 |
日米で長期金利が低下しています。2月16日に、FRBのグリーンスパン議長が長期金利の低下は「謎」であると発言し、その後の長期金利上昇のきっかけとなりましたが、3月以降は再び低下に向かい、足元ではグリーンスパン議長が謎と言った時点の水準を下回ってきています。5月に発表された経済指標は、日本では機械受注やGDP、米国では非農業部門雇用者数や小売売上高等、予想を上回るものもありましたが、その他の指標ではまちまちとなっており、景気の先行きに不透明感があることや、GM格下げに端を発したヘッジファンド危機観測による質への逃避などが背景として挙げられています。
市場関係者の多くが、現在の水準が当面の金利の底と見ていますが、予想通り金利が上昇するかどうかが、株式への影響を含め注目されます。
今月は以下のポイントに注目しています。
・ 6/3 米雇用統計・・・非農業部門雇用者数および平均時給の伸びに注目
・ 6/15 米CPI・・・インフレ圧力の高まりが見られるか
・ 6/16 機械受注・・・回復基調が続くか
・ 6/29 鉱工業生産・・・5月は低下見込み
・ 6/30 米FOMC(結果発表)・・・25bpの利上げは織り込み済みであり、声明に注目

|
|
 |
《5月の国内債券市場》
5月の債券市場は、米雇用統計の改善、1-3月期GDPの大幅上振れを受けて下落したものの、その後は投資家の押し目買いが入り堅調な展開となった。10年国債利回りは1.210〜1.345%で推移し、月間ではほぼ変わらずとなった。
前半、米雇用統計の改善や10年国債入札のヘッジ売り、1-3月期GDPの大幅な上振れから10年国債利回りは1.3%台に上昇(債券価格は下落)する展開となったものの、後半は、株式市場の低迷や投資家の押し目買いから、じりじりと下落(債券価格は上昇)し1.2%台で揉み合う展開となった。
事業債市場では、前半はS&PによるGM・フォードの投資適格外への格下げや同社債にかかわる一部ヘッジファンドの破綻の思惑から信用スプレッドは軟調に推移したものの、後半には徐々に落ち着きを取り戻す展開となった。ただ、業績を下方修正した三洋電機など信用リスクが高まった銘柄ではスプレッドが拡大する傾向は継続した。
《6月の国内債券市場》
6月の債券市場は、小幅下落を予想する。
実体景気は底堅く推移していることや株価が反転上昇に向かいつつあること、債券市場に高値警戒感があることから、景気後退観測が市場コンセンサスとならない限り債券市場の上昇余地は限定的と考える。一方、余剰資金を背景にした投資家の国債投資ニーズの継続に下支えられ、大幅な下落も見込み難い。10年国債利回りは1.20〜1.40%のレンジ内で推移すると予想する。
当月のポイントは@景気・物価動向、A需給相場の持続性、B海外金利動向の3つと考える。@景気・物価動向では、米国景気の悲観論の修正、日米株価動向、日銀短観予想に注目する。米国景気の堅調さが確認され日米株価が上昇に向かえば、債券市場には調整が入ると予想される。また月末に近づくにつれ7月1日発表の日銀短観の市場予想にも注目が集まるだろう。A需給相場の持続性では、引き続き資金余剰を背景にした投資家の国債の投資ニーズが継続し、債券市場を下支えしよう。投資家別では、銀行、外国人投資家に加えて郵貯・簡保の動向に注目する。B海外金利動向では、グローバルな金利低下局面の継続性に注目する。海外金利が反転上昇に向かえば債券市場にも調整が入ると考える。
事業債市場では、需給環境の悪化等から一部の銘柄には信用スプレッドに拡大圧力が掛かっているものの、企業の収益力及び財務体質の改善や投資家の事業債投資ニーズの継続を背景に、慎重ながらも投資家の買いが入ると予想する。この為、信用スプレッドは小幅拡大する可能性があるものの、その後は概ね堅調に推移すると予想する。
(国内債券担当ファンドマネ-ジャー) |
 |
《5月の国内株式市場》
5月の株式市場は、27日現在、日経平均株価で1.67%、TOPIXで0.21%の上昇となった。指数が一進一退の動きとなる中、3月期決算の発表から業績動向を反映した個別物色の色彩が強い展開となった。
