうです。昔から教育水準が高く、大陸との接点も多かったことが、長州人を議論好きで自己顕示欲が強い集団にしたのでしょう。具体的な人間関係においては好き嫌いがはっきりとしていることから、敵をつくりやすいようです。半面、心を開いた相手には長く付き合って行くし、命を投げ出すことさえ厭わないほど義理堅いそうです。池田屋事件の時の吉田稔麿などが典型例なのでしょう。
こうして県民性を眺めてみると、多様性こそが明治維新のエネルギーであったと思えてなりません。安定した徳川300年の治世でも、その水面下で「地域性」という多種多様のマグマが沸騰し続けたことが時代を動かす燃料となったのでしょう。株式運用の世界でも、ひとつの企業に投資するのではなく、複数の企業に分けて投資する分散投資が基本です。あるものが駄目でも、他のなにかで埋め合わせて結果的には良好な成果をもたらすと考えられるためです。同じことが社会のありかたにも言えるのではないでしょうか。様々な価値観が並立してこそ、活気ある社会が保たれるような気がします。100年後の日本人も大いに県民性を語っていることを祈るばかりです。
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