月初は米国株の上昇や中国のデモが避けられたことを好感し上昇してスタートしたが、外国人投資家が売越し基調を継続したことに加え、個人投資家による信用取引の処分売りが増加し、中旬にかけて7日続落となった。この間には予想を上回る1-3月期のGDPの発表もあったが、株価の反応は限定的であった。後半にかけては米国株式市場が戻り歩調となり、日系平均株価で概ね11,000円台での動きとなった。
業種別にはゴム、電機、水産・農林等が上昇する一方、鉄鋼、海運、倉庫等の下落幅が大きくなった。
《6月の国内株式市場》
6月の株式市場は、前半は海外市場の推移を見守りながら上値の重い展開が続くと思われるものの、徐々に7-9月以降からの景気再拡大を織り込む動きとなり、月末にかけての上昇を予想する。個別物色が継続し、今期の業績予想がポジティブであった銘柄は引続き堅調な動きが予想されよう。
マクロ動向では、まだら模様の経済統計が出ているが、景気再拡大に向けた調整が確実に進展していると見ている。1-3月期のGDPでは、予想に対する上振れは天候不順や地震の影響で消費が低迷した反動増による要因があったが、景気の踊り場脱却の兆しとの判断も可能である。企業業績では、前期の決算は概ね予想を上回るものであり、増配や自社株買い等の株主還元策を打ち出す企業が増加した。中国関連の需要拡大から大幅な増益となった素材産業の慎重な見通しなどから今期の増益率は鈍化するものの、バリュエーション面からも下値リスクは限定的となろう。ヘッジファンド破綻の噂などもあり売越しを続ける外国人投資家も6月には決算対策の売りが一巡してこよう。信用残が高水準のため個人投資家からの売り圧力は残るものの、信託勘定(年金)の買い姿勢が見られる事などを考慮すると、全体では需給は好転に向かおう。
リスク要因としては、原油価格の上昇や米中経済の減速、日中関係の悪化等が挙げられよう。当座預金残高の下限目標の柔軟化については、6月のマーケットには大きな影響はないであろう。
(国内株式担当ファンドマネ-ジャー)
|
 |
《5月の米国債券市場》
5月3日にFOMCが開催され、事前の予想通り0.25%の利上げが行われFFレートは3.00%となった。利上げは市場に織込み済みだったことから債券市場への影響は限定的だったが、6日に公表された4月雇用統計において、雇用者数の増加が予想を上回っていたことから長期金利は上昇した。米財務省が30年債の発行再開を検討すると発表したことも金利上昇要因となったが、S&P社がGMおよびフォードの社債をBB格に格下げしたことで、社債を運用するヘッジファンドに対する危機の噂が広がり、質への逃避の動きから米国債に買い戻しが入り長期金利は低下した。
《5月の欧州債券市場》
ユーロ圏の長期金利は低下した。
月初は米国債券市場の動きにつれて長期金利は上昇気味に推移した。ドイツ1−3月GDP成長率は予想以上の伸びを示したものの、3月鉱工業生産の数値がドイツ・フランス・イタリアともに悪化しており、またドイツ5月IFO景況感指数の低下等、域内景気の減速懸念が強まり長期金利は低下した。4日のECB理事会において政策金利は据え置きとされた。
《5月の英国債券市場》
英国の長期金利は低下した。5日に実施された総選挙は、予想通り労働党政権が勝利し金融市場への影響は限定的だった。9日のMPCでは金融政策は変更なしとされたが、その後公開された議事録において利上げに賛成した委員が9名中1名と前回4月の会議時の2名から減少していたことが判明した。BOE発表の四半期インフレ報告において足元の成長予測が下方修正されたことも長期金利低下要因となった。
《6月の米国債券市場》
長期金利上昇を予測する。5月中に米国経済の減速懸念が浮上したが、強い経済指標が発表されると徐々に懸念は収束していった。雇用統計における雇用者数も増加基調が継続すると思われ、労働市場の回復で賃金上昇圧力による労働コストの上昇が予想される。また、一旦落ち着くかに見えた原油価格動向は再上昇している。高成長を続ける中国経済が世界的な素材需給の引き締まりを呼び、エネルギー価格をはじめとする商品価格の上昇がインフレ圧力となり企業が消費者へ価格転嫁しようとする圧力の高まりが予想される。6月29・30日に開催されるFOMCにおいても0.25%の追加利上げが確実視されており、FRBによる金融引締めスタンスが継続すると見られることから、長期金利も上昇しよう。GM社債の格下げに起因する5月の長期金利低下の動きは収束したものと考える。
《6月の欧州債券市場》
レンジ内推移を予想する。ECBは原油高による物価指数の上昇や、低金利継続による過剰流動性がもたらす資産価格上昇等のインフレ昂進について引き続き警戒しており、米国の相場動向に連動した金利上昇局面が考えられる。実際にドイツのGDP成長率・小売売上高は堅調な数値が発表されたが、一方でユーロ圏主要国の鉱工業生産をはじめセンチメント等の指標に低下傾向が現れており米国との景況感格差が拡大している。但しECBは利下げの可能性には未だ言及していないため、ユーロ圏長期金利の上昇幅は米国より小幅に止まり、レンジ内での推移となろう。
《6月の英国債券市場》
レンジ内推移から、小幅の長期金利上昇を予想する。5月MPC議事録において9名の委員中1名が利上げを主張しており、BOE内部にインフレリスクに敏感な引締めスタンスが存在することが依然として長期金利の上昇圧力となるが、BOE発表の四半期インフレ報告において足元の成長予測が下方修正されており、鉱工業生産指数の低下と相俟って利下げ観測が強まる局面も予想される。
(外国債券担当ファンドマネ-ジャー)
|
 |
《5月の米国株式市場》
5月の米国市場は、原油や商品価格の低下、テクノロジー企業の好決算、M&Aニュースの継続等から中旬以降、上げ幅を拡大させて3ヶ月振りの上昇となった。中旬までは、予想を上回った5月の非農業部門雇用者増加数やGMの格下げに端を発したヘッジファンド破綻の噂等を材料に一進一退の動きとなるものの、その後は、3ヶ月振りの水準にまで低下した原油先物価格、一部減速感の台頭したマクロ経済指標で利上げペース加速観測の後退等から情報技術や一般消費財・サービスセクター中心に買われて上昇ペースを早める展開となった。
《5月の欧州株式市場》
イギリスのFT100指数は、構成比の大きい石油や銀行銘柄が上昇したことで米国市場並みの上げとなった。ドイツのDAX指数は、マクロ統計は景気減速を示すものの、今秋にも政権交代の可能性が浮上する中、構造改革期待が出たことで他市場をアウトパフォームした。
《5月の香港株式市場》
香港のハンセン指数は、短期金利が上昇したことが影響して構成比の大きい不動産や銀行セクターが売られて他市場をアンダーパフォームした。
《6月の米国株式市場》
6月の米国市場は、利上げが継続するとの観測から上値は抑えられる展開を予想する。原材料費や雇用コストといったコスト引き上げ要因からのインフレ懸念は払拭されない中、マクロ指標や原油・商品価格動向に連れる展開となろう。また、4−6月の業績発表を前にした企業側のアナウンスメント、当局者が警戒感を台頭させてきている住宅市場動向等が注目されよう。
《6月の欧州株式市場》
英国市場は、引き締め効果が出始めている模様だが、住宅価格や家計の負債についての懸念は残り、概ね米国市場並みの動きとなるだろう。ドイツ市場は、減速感の出ている主要なマクロ指標等やEU域内の政治的混乱の影響を見極めたいとの動きもあって上値は重くなると予想される。
《6月の香港株式市場》
香港市場は、内需の回復傾向は続くと予想されるものの、切り上げ観測の残る人民元動向や米国の金利環境を注目材料に他市場並みの動きが予想される。
(外国株式担当ファンドマネ-ジャー)
|
 |
《5月のドル/円相場》
5月のドル/円相場は、円安ドル高方向に振れた。
5月3日開催のFOMCで0.25%の利上げが決定されFFレートは3.00%となり、日米短期金利差は拡大するなか6日に発表された米国4月雇用統計において、雇用者数増加が市場予想を上回るものだったことからドルは上昇した。米国3月貿易収支で赤字幅が縮小していたことや中国人民元の早期切り上げ観測が後退したこと、米国経済の一時減速懸念が後退したこともドル高要因となった。
《5月のユーロ/円相場》
ユーロ/円相場は、ユーロが対ドルで下落したものの、円安ドル高の影響で狭いレンジ内での動きとなった。
米国の強い雇用統計、米国3月貿易収支での赤字幅縮小、中国人民元早期切り上げ観測の後退等がドル上昇要因となる一方、ユーロ圏各国の3月鉱工業生産においてドイツ・フランス・イタリアの主要国で減速したことが確認され、ユーロ下落要因となりドル高ユーロ安に振れた。ドイツ1−3月GDP成長率は予想を上回ったが、相場への影響は限定的だった。29日にフランスでEU憲法批准に関する国民投票が行われ、反対多数の投票結果が判明すると翌日ユーロは弱含んだ。
《5月のポンド/円相場》
ポンド/円相場は、ポンドが対ドルで下落し、円高ポンド安に振れた。
米国の強い雇用統計、米国3月貿易収支での赤字幅縮小、中国人民元早期切り上げ観測の後退等がドル上昇要因となり、ポンドは下落した。BOE発表の四半期インフレ報告において足元の成長予測が下方修正されたこともポンド安要因として働いた。9日に開催されたMPCにおいて政策金利は据え置きとされた。その後公開された議事録により、利上げに賛成した委員が1名存在したことが明らかになるとポンドは下支えされた。
《6月のドル/円相場》
6月のドル/円相場は、レンジから小幅ながら円高ドル安方向への動きを予想する。
次回6月29・30日開催のFOMCにおいて0.25%の追加利上げが予想されており、米国の金融引締め継続が金利差からドルの下支え要因として働くが、一方で米国の貿易収支は再び赤字拡大が予想されており、さらに4−6月経常収支の発表も控えていることから米国の赤字問題に再び焦点が当たる展開となろう。一時後退した中国人民元切り上げ観測も、米国当局が中国の為替制度改革への圧力を強めていることから再燃が予想され、アジア通貨が堅調推移するなか円高圧力として働こう。日本の4月鉱工業生産指数が上昇していたことも円をサポートするものと思われる。
《6月のユーロ/円相場》
ユーロ/円相場については、ユーロは対ドルでレンジ内推移から小幅上昇する動きを見込んでおり、ユーロ/円はレンジ推移を予想する。
ドル/円相場での記述同様、米国の金融引締め継続がドル高要因として働くが、米国の貿易収支および経常収支の赤字拡大懸念が強まることが予想され、ドル安要因として働きユーロをサポートしよう。ドル/円での円高ドル安の動きに連れる展開を予想する。しかし、発表されたユーロ圏各国の経済指標は鉱工業生産をはじめ低下が見られることからユーロの上昇幅は限定的となる可能性がある。但しECBは未だ利下げの可能性に言及しておらず、ユーロが一方的に下落するには至らないものと見る。フランスのEU憲法批准に関する国民投票の影響は、EUの経済的枠組みおよびECBの信頼を損なうものとはならないことから為替相場に与える影響は減少しよう。
《6月のポンド/円相場》
ポンド/円相場は、ポンド/ドル相場でのポンド小幅上昇とともにレンジから若干の上昇を予想する。英国の利下げ観測が強まる可能性もあるが、米国の赤字問題やユーロ圏の景気減速懸念のなか資源国通貨としての選好要因もあるポンドは他通貨に対して強含みとなると思われる。
(外国債券担当ファンドマネ-ジャー)
|
 |
老いと健康
会社の健康診断を受診する機会が今年もやってきました。昔は特段に気に留めることもない行事だったのが、最近、とみに頭を悩ます厄介な行事になってきた気がします。なぜゆえ厄介かというと体重のリミット接近が原因。以前医師より体重80kgを超すといろいろな点で体に支障があるといわれ、リミットである80sを越えないように注意してくださいといわれたからです。勿論其の事だけではありません。気がつけば、ズボンのウエストも危険領域と言われる85cmを越えてきました。また駅の階段を上る際、妙に躓くことも多くなり足元も怪しくなってきたなど、いろいろな兆候が現れてきているのかなと思う今日この頃です。小生も年齢を切り上げれば50歳。人生の折り返し地点も過ぎ、多少は齢を取っていくこと或いは健康にも気を使わなければいけない年代となってきたのでしょう。医学的見地からの検証をしたことはありませんが、齢を取っていくことと健康であるかどうかは相互に密接な関連があるのでしょう。今回は自らの勉強を含め、「老いと健康」をテーマとして考えてみたいと思っています。
そもそも、若いときは例外もあるかもしれませんが、自分が健康かどうかを考えることも無く過ごしてきた気がしています。やはり年を取り、自分の体に自信が無くなってきた頃から健康に気を使い出す、そんな感は拭いきれません。テーマである「老いと健康」を考える上で、先ずは齢を取る、老いるというのはどのようなことなのか考えてみたいと思います。ポイントとして「老人の定義」、「老化の意味」、「老化の過程」からみてみます。
第一に「老人の定義」について、一般的に年齢何歳以上の人が「老人」として認識されるのでしょうか?広辞苑で「老人」と言う言葉を引いてみると「年をとった人」或いは「年寄り」との記載がありますが、具体的に何歳以上が老人であると規定されている訳ではありませんでした。「老人」の概念は多分に観念的な要素もあるのでしょう。他に何か具体的な選定基準で「老人」を特定しているものがないかというと、老人福祉法において65歳以上の人、またはWHO(世界保健機構)の定義においても65歳以上の人が「老人」として定義付けされていました。また、国連の規定においては総人口のうち65歳以上の人の占める割合(=高齢化率)が7%を越えた社会を「高齢社会」と呼んでいることから考えてみれば、一般的な解釈として65歳以上の人が「老人」と定義されるのでしょう。
第二に老化の意味を考える上で、英語の老化=エイジング(AGING)の意味をひいてみると、エイジング(AGING)の言葉には3つの意味があります。一つ目は、「加齢」ということ。これは単純に年齢を重ねていくことです。二つ目は、科学的な用語でまさに「老化」、生理機能が年とともに衰退していくことです。三つ目は熟成としての「老い」です。以上の三点が英語のエイジング(AGING)の言葉が意味する内容です。言葉の意味に相応しいのは二つ目の「老化」が一番なのかもしれません。さらに老化=エイジング(AGING)について考慮しなければならない点があります。日本は高齢化率が18.5%(2002年10月1日現在)と急速に「高齢社会」に向かっています。2020年に高齢化率が25%を超え、4人に1人が老人になるとの予測もされています。すなわち今後間違いなく老いていく人々が増えていくのですが、現在の老いていく人々の大半は介護等を必要としない健康な「老人」たちです。今後の医療の進化も考え合わせれば老いていく人々が増えていくとしても健康な「老人」が増えていくこととなるのでしょう。老いることの意味を考えていく上で、今まで以上に老いる期間の長期化を考慮して行かなければいけないという点です。
第三に老化の過程を考えてみます。老化はどのような過程で進むのでしょうか?医学的見地からみてみると、人は赤ん坊として生まれ、男女差や個人差はありますが、20歳前後まで成長を続けます。ここまでの期間が「成長期」といわれ、成長期の後半で性成熟に至ります。そして子孫を作り、子育てをする「生殖期」を迎えます。それが終えると余生というべき「後生殖期」へ至ります。体内の臓器については、生まれてから徐々に上昇して成長期を過ぎてほぼ横ばいとなり、臓器によって速度は違いますが、機能の衰退が起こってきます。老化は必ずしも「後生殖期」に起こるという訳ではなく、意外に早い時期から生じます。一例で挙げれば、聴覚器は20歳頃から早くも衰え始めます。老化の過程を説明してきましたが、大まかにいうと「成長期」から「生殖期」まではだいたいみな同じ速度で成長は進行しますが、「後生殖期」での老化速度は個人個人でバラバラとなっているのです。早い人で40歳過ぎる頃から白髪が目立ったりします。老化が早く進む人と非常に遅い人では個人差が出てくるのです。個人差が生じるのはどういう原因によるかというと、遺伝的な素因もありますが、人それぞれ食事を含めた毎日の生活の仕方の違いによるものの様です。逆に言えば個人の努力や注意によってうまくコントロールできると思われるのです。
「老人の定義」「老化の意味」「老化の過程」について説明してきましたが、それに加え、「老化」と「寿命」の関係にも触れておきます。多くの場合、老化の結果として寿命が来るように思われがちです。両者は原因と結果のように扱われていますが、寿命は必ずしも老化によって決まるものではありません。広辞苑によれば、「老化」は前述の通り、年をとるにつれて生理機能が衰えることとなっており、一方、「寿命」は命ある間の長さと表されています。すなわち「老化」は不確定的に進行する不可逆的な変化を表すのに対し、「寿命」は遺伝的に決められた限界を表すもので、両者の本質的概念は別です。平成15年度の厚生労働白書によれば、日本人の平均寿命は男性が78.36歳、女性が85.33歳となっています。戦後の1950年の頃には50歳を僅かに超える程度から考えてみれば、飛躍的な伸びを遂げています。では人間の平均寿命はどこまで延長可能なのでしょうか?医学的にみれば、ひとの場合に平均寿命は伸びていますが、最大寿命(生物種による最も長く生きられる期間)は120歳程度が限界とされています。
老いについて、また寿命についてもいろいろ述べてきました。まとめにあたり、どうしたら快い老いを過ごすことが出来るだろうか?を考えてみたいと思います。老いは避けられません。でも誰しもボケたり、寝たきりになってしまったのではつまらないですから健康を保ちながら長生きが出来たらと考えるのではないでしょうか。老化の過程で述べた通り、老化は早く進む人と非常に遅い人と個人差があり、個人の努力や注意によってうまくコントロール可能かもしれないのです。従って「後生殖期」においては老化のスピードを自らコントロールするように努め、生活や生命を脅かす病気にならないよう日々気をつけることが大切となるでしょう。医学的にも、人が亡くなる主な原因は癌や脳卒中、心筋梗塞、糖尿病といった生活習慣病です。生活習慣病を未然に防ぐことが健康に老いることの近道のようです。即ち主な栄養源となる炭水化物、タンパク質、脂質の三つのバランスを崩さずに適度の総カロリーに抑えるよう一日の食事をとる、さらに適度な運動をする生活習慣をつけることが予防をしていく最善の方法と成りえます。結論として一般的によくいわれている内容で予防していくしか方法は無かったようです。特効薬は無いのです。地道にチャレンジしていきましょう。最後にもっと手軽に健康に老いたいとお考えの貴方には精神科医で82歳にして現役活躍中の斎藤茂太氏の方法を試してみては如何でしょうか?
| 1.新しいことを始めよう |
マンネリは老化を推進する。絶えず何かを求めることです。 |
| 2.何事にも好奇心を |
「旅」は老化対策には重要なことです。 |
| 3.遊びのすすめ |
「遊び」には自由、非利得、社期に迷惑をかけない等の条件があります。 |
| 4.ユーモアーのすすめ |
日常生活を明るくする為にジョークは欠かせません。それが脳細胞に活を与え、血流を良くします。 |
| 5.反孤独のすすめ |
最大のストレスは孤独です。人と会うことが対抗手段です。 |
| 6.思いついたらすぐ始めよう |
すぐに実行できる人は意欲・気力が充実しています。 |
| 7.不良老年のすすめ |
気持ちを衰えさせず茶飲み友達を多く持ちましょう。 |
| 8.ベストドレッサーのすすめ |
そこから生まれるセンスが人間を活性化します。 |
| 9.感動のすすめ |
感動は天から授かるものではない自分の力で作り出すもの。 |
| 10.スポーツのすすめ |
あくまで自分の体力相応に、まずは歩くことです。 |
| 11.車のすすめ |
自己能力を勘案して何歳まで更新かどうかの挑戦です。 |
| 12.メモ魔のすすめ |
指を使って書くということは老化防止の中心要素です。 |
| 13.適正飲酒のすすめ |
日本酒2合、ビール中ビン2本、ウイスキー水割り2杯以内これが適正量。 |
皆さん方が健康に老いることを願い、締めくくりたいと思います。最後までのお付き合いどうも有難うございました。
|